新帝国誕生
マリスタンの夜逃げを知っていた俺は俺を探しに来た兵士に口を滑らせてしまう。
そのせいでマリスタン邸に連行されてしまう。
どうなるの俺?
俺は帝都マリスタンに連行される。
そして今・・・旧マリスタン邸に詰め込まれている。
「これより吉永恵をこの国の初代皇帝として就任していただきます。」
こういうのって本人の意志関係なしなんだね。
わけのわからない式がドンドン進む。
そうして俺に冠を被す・・・あんた誰??
俺は見たこともない美女に手を取られ皇帝の椅子に座らせられる。
大歓声が起きる・・・。あんた達誰??
「初代皇帝恵様の言葉です。」
「あの・・・この国の名前は??何で俺??その辺り聞かせてくれる??」
会場がドッと沸く。皆笑顔だ。
「この国はメグミ帝国。ここは帝都メグミヨシナガ。あなたが初代皇帝です。マリスタン皇帝より推薦を受けて皇帝になりました。」
「そのマリスタン皇帝は??」
「お元気です。」
「そこじゃないって。なにしているの??それと何で俺??」
「この国の前身、マリスタン帝国の皇帝であったマリスタン様がどうしてもあなたがいいと言って推しに推してあなたになりました。それほどの大人物・・・そうはいないでしょう。」
俺のこの顔を見てくれ。大人物そうか?嬉しそうか?楽しそうか??
周りの人が何故か凄いニコニコしている。なんで?
「この国の財政難を救ってくれる救世主と聞いています。それではまず・・・その辺りから・・・。」
「いきなりですか・・・いくら??」
「1000Pからまずお願いします・・・。」
「何に使うの??」
「支払いです。以前の帝国時代の借金です。すべて精算してから我々の国がスタートします。」
「以前の皇帝はどうして支払わないの??」
「・・・逃げましたから・・・」
やっぱりか・・・。この金額の借金なのに500Pで売るって・・・。あいつら相当なやり手だな・・・。
ぎりぎりしか持っていなかったらすぐバーストじゃない??
「レイ・・・お金出せる??」
「うん。出せるよ。ドンドン国を大きくして世界を征服しようね?」
なんか今まで言ってたことと進む方向が恐ろしい方に変わっている。
君の望みはほんわかしたモンスターファームだったよね。
1000P払い俺は椅子に深く座って寛ぐ。すわり心地はいいんだよね。
「さっそく側室作りますけどいいですか?」
「はいはいは〜〜い!!」
若い女性陣が皆手を上げている。この国の貴族の娘かな??見たことない娘がいっぱい居る。
何しに来たの?
「ごめん。やっぱり後でいいわ。」
俺は後ろのカーテンに入る。以前、マリスタンの奥さんが出てきたところだな・・・。ほうほう、こうなってるんだな・・・。皇帝の椅子の後ろは隠し通路があるみたい。後で探検してみよう。
「この屋敷に詳しい人俺の案内お願い。」
声を掛けると三つ編みのメガネをかけた少し芋っぽい娘が俺のところに駆け寄ってきた。
「私が・・・」
俺は案内してもらう。その後ろをぞろぞろ仲間の女性の方々が付いて来る。
何この集団。というよりこんなことに巻き込みやがって。皆覚えてろよ!!