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願いで手に入れた伴侶が最強  作者: うぉすれや
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本戦と決勝とトンズラと

やっと本戦です。

俺は何故か二度も予選に出るというわけのわからない状況。

まぁ、それでお金を増やすことになったからいいけどね。

そしてやっと本戦開始。長かったわ・・・。


俺達は予定通り負ける奴は負ける、勝つ奴は勝つ、という役割分担の元、着実に金を増やす。

フェブやユクもちゃんと指示通り動いてくれている。

本戦の25人のうち16人身内だからあっという間に身内同士で当たるが気にしない。


一時的にデュランチャンネルで皆の思念をつなぎ、指示を出す。

負ける方と勝つ方をその時に決めて全額突っ込む。1.3倍でも積もればデカイ。

負けた組も金を賭ける係として常に動きまくっている。

怪我はないからこき使っても大丈夫!!


ただ、俺が用意したイカサマをでっち上げて貴族を陥れるというのがなかなか難しい。

身内以外で試合があったのがたった1試合だけだったのだ。そのせいでやってみたけど面白くなかった。

オッズの低い方にハウンの光線で脚に攻撃したり剣の軌道を変えたりといろいろやったけど最終的にはそんなことしなくても普通に勝っていたくらい実力差があった。オッズ高さと強さは反比例。その典型だな。


そのまま身内の試合でもやってみたが動きがぎこちないだけでこれと言って面白くもなんともなかった。

所詮素人の浅知恵だな。失敗だ!!ハウンは終始、笑っていた。失敗するような気がしていたそうだ。



本戦では俺も剣を使うというと


「危ないからやめなさい。」


ジュディ老師に怒られる。

剣技の鍛錬をしていないものが命のやりとり以外で剣を使うなって。


決勝は俺と、レイ。


レイファンクラブのために最後までレイを残してほしいとジルが言っていたのでそれを採用した。

熱狂的なファンが大弾幕を持って応援している。

一応俺がレイの主と知っているので野次はないが、それでも凄い狂気を感じるほどの殺気を俺に向けている。


「レイ様ご無事で!!」

「レイ様を傷つけたらどうしてくれよう。」

「レイ様が死んだら俺も死ぬ」

「俺・・・レイ様に持ち金全額ぶっこんだんだ。」


実は・・・。ここにも仕込んでいるのだ。貴族のイカサマ。

レイを狙うのではなく、俺を狙う。そして最終的にレイに当たり試合が急展開。そして俺が勝つ。

そうなったら・・・レイのファンは暴徒と化すだろう。

さぁ!!ハウン!そしてバカ貴族の姿をしたシレン!演技の見せ所だよ。


「はじめ!!」


俺達の試合が始める。


「レイ・・・。ちょっと本気出すよ。」


「望むところ!!」


光線が飛び俺の脚に当たり、俺がバランスを崩す。

レイの拳が俺に当たりいきなり場外の壁に激突。


不可解な動きに観客がざわつく。

俺が闘技場に戻ってくるとパスっと言う音と共に俺の顔に赤い筋ができる。


『コレは・・・。』


ハウンの光線ではない。俺の顔をかすめたのは、金属片だ。

顔に当たった角度から居場所を割り出すと・・・。居やがった、バカ貴族と黒い服を着た変なやつ。

俺がやらなくても、あいつらやる気だったんだ・・・。


『デュラン・・・アイツをずっと記録媒体で撮影しておいてくれ。』


俺は気にせずレイと戦う。レイも俺も少し本気だ。光線がたまに俺に当たり俺がよろめいたり不自然にこけたりする。それを見て観客はざわざわしている。


ハウンとシレンがアホが会場でイカサマをしている姿を確認して撤退。

本物が馬鹿みたいにずっと俺に向かって金属片を飛ばしている。


その様子をずっと撮影して、ある程度証拠っぽくなったところでレイに指示を出す。


『金属片にあたって倒れろ〜。』


デュランチャンネル越しだから誰もわからない。

金属片が俺に向けて飛んできた。そこにレイが割って入り、俺に剣を振りかざすが金属片が肩甲骨付近に当たり声を出す。


「きゃ!!」


肩を押さえ倒れるレイ。それを観たファンクラブの会員達がものすごい顔で周りを見渡している。


「あそこだ!!」


ファンの1人が指さして声を上げる。

その瞬間にバカ貴族と金属片を飛ばしていた奴が観客に取り押さえられる。


「私は貴族だぞ!!放せ!!」


ファンクラブの奴らの目がヤバイくらい怒りに燃えている。

暴動一歩前だ。このまま放置すればこいつらは殺されてしまう可能性もある。


「みんな!!暴れないで!!」


レイが肩を押さえながら立ち上がり、ファンクラブ会員たちを制止すると皆の顔つきが変わる。


「「「「「レイ様は無事だ!!」」」」」


歓声が上がる。そうしてレイは肩に違和感があると言って棄権する。


これで俺が優勝。しかし・・・。


「貴様がイカサマをして俺を嵌めたんだ!!」


言いがかりをつけてくる馬鹿貴族。

一部始終を録画されているのにも気づかずベラベラ意味のわからないことを言い続けている。


そこに


「私はこの闘技場を創って維持しているゾルミスというものだ。ここに不正の映像がある。」


ゴソゴソと懐から記録媒体を出す。お父様が何で??

そこには俺が変装させたハウンと俺が変装したバカ貴族の映像、先ほどの映像がうまく編集されて流されている。貴族終了。


怒号と悲鳴が上がる。地響きのような声に貴族が震えている。


「それは私ではない!!」


そんなもん通るわけ無いだろ?今やってたんだし・・・。


「これは今だけだ!!それ以外は知らん!!」


そうでしょうね。だって、あんたが関わったの、この決勝だけだもん。

そのせいで全部あんたのせいになっているのさ・・・。おもしろ〜〜い!ざまぁ〜〜!!


警備兵に連行されるバカ貴族。負けたものがイカサマがあったと言って返金を要求し始める。

そうなるだろうね。正々堂々と戦う戦士を後ろから撃って勝ち負けを操作していたとなるとそうなって当たり前。


その騒動の中、運営側は・・・逃げた。お金を持ち逃げしてしまったとなって騒動が大きくなる。と言って、実はすっからかんなんだけどね。


「お父様、ありがとう。私のためにここまで来てくださって。」


普通に頭を下げるレイ。

レイがその隙を見せた瞬間にハグをしてしまったお父様。

頭を下げていたので回避できず揉みくちゃにされるレイ。それでも今回は嫌がる素振りを見せない。

それどころか抱き返している。


「ケハァ」


変な声と共に崩れ落ちるお父様。あまりの以外すぎる反応に嬉しすぎて魂が抜けてしまったようだ。

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