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願いで手に入れた伴侶が最強  作者: うぉすれや
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護衛追跡隊

「まさか・・・あれは・・・」


俺が指差す方向を全員が口を開けてみている。


「あ!レイのストーカー隊!!」


声に出して言ってしまったやっちゃんは自分で口を押さえている。聞こえたら面倒です。

懐かしい顔を見る。ごめんなさい。顔は忘れています。なつかしい格好をしている。

あんな格好・・・どんなに愛していても・・・俺にはできません。


兜にピンクのハートマークをくっつけて真ん中に『愛』の文字。

この時点でヤバイ。

白い鎧に内側がホワイトピンク、外側は白のマント。

そして、内容が気持ち悪すぎる刺繍。


ん??人数が殖えているではないか??

絶賛増殖中??


「おい!!レイ様がここの皇帝の正妻になっていると聞いたぞ」


「レイ様を出せ!!どんな弱みを掴んで妻にしたんだ?教えろ!!」


「皇帝を出せ!貴様では話しにならん!!」


「俺達の情報を舐めるなよ!!ここにいるのはわかっているんだぞ!!?」


「さっさと中に入れろ!!」


兵士が微動だにせず門を守っている。

これは相当面倒だな。そう思って突っ立っていると集団の中の1人が俺達に気づく。


「おう!!あれを見ろ!!」


ゲ!ヤバイ!逃げないと・・・。俺が後ろを向いて逃げようとすると


「やはり貴様か・・・あの時はレイ様に免じて許してやったが今日はそうはイカンぞ?」


いつの間にか後ろにストーカー隊のリーダーが立っていた。

俺達誰1人気づかないほど気配を消して・・・。

もしかして相当な達人なのか?


「影が薄すぎるのと弱すぎるから感知できなかったみたい・・・。」


ハウンが言う。

吹き出すやっちゃん。それを見てレイが小声で


「ちょっと、それは失礼よ!」


とだけ言っている。


「おい!!何を無視している!!貴様がここに来るだろうと思ってはっ・・・」


言い終わる間もなく門からワラワラ出てきた衛兵がリーダーを取り押さえる。

後ろを見るとたくさんの衛兵にストーカー隊のメンバーがドンドン取り押さえられている。


「貴様ら!!放せ!!そんなことをすれば外交もんだ・・・」


きっと外交問題になるぞ!!みたいなことを言いたかったんだろうが、言葉に出す前に猿轡をされて連行されていった。喚きながら連れて行かれる隊のメンバーたち。


「何あれ?」


みたいな声がちらほら聞こえてくる。ここにいる皆がそれに同意しているだろう。


俺は門番の労をねぎらって家に入る。


「主様、外で喚いている人族を懲らしめなくてよかったのでしょうか?」


仲間になって間もない魔物が言ってくる。

君がちょっと懲らしめるとあのリーダーはミンチになって死にます。

俺は手を振って『しなくていい』と伝えておいた。


「メグミ!!私一日頑張ったから何かご褒美頂戴!!」


レイが嬉しそうな顔で何かをねだっている。


「何がほしい??武器??鎧??もしかして宝石??」


俺の聞いたもの全てに首を横に振る。


「メグミ!!マッサージしてください!!」


邪な気持ちが生まれてきそうだが・・・。


「いいけどそんなもんでいいの?」


「あ〜〜〜私も疲れたからマッサージしてほしいな〜〜。」


「あぁ、脚が痛い!!マッサージしてほしいな〜〜」


何故かやっちゃんとハウンまでマッサージしろと言い出す。


「君たちは仕事していないでしょ?」


俺の冷たい目を見てもめげない二人。


「賭けをしないように我慢していました。踏ん張って・・・。」


「賭けに手を出さないように歯を食いしばっていました。」


この二人は小学生レベルのことを言い出したぞ。精神力強すぎるな・・・。


「レイはマッサージしてもいいと思いますが二人はマッサージしません。マッサージをするのは許しますけど・・・。」


そう言うとエロい顔で手をニギニギして俺に近づく二人。


「ごめん、嘘です。」


すごい勢いで肩を落とした。もう肩を脱臼しそうな感じなくらい。

俺はレイをベッドまでお姫様抱っこで連れて行ってベッドに寝かせた。

レイはずっと声を出して笑っていた。




1時間ほどありとあらゆるところを揉みまくって俺は退室。マジでずっとマッサージさせられるとは・・・。もっとエロいことを期待していたが足腰中心に揉みまくりで腕が痛い。


疲れた俺が廊下を1人で歩いているとマギーが走ってくる。


「北の帝国の使者が恵様にお会いしたいと・・・。」


「北の??」


「はい。シュローデヒルム帝国です。」


もしかしてあのストーカー隊のリーダーのことでモメたか?

俺が謁見室にいくと凄い着飾った男女が二人立っている。


「どもども、ここの皇帝をやっている恵です。」


俺の服装・・・。お気に入りの町人の服なんだけど。

俺の姿を見て目をパチパチさせている。相当言葉に困っているようだ。


「あぁ、俺は平民出なのであまり肩肘張らずにお願いします。俺も作法とか、言葉遣いとか全くわかりませんので。」


俺のニコニコ顔にどう対処したらいいのか顔を見合わせる男女。


「今日、この国に我がミキスタル国の者が来ていたはずです。そのものが皇帝陛下に暴言を吐いたとかで連行されたという情報を得まして・・・。」


やっぱりアイツだな。


「門の前で喚いていたのをうちの衛兵が捕まえているのを見ましたけど、その集団の中にいたのですか?」


俺は知らないふりをして話を進める。

男のほうが情けない顔で俺に言う。


「はい。あの中にいた、ひときわ派手な兜を冠った男が私の弟です。」


なんか辛いこと聞いちゃったね。阿呆な弟のせいでこんなところに来なければいけない兄の気持ち・・・。

俺には弟がいなくてわからないが、あんな格好をしている身内が居るのがバレるのはさぞ辛いだろう。


「なんか・・・気持ち察して辛くなってしまいました・・・。」


俺の言葉に


「ありがとうございます。」


とだけ言って下を向いてしまった。


「あの、お二人はどのような・・・」


「あ!申し訳ございません。自己紹介遅れました。私はミキスタル国、ミキスター家長男ドレイル。そして、横に居るのが妹のミルモです。」


一礼して俺の方を見る。


「弟が捕まっているのならすぐに釈放しますよ。」


俺が面倒になる前に提案する。


「いえ、このまま、一生投獄していただけないかと思いまして・・・。」


なんか、思いもよらない答えが返ってきたな・・・。

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