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願いで手に入れた伴侶が最強  作者: うぉすれや
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南の雄マリスタン帝国の最後

世界恐慌を避けるために無限銀行にレイ名義で送金。

これで最悪のことは避けることができるはず。

俺達はお金を無限銀行に戻して世界恐慌に陥らないとわかるとそれぞれが冒険に戻る。


「ねぇ、エルフの森が凄く気になるわ。行ってみない?」


やっちゃんはエルフが気になるようだ。


「エルフのイメージって美男美女だもんね。」


俺がにやけながら言うと


「そんな邪な気持ちで行きたいわけじゃないです〜。」


舌を出しながら俺に言う。

可愛いんだな〜こういうところは。


「行っても差別と偏見の目で見られるだけでしょう?面白くなさそう。」


ハウンはそういう目で見られるの嫌いだもんね。


「マリスタンに頼んでみたら?」


今のことがあって、すぐに会いに行こうと思える神経が凄い。


「無理でしょ?今、破綻に向けて何かと忙しそう・・・。」


色々理由を付けて、何とか行かないように持って行こうとしてるのにレイの阿呆は


「私も行きたな。エルフ・・・。どんなんだろ?」


どんなもこんなも、見た目はマリスタンそのままだろ?


勝手にデュラン使ってマリスタン邸に行く。

逃げたから、すごい顔を出しづらい・・・。


門番がいない・・・。

そっと門をおすと・・・開く。

あれ??どういうことだ??


「何で誰もいないんだろ??」


「ふふふ、自殺したんじゃない??」


笑いながら言うやっちゃんだが、俺は笑えない!!


「そういうことを平気で言う人・・・嫌い。」


俺の一言に涙目になる。


「ごめんなさい。」


俺達はマリスタンの屋敷に勝手に入っていく。

誰もいない。というより部屋の物も何もかも無い。


「これは・・・夜逃げね。」


ハウンがキョロキョロしながら言う。多分そうだろう。

皇帝の間に行くと何か石のようなものが玉座の上に置かれている。

俺が触っても何の反応もない。

なんとなくレイに渡すと光り始める。

そしてそれを床に置くと・・・。


「やぁ、戻ってきたみたいだね。銀行にお金を戻してくれて感謝する。皇帝の私財を売って、ある程度補填してしまったからここには余り物がないよ。ここの皇帝になってくれればよかったのに。今なら500Pでこの国を売るよ。ははははは。俺達は昔から仲のいい魔族領の知人を頼ることにしたんだ。あ!そうそう、森に行きたいなら行くといい。あそこには面白いものがいっぱいあるよ。ただ、偏見が凄いから俺の名前を出せばちょっとはマシになるかも。もし行くなら玉座の下にある手紙を持って行くといい。」


話が終わると、マリスタン皇帝のホログラムが消える。

俺が玉座の下を調べると手紙がある。

しっかりと封印されていて、俺では見ることができない。


さて、俺達は森に行く準備ができた。

でも・・・なんか悪いことしたな。ちょっとそう思ってしまう。


俺達はマリスタンを出て西に向かう。世界樹ばかり見ていたのであまり気にならなかったが素晴らしい自然がある。森、林、草原、そしてそれを壊さないように作られた小さな町。

その町にはエルフと思われる家族がたくさん住んでいる。

俺達が立ち寄ると最初は怖がっていたが何の害もないと思うと子供が寄ってきた。


「あはははは、どこいくの??お兄ちゃんとお姉ちゃんたちどこいくの??」


子供が無邪気に俺達にまとわりついてくる。かわいいな。美久の小さい頃を思い出す。

俺は美久を思い出して涙を流していた。

レイがそれを見て何かを察して抱きしめる。


「お兄ちゃん、泣いてる・・・大丈夫??」


妹と思われる子が俺の顔を覗きこむ。


「あぁ、大丈夫だよ。お兄ちゃんとは仲いいのかな??」


俺の問に『うん!!』と元気よく答えてくれた。

いいことだね・・・。


俺は妹と思われる子供の頭を撫でてにっこり笑う。


「君たちはどこに行くのかい?」


お父さんと思われるエルフが話しかけてくる。


「この先にある森に。」


やっちゃんの答えに


「人が行くのはやめておいたほうがいいよ。凄い嫌悪に満ちた目で見てくるからね。我々のような純潔でないエルフにも非常に嫌悪に満ちた顔をする。まるで・・・」


その先は言わなかった。ここにいる子供の前では言えない言葉なんだろう。


「ありがとうございます。もうすぐこの帝国にはつらい時期が来ます。蓄えをしっかりしておいてください。でないと辛い冬になりますよ。」


俺達のせいで破綻するのだからそれくらい言っておかないとね。この兄弟にはつらい思いをしてほしくない。いや、違うな・・・善良な関係のない人には嫌な思いをしてほしくない。そう願うばかりだ。


俺達は手を振って別れる。ずっと小さくなって見えなくなるまで手を振り続ける子供達。


「デュラン・・・。あの子達家族に災いが降ってくるようなら俺のもとに連れてきてくれ。」


『なぜだ?関係ない子供達だろ?そんなこと言っていたらお主はどれだけの人を助けなければいけないことか・・・。』


「そうはならないよ。あの子達には・・・無事でいて欲しいんだ。」


俺の声のない願いにレイが頷いている。






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