こちらお茶会しています。(レイ視点)
前回の話と並行しています。
こんにちは!
私はレイ。
いまメグミとランプの魔人の親子と街の塀の外にいます。
理由は簡単。
メグミのレベルアップのため。
このへんのモンスターにヤバイ雰囲気のものはいない。
だから安全にレベリングできるはずなんだ!!
というわけで
メグミを除く私達3人は木陰に入ってひと休み。
私は魔族だ。結構長生きしてきている。
でも、魔人と呼ばれる変わった人たちと逢って話すなんて機会は今までなかった。
だからこの経験を大事にしてもっと交流しておきたい。
私の故郷では私のことを怖いとか冷たいとか感情の起伏がないとか色々言ってくる連中が多いがランプの魔人たちはそんなことは言わない。
まぁ化物とは言われちゃったけどね。
故郷でも何度か言われたことがありますよ!!化物とか化物とか、あと、化物とか。
あまりにひどいのでいつも足蹴にしていたんですけどね。
怖いと思われていたので、付き合うとかいい関係になるとかもなく今現在に至っているっていう悲しい現状は誰にも言っていない私の悩みの一つ。
だからメグミの私への接し方は私にとってすごく新鮮。
あんなに弱いのに怖がりもしない。
可愛いねなんて言ってくれたりする。
なんか胸のあたりがモワモワしてくすぐったい。
そんな感じで今日を満喫している。
この後、レベルがそこそこ上がったら宿に帰って夕食を食べて、そして就寝。
就寝なんて同じベッドで寝るんだ〜!!
同じベッドで異性と寝るなんて弟以外初めて。
そんなワクワクイベントが待っている。
「レイ殿、紅茶飲むだろ??あと、サンドウィッチも作ってきたから食ってくれ。」
デュランは紅茶とサンドウィッチを私に渡してくれた。見た目に合わずこんな可愛いサンドウィッチを作ってくるなんて。
「ありがとう。悪いわね。」
「なぁレイ殿、この辺のモンスターは姿形こそ一般的な弱いモンスターなんだがちょっとレベルが上がっていてな。しかも複数で行動しているものが多いんだ。そろそろ主の様子を見に行ったほうがいいのでは?」
「レベル?でも感知の範囲を広げても強そうなモンスターの気配はないわよ。」
脅威となる物がいないかどうかを感じる感覚を持っているのは戦士として当たり前。
それがなければ危険な任務には付けない。
戦って相手を殺すだけが戦士の仕事ではないのだ。
安全な道を安全に任務を遂行して帰ってくる。
それが優秀かどうかを見定める上官の努めなのだから。
「メグミは苦戦中だな。そろそろ疲労でやばそうだな。」
ミドラが言う。
「しかし行動の規則性を読み取って立ちまわっているぞ。最初の割には冷静だな。もっとすぐ泣きついてくると思っていたのだが。」
デュランが笑いながらそういった。
「そうね。結構離れているわね。でも1匹倒しているみたいよ。このまま見ておけば後の2匹も何とかなるでしょ?」
そんな風にのんきに思っていた。
「レイ殿は結構スパルタだな。主は戦闘経験もないレベル1の弱小種族だぞ。お!!そう言っているうちにもう1匹始末できたか。やるもんだな。」
続けて言う。
「まぁここのモンスター3匹はレベル5くらいのもの4人のパーティーで攻略していくのが安全だから、レベル1でここまでやれば大したもんだと思うぞ。」
デュランがメグミの方を見ながら感心している。
「おぉ、レイ殿、あれは大丈夫か??顔面に食らって倒れたぞ。」
え?顔面に??クリティカルじゃん。あ!違うな痛恨の一撃というやつじゃないの?
慌ててメグミの方を見ると吹っ飛んでぴくりとも動かなくなった。
「え!?うそ!!」
慌ててメグミの方に走る私。
メグミのところまでたどり着くとメグミはスライムに食われていた。
背中から大きくかぶさるスライム。周りの草花と一緒にメグミを消化しているところだった。
「メグミ!!メグミ!」
スライムを蹴り飛ばし踏み殺しメグミを抱きかかえる。
メグミは鼻と口から血を流し全く動かない。
「回復魔法」
「清掃魔法」
ミドラと私は交互にメグミの魔法をかけて回復させる。
私は涙を流しながら回復魔法をかけ続けた。
私にとって危険なモンスターはいない。
よく考えればそれはどの大陸でも、どの帝国でもどのダンジョンでも変わりないこと。
なぜなら私が誰からも化物と呼ばれる存在だから。
でもメグミにとっては弱小の生物であっても危険極まりない化物であることに気づいてあげることができなかった。
「ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。」
何度も何度も謝った。
でもメグミは目を開けない。
意識を取り戻さない。
「死んだらどうしよう。」
私は後悔しながら大泣きした。
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