世界樹で4
ハウンの驚いた顔に皆が驚く。
冷静で綺麗な優しいお姉さんというのがハウンの立ち位置。
それなのに驚いてフルフルしている。
「あれ〜?ハウン様??目が治ったんですか?それは良かったですね!」
おや〜??お知り合い?というよりもしかして神々??
「あの・・・知り合いですか??もしかして神々??」
「えぇ、私の名はクルク。神々の1人です。そんなことよりハウン様がなぜ人と??」
ハウンが一緒にいる理由を俺が話す。
「あなたがハウン様の目を??あれは呪いだから元に戻すのに苦労したでしょ?」
呪いだったんだ・・・。それにしても呪いだなんてひどいな。
「ジュエルにやられて元に戻らなかったのよ。神々の治療でも元に戻らなかった。」
「それを元に戻す人が居るなんて・・・。すごいな〜。」
凄い感心している。
クルクと名乗る神々の1人はハウンの横に立つ。
「昔のハウン様なら私程度がこんなに近づけば殺していましたもんね。それにお友達であったミシュ・・・」
「あぁぁああああ!!!」
ハウンが大きな声を出す。
「ちょっと!!クルクこっち来なさい!」
クルクの後襟を掴んで離れたところまで引っ張っていく。
なにか話をしているが俺達にはわからない。
「あの・・・何の話ですか?」
2人が戻ってきたので、やっちゃんが聞き直すがクルクという神々は目を泳がせるだけで何も言わない。
多分、あれだね。
こちらに来てクルクはレイの顔を見る。凄い驚いた顔をしてすぐに元に戻った。
「ハウンって昔、キツイ性格だったの?」
俺の問にクルクはハウンに目をやって
「それは・・・お答えしてもよろしいですか??」
「答えなくても答えがわかったよ。」
俺のセリフにハウンがバシバシとクルクを叩いている。
「変わられましたね。以前のハウン様とはまったく別人です。美しさは変わりませんが。」
「褒めても何も出ません!!」
顔を赤くしてそっぽ向いているハウン。
「あはははは、これは皆に知らせないと・・・。」
そのセリフにハウンが食いつく。
「今日のこと誰かに話したら絶対許さないからね!!あぁ!!もうやだ!!!」
真っ赤になって顔を手で多いしゃがみ込むハウン。皆が爆笑し始める。
昔の知り合いに今の自分の近況を知られたくないのはわかるよ。
変われば変わる程、特にね。
「ハウンは今は優しいお姉さんだよ。綺麗で頼れて冷静で・・・。」
俺が褒めるとなぜかレイが肘で俺の腹を突く。痛いっす。
「ハウン様から聞きました。あなたはミシュラ様のお子様と。」
「お母様を知ってるの?」
「はい、昔とてもお世話になりました。いつかお会いしたいと思っていましたがどこに居るのか全くわからず。もし、よろしければどちらにいらっしゃるか教えていただきたいです。」
そう言いながら礼をする。
「まぁ、お母様に何かできるほどの神々なんてそうそういないだろうから言ってもいいよね?」
俺に聞くがその辺は俺の許可はいらないと思うよ。
レイはクルクにミシュラの居場所を伝える。
「今から行く??連絡入れるけど??」
そう言うと
「いいんですか?是非お願いします!!」
レイが通信装置を手に話す。
「レイリーお母様居る?」
「ん??レイリー??その名前は・・・。」
「なぁに?姉さん??最近見かけないけどどこで迷子になってるの?」
迷子じゃない!!と怒っている。結構キツイこと言いまくってお母様に代わってもらう。
「恵さんは元気〜??最近来てくれないわ〜。」
「メグミの話はどうでもいいの。お母様、クルクって神々知ってる??」
「えぇ、知っているわよ。何で??」
「隣に居るの。お母様に会いたいそうよ。」
「あらまぁ〜。それは大変ね〜。どうしようかしら??」
「メグミも連れて行くよ〜」
「ならすぐいらっしゃ〜い!」
なんか俺の名前で話が通ったみたいだけど・・・。
「レイリーって確か今の魔王の名前では??なぜそんなものとミシュラ様が??まさか捕らえられているのか??」
いや、違うって!凄いフルフルしているけど誰か誤解を解いてあげて。
「それだけではない!!なぜあなたの名前がミシュラ様から出てくる?人であるあなたの名前が・・・。」
「恵くんはお母様と一度大バトルをやらかしたのよ。」
やっちゃんの一言に
「バカな!!なぜここに生きている?神々ですら1秒と立っていられないほどの力の持ち主ですよ?」
「私もレイも一緒に共闘したけど全く歯が立たなかったものね・・・。」
ハウンの言葉にクルクが腰を抜かす。
「ハウン様・・・今なんと??ミシュラ様と戦った??なぜ??あなたは誰よりあの方の恐ろしさを知っているはず・・・。」