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願いで手に入れた伴侶が最強  作者: うぉすれや
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お気の毒な月光

朝がきた。エルフの街で寝起きした多分第一号お客様だな。


「さて、月光はどうなっているのか?」


森を出て昨日いたところにいくとメイリーンが腹を出して寝ていた。


「メイリーン。おはよう。で、アホは??」


俺の名前を出さずに言ったアホでわかったようだ。

起き上がってカミーラに目を向ける・・・。

すっごいお腹が出っ張っているカミーラ・・・お腹にクマでも入っているのか??というくらいデカイお腹。月光は結構ガタイがいいからな。腹に入れればあんな感じになるか?


「あ!恵様、おはようございます。メイリーンが寝ると言っていたので私達で遊んであげていました。」


遊んであげていたって・・・よく見ると後ろに血まみれのラウルが寝転んでいる。


「ラウルはどうしたの??」


俺が指さしながら聞くと


「咀嚼に疲れたからちょっと休憩と言ってそのままです。」


そのまま寝たのか・・・。


「ラウル・・・風邪引くよ。」


俺が肩をポンポン叩いて起こすと


「恵様??おはようございます。あの子は喜んでくれてるかな??」


何の話だろ??


「ラウル??あの子って卵のことか??最近見せてくれないけどどうなってるの??」


ラウルが我に返る。


「そうです!!最近見せてないですね!!大きくなって移動が困難です。動かすと破れそう・・・。」


そうなんだ・・・。見に行くよ?


「一緒に来てくれるんですか??」


「うん。見せてよ。」


通称虫かごに俺と一緒に入る。中は凄く広い。だだっ広い空間にぽつんと立つ・・・卵?


「ラウル・・・ちょっと見ない間に・・・立派になったね・・・。」


そう、俺の目の前にはほぼ・・・女の子の姿の人が入ったカプセルが立っている。

卵の底に当たる部分から根っこの様な物が出て固定されている。


「そろそろ出てきそうに感じるんだけど・・・。」


俺にはもう出てきても活動できそうにしか思えないほど立派な人型だ。赤ちゃんとかそういうのではなくもろ・・・小学校低学年の子供くらいある。100年計画はどこに行った?


「ここからが長いんです。中で自我もありますし、外も見えます。話もできます。でもここからが長い・・・。私が食べた栄誉がここに流れるみたいで・・・。こんなに早く大きくなりました。」


俺がウンウン頷いて聞いていると


「この人が話ししてくれたパパ??」


声を出して話しかけてくる。


「そうよ。私のご主人様・・・恵様よ。」


「はじめまして。私の名前は・・・まだありません。ママと考えてください。お願いします。」


名前か・・・考えないとな・・・話せるのに名前がないは可哀相だしな。


「うん、考えるよ。」


殻に手を触れると向こうからも俺の手に合わせて手を当てる。


「パパ・・・あたたかい・・・。」


かわいいな。


「恵様。昨日の男は弱いですが無限に食べれる美味しいものでしたわ。とっても楽しめました。」


ラウルが笑顔でそう言う。ただ・・・ラウルは血でめちゃくちゃ汚れている。口からスカートの裾まで真っ赤だ・・・。マジでその辺のホラー映画よりホラーだ。


俺はくだらない話をしながら外に出る。


「ラウル・・・もしかしなくても・・・月光はずっとカミーラの腹の中??」


俺の質問に笑顔で


「はい!」


とだけ答える。ちょっと気の毒だな。死なないから、復活が早いからずっと消化されては復活するを繰り返し続ける。不死者の地獄がここにある。

以前、デュランが言った悲惨がここにある。封殺されるとまぁ地獄だね。


「カミーラ、そろそろ出してよ。」


俺の方を見て残念そうな、悲しそうな顔をしてペッとデッカイ何かを吐く。


ドロドロに溶けた肉塊らしきもの。ジワジワと人型に形成されていく。

おぉ!!月光と認識できるようになってきたぞ!!


「で、どう??死なないって凄い??」


「ゲハッゲハッ!!もう勘弁してくれ!!もう止めてくれ!悪いことはしない!!もう解放してくれ!!」


「いや、君を気に入っているものが俺の仲間にいるからその子たちに君を託す。ずっといい食事になってくれ。」


「まってくれ!!封印でも何でもいい!!あの苦痛地獄は嫌だ!!頼む!!エルフを付け狙うのもやめる。もう誰も傷つけたりしない!!頼むから!!解放してくれ!!」


リユが軽装で森から出てくる。朝起きたまんまの姿か?


「月光はどうなった??」


リユが来た瞬間にリユを羽交い締めにする月光。


「これでどうだ??こいつを人質に俺はこのまま逃げる。そうして力をつ・・・」


お別れの言葉を言い終える前にメイリーンに顔面を陥没させられる。


「ギャワ〜!!」


顔面を押さえてうずくまる月光。

メイリーンは月光の首を掴んでカミーラに投げ渡す。

受け取るやいなやすぐに口に頬張るカミーラ。


モゴモゴモゴ・・・


あれ??お腹が膨れない??


「カミーラお腹は??」


「え??あんな醜い姿晒す必要ないです。一気に消化すれば膨れてきません。」


さっきまでのお腹はゆっくり消化して楽しんでいたそうだ。人と違い美味しいんだって。

さすが魔人様だね。


未来永劫出ることのできない腹の中に封印された月光。

新月になれば死ねるんでしょ??

そう思うとちょっと気が楽だね。


「え?新月になると死ぬんですか?じゃぁまた吐き出してあげましょうか?」


地獄は永遠みたいだ。まぁいい教訓になるでしょう。調子に乗る前に強さを再確認しましょうって。


「月光は??」


「もうこの先エルフの街に近づくことはないよ。カミーラが食べては吐き出すを繰り返して楽しむそうだから。」


その言葉にブルブルっと震えるリユ。言った俺も悪寒が走ったわ。


「ではあの子はもう、攫われる心配もないんですね。」


「あの子はあの子でちゃんと責任を取らせるべきだと思うよ。もう歳が歳だし・・・。」


「しかしまだおさな・・・」


「幼くない。人なら人生終わってもおかしくない歳だもん。しっかり学ばせないからあの歳で幼いとか言ってしまうんだ。知恵があるなら20歳までにはちゃんとできるようにしておかないと。」


首を傾げているリユ。俺の意見に同意しかねるようだ。


「その辺りも俺が強制してしまおうか・・・。」


俺はこの歳だけ食ったバカエルフ共に日本の教育の仕方を教える。と言っても俺は学ぶ方だからこんなことやってたというのを教えていくだけだけどね。




令和になりましたね。おめでとうございます。

これからもよろしくお願いします。

私もレイはレイはと、かき続けていますが予知とかは関係ないですからね。

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