金儲けをしまくらないとね。
無駄遣いである無駄な兵士の削減に失敗したけど、俺は気分がいい。
自分の思い描くいい国に近づきつつあるから。
俺がこの国に来てから貴族という身分の者がものすごく数を減らしてしまった。
まずは闘技大会での賭けに失敗した貴族達の逃亡、夜逃げ、財産を失って没落。
その後の俺が皇帝になってからの身分の剥奪など。
気がつくと誰も治めていない空白地があちこちにいっぱいある。
そこに新たな貴族を入れるか、今いる有能な貴族に管理を任せるか・・・。
「今残っている貴族はみなさん切れ者です。立ち回りも非常に旨い。皇帝の意思に上手く乗っかったり、それとなく拒否したりもします。まぁ扱いにくくはありますけどね。賢すぎるので・・・。」
マギー大臣がそう言う。貴族って親の代から受け継ぎまくってバカにでも務まるっていうのがあったみたい。それが今回の件でバカは大半滅んだそうだ。
これで苦しめられていた領地の民は税金やバカ貴族の相手を無理にしなくて良くなったからのびのびできるのか?
「それぞれ適当に今いる有能な貴族の方に管理してもらいます。」
マギーが笑いながらどこかに行ってしまう。
「テイマー大会ここでも開く?」
突然のレイの言葉に何故か女性陣が賛成する。
その賛成を聞いてお父様に連絡するレイ。
最近お父様に直接連絡とるけどいつの間に連絡手段を確保したの?
そんなことを思いながら話が終わるのを聞いていると
「オッケーだって。ここならレイファンクラブもでっかいからすぐできるだろうって・・・」
凄い暗い顔をしてしまう。嫌なんだね・・・。
「レイ、ここでは魔族の姿でいいんじゃない?」
やっちゃんの言葉に人化を解くレイ。
「ばれない??」
「なんとなくレイね・・・。髪が赤いっていうのが凄くネック。」
たしかに真っ赤な髪の女性がいれば見てしまう。見て魔族だからってマジマジ見ないかというと見てしまう。美しければそれだけ見てしまうのが男というものだ。
よく見れば・・・レイとバレるだろう。
「そのままいってみれば??他人の空似で通ると思うよ。」
俺の一言に頷くレイ。ちょっと嬉しそう。
「恵くんと一緒だとバレるわよ。絶対・・・。」
「戻る。」
レイが人化する。
俺と一緒じゃないとダメらしい。
お父様と連絡がとれて、たった1日で幟の設置が行われる。
俺の像が持ち込まれる。
おかしい・・・。船で輸送した場合日にちがかかる。なのになぜ1日でここまで揃うのか?
「魔族領の飛翔隊が持ってきました。なんでも先代魔王の命令だとか・・・。」
お父様は自分の身分を隠しているはずなのに・・・なんかもうバレてもいいと思っているのか?
飛翔隊にかかればこの程度の大きさのものは運ばるらしい。相当でかいよこの像。
ハリボテだから軽いんだって。
あれよあれよと会場が出来上がる様子をやっちゃんとハウンが眺めている。
『へ〜』とか『ふ〜ん』とか凄い関心があるのかないのかわからない声を出している。
会場の準備があっという間にできる。恐ろしいほど手際よく。
お金も相当かかっているだろうからお父様と話をしてちゃんとお金を払わないとね・・・。
『魔族領との同盟記念・レイファンクラブ主催 従魔大会開催!』
そしてエントリーの受付が開始される。
まだ人が来ていないから閑散としているがお父様が言うには世界各地のファンクラブ支部やギルドに広告を張っているそうだからすぐに集まるだろうとのこと。
今回は参加費も取るらしい。これで変なレベルのものは出れないとか・・・。
初回は無料でエントリーさせていたがそれだとレイ様に会えるかも程度の奴らも来てすごい混雑したらしい。
入場料も取るんだって。広告に『メグミ帝国にレイ様降臨!』と書いたらしい。そのせいで今・・・
こちらに向かう船がヤバイことになっているらしい。
そうこう言っているうちにもう・・・宿屋がいっぱいになる。
今ある宿屋ではどうにもならないので外に野営のテントがボコボコ立っている。
従魔だけに魔物も連れているのでなんと言いましょうか・・・カオスです。
その辺一帯、魔物だらけなんだな。
観客はいいとしても魔物連れている出場予定者は何とかしておかないと魔物が興奮して暴れかねない。
すぐに従魔を連れているものの野営場所を点在させるように指示して事なきを得た・・・と思っておこう。
そうすること4日。あっという間に出場者と観客が集まる。
人が集まれば金も動く。カジノにも人が集まる。もう凄いことになっている。
ある程度強くなってからのテイマー転職者は冒険者としてのレベルも相当高くなっていて金持ちが多い。
バンバン金を使ってくれる。
そのおかげであっという間に俺の懐に大金が入ってくる。これは・・・ヤバイかも。
この調子なら財政難も何とかなるかな?
というわけでテイマー大会が開催される。
司会進行、そして審判は・・・レイです!!
その状況に観客はもちろん、出場者はいいところ見せようとめちゃくちゃ燃える。
熱狂がここにある。
『うぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!』
凄い歓声と熱狂で地響きがし始める。
「これより、魔族領との同盟を記念した従魔大会を開催いたします!!」
レイの開会の言葉をきっかけに歓声が響き続ける。
「これはちょっと失敗じゃない??」
耳をふさいだ状態でやっちゃんは俺に向かって言うが俺にもレイが何をいっているか聞き取れていない。
それくらい凄い声が響き続けている。
「おしずかに〜!!」
レイのマイクを通した大音響の声で静まり返る。
「声は小さめでお願しま〜す。」
「「「「「「は〜〜い!」」」」」」
ちょっと気持ち悪い・・・。
そう思っていると第一試合が始まる。
俺達は今回賭けには参加しない。それをしてしまうと八百長とかイカサマがどうしても発生してしまうから。
だから今回は見ているだけ。それでも税金取っているのでバンバン金が手に入る。
俺達は試合自体に興味ないので外に出る。
外に出ると・・・ダフ屋が凄い。
「入場券買うよ〜1枚10G〜どうだい〜??」
「買うよ買うよ〜〜入場券1枚12G〜売って〜」
などなど色んな所で声が上がっている。
入場券自体は確か30S位だったはず・・・。今10G??高騰しすぎでしょ??
「私もってる券全部売ってくるわ〜」
走って行こうとするやっちゃんの後襟を慌てて掴んで止める。
内輪の人がダフ屋に入場券流したらマズいでしょ?それくらい気付けよ。
この人・・・本当にダメ人間だわ。