皇帝としての仕事
新皇帝となった俺のお仕事。
皇帝になる工程の話はありません。
俺とお仲間である女性の皆さんが会議室に集まる。
芋っぽい娘も俺の横に居る。
「こんな感じで俺がここの初代皇帝になりました。ということでまず魔族領の魔王、レイリーと同盟を組みます。正妻としてレイが居るのでその辺りは誰もがわかってくれるでしょう。」
レイが1人パチパチ手を叩いている。
「レイリーいる??こっち来てくれない??」
「あ〜。姉さん??何??俺一応魔王だから忙しいんだけど。面倒なこと??面白いこと??」
面倒だったら来ないんだね。面白かったら来るんだね??
「もちろん、面白いことになっているわよ!!こっち来て!!後お母様も一緒に来て!!面白すぎるから。」
レイは笑いながら面白いを強調し過ぎる。
そう思っているとすぐに扉が出てくる。来るの早すぎるよね?忙しいとか嘘でしょ?
「やぁ〜兄さんと姉さんのお友達の方々、おや、見たことない方もいますね。」
「恵さん〜遊びにこないから私が来いましたよ〜って、ここ何??」
ミシュラが周りの異変に気づく。レイリーも気づいたようだ。
「兄さん、何の冗談??いつもの格好で王冠なんかカブって・・・。プッ」
何で吹く。俺も変だと思うよ。町人の格好にど派手なマント。それに冠・・・。罰ゲームか嫌がらせだろこれ。
「何があったの??」
ミシュラの問に、レイが説明してくれる。レイリーがだんだんニヤニヤし始める。ミシュラは『まぁ〜』しか言わない。
「というわけで、魔族領と同盟を組みたいのよ。それからドンドン交流をもって普通にこっちでも魔族の皆が生活できるようにしていきたいの。人と変わらず、偏見もなく、差別もない状態で。」
ウンウン言っているレイリー。
「俺は良いけど、人の方は大丈夫??魔族は怖いでしょ?普通に考えれば。あの伝承もあるし。」
「その辺りは俺が法律作って抑えこむから大丈夫だよ。魔族の皆も人に変身せずに居られる国にしたい。」
その言葉に抱きつくミシュラ。
「国交を開くってことですね。いいでしょう。すぐに署名、捺印しますよ、兄さん。」
レイが説明しているうちに、芋っぽい娘が誰かを呼びに行った。
数分後、走ってくるハゲ気味の太っちょなおじさん・・・あんた誰??
「こちらはこの国のマギー大臣です。主に外交に携わっています。」
メガネの娘が言う。
「そう言えば、君の名前は??」
「私の名前ですか??聞いていただき光栄です!!私の名前はクロエです。この屋敷の下級召使です。」
召使には上下があるんだ・・・。
「クロエ、大臣を連れてきてくれてありがとう。」
「あ、あ、あ、あ、御礼なんて・・・勿体無いお言葉・・・。」
「俺さ、平民出だからそんなに畏まらなくていいよ。俺の前ではフランクで大丈夫だから。」
「そんなわけには行きません!!」
首をブンブン横に振るクロエ。メガネが飛んでいって慌てている。面白いなこの子。
「では、マギー。魔族領と同盟を組む。よろしく。」
慌てて何かわからない紙をカバンから出して何かを書き込んでいる。
それにレイリーがサインをしてマギーが俺のところに持ってくる。
「ここにサイン??」
その答えに頷くマギー。
スラスラ〜と漢字で署名して終了。漢字で書いちゃったけど大丈夫なのか?
「レイリー、魔族の皆をドンドン送ってくれ。こっちでも遊んでくれ。カジノも出入りできるようにする
。」
「まぁ細かいことはよくわからないから色々やっといてよ。俺も遊びに来たりするからさ〜。」
笑顔のまま扉に入っていく。
「あ、そうそう、お母様はどうする??ここにいる??」
レイリーが扉から顔だけを出してミシュラに聞く。
「ええ!!こっちにいるわ!!恵さんがいるからここでも大丈夫でしょ?」
「じゃぁ兄さん、お母様をよろしくお願いします。お母様の護衛兼世話係をすぐによこしますから。」
レイリーが扉に入るとそこに控えていたのか?と思うほど早くユクが出てくる。
「お話を聞きました。護衛と世話人ですよね?」
ユクにクロエがなにか渡している。全く怖がらないけどこの子は怖くないのか?
「なにそれ?」
「屋敷の中を歩くのに鍵はないと足止めされますから。」
なるほど・・・移動できるようにと鍵を持たせてくれるんだね。
「あと・・・マップです。これがないと迷いますからね。」
いたれりつくせりだな。
何をもって召使の下なのかわからないけど上だともっと凄いのか??
どうでもいいか・・・。ってかなんで皇帝の俺に上の召使が来ないの??
「あ・・・そこは私の口から言えません・・・。」
じゃぁ聞こうかな??
「責任者呼んで。」
クロエが走っていった。走っていくほど忙していなから・・・。
ものの数分で責任者が来た。この広い屋敷のどこに誰がいるのか把握しているのか?と思うほど早い。
「何の御用でしょう??」
「俺の担当がクロエの理由を簡素に言って。ただ、クロエが気に入らないわけじゃない。これほどできる子なんだから上の方の召使はさぞや凄いんだろうと思ってね。」
「上級の召使たちは今・・・。」
「何しているの??下級の子が働いて遊んでいるとかはないよね・・・。」
俺の笑顔を見て汗を流している。
「全員ここへ・・・。」
そう言うとものすごい血相を変えて走ってどこかに消える責任者。
数分するとかなりの人数がここに集まる。
「ここで嘘をつくとすぐ死刑です。私は皇帝ですから当然だよね?。で、君たち何してたの??」
俺の言葉に誰も話をしない。
「嘘は許さないよ。試しに嘘を言おうとしてご覧?」
俺が指をさした女が
「私は男です・・・」
発言と同時に爪が全部ふっ飛ぶ。痛みで悲鳴をあげる女。それを見てその場にいる全員が口を手で抑えて震えだす。
俺が椅子から降りてその子の手に回復魔法をかけ手元に戻す。
「痛かったね。ゴメンよ。」
といって1P握らせる。それに気づいた召使が震えている。