予選で金持ち
ドンドン消化していく予選ブロック。
俺達の仲間は負けると決まっていたもの意外ほぼ負けていない。
いい感じだな。
ほぼというのは、仲間と高村が負けている。
負けそうな感じがしたのでレイとやっちゃんに監視させたら案の定、貴族が雇った強力な冒険者だった。
そこには賭けていないので損はないが高村は結構大きな怪我で救護班が出動していた。
仲間も回復魔法で回復する程度ではあったが歩いて退場できないほどの怪我だった。
この二人はユクとフェブが傷を癒やすため、魔族領から腕のいい救護班を呼んで治療に当ててくれている。
この魔族美女二人は実は予選がない。本戦のシード選手だ。美しい双子の魔族が手を振ってビップ席に居る。
観客が歓声をあげてそれに答えている。ちょっとした宗教が始まりそうだな。
レイのブロックの時は、レイ様ファンクラブが大弾幕をあげて応援して凄いことになっていた。
レイは変装なく、そのままの人の姿で出場している。
美しい、強い、それだけでファンクラブ会員を魅了していた。
レイは怪我人を出さずに全員気を失わせて完勝。ファンが総立ちで歓声をあげてすごい盛り上がりを見せていた。
「俺・・・レイ様に殴られたんだぜ?」
「俺の剣を受け止めてくださった!!レイ様は凄い!!」
「レイ様のケリで天に上りそうになったわ。」
などなど、いつもと変わらない気持ち悪い感想を述べている大会に出場していたクラブ会員達。
いい思い出ができたね。
こうして俺達の予選が終了。
本戦は明日。
俺達の持ち金が・・・。ヤバイことになっている。コレだけで貴族は資金枯渇で死ぬのでは?
そう思うほどにここにお金がある。
もしこれでまだまだ大丈夫というのであれば貴族は凄いいい身分だ。
威張って、踏ん反り返って、お金持ち・・・。いいな〜。
25の予選中、14の試合で仲間が出ている。その中で2つ賭けていない。
メイリーン1.8倍
カミーラ1.3倍
俺1.3倍
レイ1.3倍
やっちゃん1.4倍
ハウン1.3倍
ラウル2.0倍
イーライ1.3倍
マッキー2.0倍
ジル1.3倍
観月1.5倍
ジュディ老師1.3倍
・・・
最初の約73倍の持ち金を目の前に積む。
これ・・・ヤバイよね。
始める前の金額が130P・・・それが今・・・9500P弱。
それなのに・・・、まだ破綻しない。
これで破綻しないなんて・・・。俺はもしかしたらすごい思い違いをしているのかもしれない。こいつら・・・凄いヤバイくらい金持ちなのか?
「所詮私達の国で言えば1兆円でしょ?まだなんともないのよ。もっと絞りとってやらないと。」
守銭奴姉妹がウハウハ言い、金貨を数えながらもまだまだという。
たしかに1兆円なら俺達の世界なら持っている人が居るもんね。
ただ、所詮ではないと思う。
「次はどうするの??ハウンに狙撃させながら稼ぐ?」
「それは変装してもらって、オッズの低い方を勝たせるという方法でイカサマをしている風を装う。最初の予定通り白に賭けて。全額いけば必ずオッズが1.3になるはずだから。」
俺はフェブに頼んで、変身魔法を教えてもらう。それで・・・あのバカ貴族の姿になる。
そうして変装したハウンの横に立ち、指示して狙撃させる。
そう、見た目、貴族主導のイカサマを勝手にでっち上げるのだ。
それを記録媒体で撮影して最後に暴露する。うまく行くかな?
「どう??ハウンってばれない??俺が誰かわかる?」
全員がびっくりしている。ハウンはどこからどう見ても男の狙撃手、俺はバカ貴族。
「これであいつを嵌めます。面白いと思う人〜??」
誰も手をあげない・・・。なんで??
「そこまでしなくても没落貴族になるでしょ?」
たしかにそうだけど・・・沼に沈みそうな犬を見つけたら棒で突いて沈めろっていうじゃない?
「え??恵くん、そんな酷いことするの??信じられない・・・。」
やっちゃんが凄い非難の目で俺を見る。
「例えでしょ・・・たとえ!!」
「メグミはそれで気が済むの??それならやるべきだよ。」
レイがちょっと乗ってきた。
「私は恵様の意見を全力で支持しますわ!!」
ハウンが凄い気合を入れて乗っている。ノリノリだな。
俺は皆があまり乗り気でない『でっち上げイカサマ』を一応用意する。それでどうなるかはわからない。忘年会のボツネタ披露になる可能性もある。
ここにあるお金は最終的に皆に分けるからドンドン増やそうね!!
「「「「おぉぉ!!」」」」
こっちは凄い乗り気なんだよね・・・。やっぱり金か・・・。
さて、明日から本戦です。もっと稼がせてね!!バカ貴族!!