進化する敵
「俺とラウルで攻撃する。他のものは待機していてほしい。やばくなったらすぐデュランに言って撤退する。」
俺はそう言って海に出る。
「皇帝陛下本人が出陣というのは凄く変ですね。」
笑っていうラウル。そうだな。捕まったら即終了だもんね。
俺はラウルに乗って海に出る。
半日ほど進むと軍艦の群れがある。どうやら海の魔物と交戦中のようだ。轟音を響かせながら大砲を放ち続けている。それじゃきっと当たらない。
「恵様、ご注意を・・・近くに人?が潜っています。」
ラウルが捕まえて見せてくれる。
「なに??」
男がもがくが全く逃げられそうに無いように見える。
「恵様・・・この男・・・エラがありますよ。それに・・・体のいたる所に鱗が生えています。この短期間で進化したのでしょうか?」
「もしかしたら混ぜたのかも・・・。」
俺の言葉にぎょっとする男。魚だけに!くくく。緊張感なくて申し訳ございません。
「こいつのことはあとで調べるとして他に居ない??」
俺の言葉よりも早く数人の泳ぎの達者な人達を捕まえている。
「全員拘束してあの空間に隔離!」
俺の声でデュランが隔離してくれる。
船の周りの魔物が俺達に気づき攻撃をするものとこちらに来るものに分かれる。
「王よ、手間を取らせて申し訳ない。この船の人族は少し変わっている。泳ぐのが上手い。我々の早さについてはコレないが武器の扱いに長けている。それに変わった武器を手に持っている。」
俺に見せる武器は・・・魚雷?俺は兵器に疎いがミサイルの後ろにプロペラがついている。
それと・・・この大型の武器は何だ?そう思いながらアイテムボックスに収納する。
あとで観月にでも聞いてみるか?
「これらは当たると非情に痛い。今まで食らったことのない斬新な痛みだな・・・」
ちょっと喜んでいるのか?俺にはわからない。
「仲間が呼んでいる。面白いものがあるそうだ。」
俺とラウルも一緒にいくとわけのわからない格好をした男女が捕まっている。
「放せ!!私達を放せ!!さもなくば私達の国がお前らを滅ぼすぞ!!」
その言葉を聞いて笑い出す魔物。
「滅ぼす??この力の差でどう・・・」
魔物の首が飛ぶ。
「何??」
俺の声に
「我が国の改変者に何をする?」
そう答える覆面の兵士。あの魔物を一撃で殺すとは・・・。
「私の仲間を一撃ですか?素晴らしいですね。」
イカの腕で捕獲する。身動きがとれなくなった兵士。しかし体をねじった瞬間ぐにゃりとよじれて逃げ出すことに成功する。
「なるほど。貴様は他の海の見苦しい魔物とは違うようだな。」
「見苦しいは失礼だろ?」
俺の首への手刀を回避できずに思いっきり食らう。
「ゲハッ」
首が変な感じに曲がったけどさっきの姿を見た感じイケるでしょ?
そう言ってこの兵士も隔離して戦闘を見守る。
先ほどの兵士のようなものが複数いたが全て捕らた。
このあと尋問しようと思ってなるべく無傷と頑張ってみたがなんか人と違って気持ち悪いから変に力が入って結構な怪我を追わせてしまう。。
変な兵士を捕まえると戦局がいきなり変わりあっという間に船が沈みだす。
俺はデュランに頼み、命を落とした魔物を復活させる。
「我は死んでいましたか・・・。申し訳ない・・・。」
謝る魔物。だが、不意を突かれて首が飛べば誰だってそうなる。
海一帯に人や木片、戦艦の部品が浮いている。
「これで終わりかな?あとは捕虜から色々聞いてみよう。」
デュランに頼み港に移動させてもらう。
その後、俺は自分の家に帰り、皆に無事を知らせ、捕虜について話す。
「で、その捕まえた得体のしれない奴らをどうするの?」
やっちゃんが聞くけど、決まってるでしょ?馬鹿な国は何をしたいのかじゃない?
魔族領に攻める時点で自殺行為でしょ?
俺はあの空間に移動する。いつもの、何もない空間。そこに丸裸にされた男女が身動きの取れない状態で転がっている。
「さて、俺が喜ぶことを言ってくれよ。」
俺はニコニコそいつらに近づいていく。ふふふ。凄く楽しい時間がやってくるよ。