新皇帝陛下?
世界大戦は不味い。非常に不味い。
俺が面白おかしく旅をできなくなってしまう。
「戦争は嫌ね。」
ハウンが言う。それにレイとやっちゃんも頷く。
「利子すら払えないのにお金貸してもね・・・。」
「じゃぁ、こうすればどうだろう??」
皇帝陛下の横でマリスタンが俺に熱い視線を送りながら話す。
内容はこうだ。
恵殿がここの皇帝になって財政を立て直す。
そのための金を恵殿が出して恵殿がこの帝国を治める。
もちろん、恵殿は政治に疎いし、外交にも疎い。お金のことも疎いのでその辺りはこの国の頭脳がやる。
恵殿はここで座って威張っているだけ。もちろん恵殿のお金だから利子も発生しない。
恵殿が皇帝になるから名前は変わるけど国民は困らない。
ちょっと俺をディスった表現があるな・・・。
どう??
どう?って・・・。
「要するにこの帝国を俺に買い取れと?」
笑顔で頷く二人。なんかムカつく。
「俺貧乏になるじゃない??メリットないよね?」
「そんなことはない!!この国から発生する富という富が全てあなたの意のままになる。貧乏なわけがない!!」
凄い力説しているけどそれ・・・今のままでいいと思うんだけど・・・。
「確かに、今のままでも金持ちです!!しかし!!!ステータスがなんと申しましょうか?冒険者?フッ」
マリスタンに鼻で笑われた・・・。なんかムカつく。
延々と俺を説得する皇帝陛下とマリスタン。
俺の後ろで皆興味なさそうにしている。3人で雑談しているんだけど・・・。俺も混ぜてよ。
「恵くん諦めてここの皇帝になれば??それで全て収まるんでしょ?」
やっちゃんが面倒になってそんなこと言い出す。
「そうだね。綺麗な側室いっぱい囲った皇帝になるから皆とはここでお別れだね。」
俺が言うと
「ちょっと!!側室に私達が入るんだからお別れは変じゃない??」
すごい勢いで否定してくるやっちゃん。
「皆冒険者だよね?もう身分が違うからね・・・。俺は身分の高い美人たちを側室に迎えるよ・・・。ふふふふふ」
俺の笑みを見てレイがワナワナし始める。
「私は大丈夫よね??魔王の姉よ??身分高くない??ね??ね??」
「レイは残すよ。当たり前。」
「わたしは??神々ですよ??そもそもステータス的には最高ランクでは??」
「そうだね。ハウンも残ってもらう。なんせ、最高のステータス、神々だもんね。皇帝超えてるもんね。」
俺がフンフン頷きながら言う。
やっちゃんが泣きだした。
「うゎ〜〜〜〜〜ん!!私、平民だ〜〜。」
ははは、面白い・・・。
「俺皇帝になってもいいの??」
「良くないです・・・。」
わかればよろしい。
「今の話はなるということでいいんですか??」
「なりません。」
皇帝陛下とマリスタンがズッコケてる。
「じゃ無利子無催促でいいですか?」
「ダメです。」
「じゃぁ!!どうするの????」
「・・・」
どうしよう。バカ貴族を痛い目に遭わせようとしたら自分が地獄にハマってしまった。
こんなくだらない話をこんな長時間聞く羽目になるとは・・・。
人を呪わば穴2つ・・・。まさにそれだな。