老師現る
風呂を出ていい気分の俺。
俺は待望の世界樹の開花を見たのでいい気分で居る。
風呂での楽しいひと時も終え、俺達は寝ることにする。
コンコン
ノックする音だ。
「は〜い!」
やっちゃんが対応している。
その後すぐにやっちゃんがローブ姿のお客さんを連れてきた。
それと同時に寛いでいたレイが立ち上がり頭を下げる。
「コレはジュディ老師・・・。ご無沙汰です。」
「あら、フィナちゃん元気?老師は止めて。ババァに聞こえるじゃない?」
レイに手を振ってローブの女性が話す。
「こんばんは。人でありながらあのミシュラを降参させる男が居ると聞いてやってきたけど、あなた?」
俺を指さして聞く。
「あぁ、超ドーピングですけどなんとか参ったと言ってもらえました。」
「あらあら、ご謙遜ね。聞いたわよ。無茶してでも女の子たちを助けようとしたって。」
「はぁ、まぁそれで死にかけましたけどね。」
俺が笑いながら答えると
「なんかホンワカした男ね。レイリーが面白がるのもわかるわ。」
「この方は何者??」
ハウンが聞いてくれる。
「この方は魔界最強の格闘家ジュディ老師です。私やレイリーの体術の師です。」
魔界最強の格闘家・・・。あ!!レイリーが紹介してくれたんだ!!
「頑健な体を持って体術を極めたいと言っている男が居ると聞いてやってきたの。」
笑いながらフードを取る。老師って何??凄い若いけど・・・。めちゃくちゃ綺麗なんですけど?
「老師は若くないよ。私がすごい小さい時からその姿だもん・・・。」
レイが俺の顔を見てそう言うと、レイを睨んで
「フィナは後で根性を鍛え直すとして、あなたは私と一緒に来る?」
俺を指さす。
「行きます!!このままでは誰も守れない!!」
その言葉にみんな頭を傾げている。どうやら要らないことを口走ってしまったようだ。
「それなら今すぐに行くけど付いて来る?」
「はい!!よろしくお願いします!」
「あら、もっと優柔不断なんだと思っていたけど即決できるのね。少し感心したわ。」
さっきからずっとレイが震えている。何で??
「私は行きませんよ。だって、メグミの特訓でしょ?」
あれ??いつもなら率先して付いて来るのに??なんで??なんで??
「あの・・・私も強くなりたいです!!付いて行っていいですか??」
メイリーンが真顔でジュディ老師に聞く。
「あらあらアツい娘がここにいるわね。どうぞどうぞ!!強くなりたいという気持ちを裏切るようなことは絶対に言わないわ。ただし!!私の特訓は結構キツイわよ!!」
覚悟のうえです!!そう言って俺は立ち上がりメイリーンと一緒に部屋を出る準備をする。
「私も暇だし、いこうかな?」
やっちゃんの言い方に
「暇つぶしには向きません。行かないほうがいいですよ。」
ジュディ老師が真顔になって言う。ちょっと怒ってる?
「ふふふ、ちょっと怒っていますね。試しただけです。ごめんなさい。どんな奴でも連れて行くのかな?と思って。」
やっちゃんも立ち上がり準備しはじめる。
「やっちゃん、絶対やめたほうがいいって!!やばいから!!私は絶対行かないからね!!」
レイがすごい嫌がっている。老師の訓練は相当きついんだろう。
「望むところよ!!そうでもしないとあなたとの差を埋められないでしょ?開きまくった差を何とかして埋めたいのよ。」
「私はどうしましょ?バラバラだと付いて行く方に悩むんですけど・・・。」
ハウンが困っている。マッキーもどうしよう?みたいな顔をしている。
「強くなりたい人は来てください。ステータスの底上げにもなりますし、何より体術はすべての戦闘の基本です。体が流れるように動かない者に何を使ってもそれを活かすことが出来ません。」
これはまさに俺のための存在なんだな・・・。
俺のための俺のためだけのジュディ老師なんだな。
「さすがにミシュラみたいな化物相手だと小手先じゃどうにもならないけどね。ははははは」
笑いながら言う。
確かに触れたら吹っ飛んで死ぬような攻撃をしてくる人に体術とか剣術とか魔法は関係ないな。
準備が出来た俺達は出掛ける。
レイは来ない。
そんな生活初めてだな・・・。
でも、俺は行く。
「レイ・・・お留守番よろしくね。魔物っ娘達も置いていくから可愛がってあげてね。あと、帰ってきたら美味しいご飯食べたいから修行しててね。」
俺がそう言うと
「あ!!」
とだけ声を上げて少し間を開けて頷いてくれた。
ちょっとの間お別れです。
修行組は
俺
メイリーン
やっちゃん
マッキー
マッキーも土壇場で行きたいと言い出したから連れて行ってもらえるようになった。
居残り組は
レイ
ハウン
魔物っ娘達
それぞれが頑張る。それでいいと思う。向こうでも会えるしね。
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