バトルバトルでレベルアップ。チートは楽だな。ってなわけにいきませんでした。
さぁ冒険の始まりです!!
装備を整えていざ壁の外へ!!
と行ってしまう前に宿屋に行こう。
なぜなら変な時間に行って宿がないなんていうのは絶対嫌だから。
でももう残りのお金がそれほどない。
デュランがそれを察してか
「ほれ!!金貨3枚」
お金を投げ渡してくれた。もう金に困ることはこの世界ではずっとないようだ。
それだけで一般人の俺は嬉しい。
もう、冒険なんぞしないでゆっくりまったりこの街で過ごしてもいいかな??
なんてレイがいなければ思っているだろう。
このへんに宿屋があったはず?そう思いながらキョロキョロ、ウロウロしていると
「民宿 湯三昧」
何じゃその名前?と思ってしまったが気にせず入ってみる。
「すみませ〜〜〜ん、宿ありますか?」
俺の声が聞こえたのか奥からおばあちゃんが出てきた。
「いらっしゃい!2名様ですか?」
え?4人いるはずなんだけど?と周りを見るとデュランとミドラがいなくなっていた。
ランプの中に帰ったようだ。
たしかに2人と4人では宿代に違いが出る。
それを考えて戻ってくれたのだろう。本当に気が利くな、あの親子。
「はい、2名です。部屋空いていますか?」
「あんたら夫婦かい?それとも姉弟?」
えっと、ここではどう答えるんだ??
彼女です?
夫婦です??
許嫁です?
お友達です???
わからない!!
だって知り合ってまだ数時間しか経っていないんだもん。
ちょっと悩んでいると
「夫婦です。」
レイがもじもじしながら赤面して答えた。
「あいよ、じゃぁ案内するよ。付いて来て。」
おばあちゃんが2階の部屋に案内してくれた。
そこはダブルベッドがあるシンプルな部屋。
「じゃぁごゆっくり。あと、いろいろあるだろうけど静かに頼みますよ。ひひひひひ」
なんかイヤラシい感じがする。
さて、気を取り直してレイに聞く。
「レイ、ダブルベッドだよ。どうする?」
「一緒に寝ればいいじゃない。気にすることないよ。」
もじもじしながら答えるレイ。
いやいや、俺、女の人とベッドに入ったことないんだけど。
絶対寝れんでしょ?
「お、俺、あっちのソファで寝るよ。まだ知り合って間がないしさ。」
「だから気にしなくていいって。別に食ったりしないから。それともメグミが私を襲う感じ?」
ニヤニヤしながら言ってくる。
嫁入り前のお嬢さんがそんなこと言って大丈夫か?
そう思ったが、一回寝てみようか!!
それで無理ならまた考えよう。
それよりまずレベルアップだ。
手持ちのと言っても着替えたパジャマと気合ハンテンとスリッパだけだがそれを置いて部屋に鍵をかけて外に出た。
そうするとすぐにデュランとミドラが出てくる。
「変なこと始めないかドキドキしたぞ!!」
ニヤニヤしながらミドラがカマしてくる。
いきなり始めるか!!
俺は未経験なんだぞ!!そんな勇気まだない!!
マップに従い街の出入口まで歩いて行く。
「ノートの提示を。」
門番が出ようとする人それぞれに声をかける。
これやばくない??
デュランとミドラはランプに入って姿を消したがレイはどうするの?
やばいやばい。
もう順番来るんですけど・・・。
俺が焦っていると
「はい!」
普通にレイが門番にノートを見せる。
え?魔族ってノート持ってるの?
確認した門番は気をつけるようにと言ってレイを通す。
「おい!お前!!ノートは?」
俺に怪訝そうな顔で問い詰めてきた。
俺は慌てて
「あ、すみません。コレ。」
自分のノートを出し門番に見せる。
「気をつけてな!」
門番は俺を門の外に出してくれた。
「レイってノート持ってるの?」
「持ってるよ。魔族もノートあるんだよ。魔族と魔物の違いはコレ!
身分を証明できるノートがあるかどうか?と言っても私のノートは今魔力で大半の情報を隠しているけどね。そう言って俺にノートを見せる。」
名前しかないや。
「これは犯罪者かどうかを見るだけで中身なんかどうでもいいんだよ。ノートの表紙に犯罪を犯すと
黒いラインが入るの。そういう輩は門番は街に入れないっていう感じ。」
そうなんだ。でもレイって指名手配されているよね。
犯罪者と指名手配は違うのか??
まぁいいや!!
じゃぁ俺はそのへんの魔物を倒してレベルアップ!!
さぁ出てこい魔物たち!!
ザクザク切り刻んで俺の強さの糧となるがいい!!
ぬはははははは。
ってあれ??レイ達はなんで木陰で座り込んでいるの??
「主よ頑張れ!!」
デュランが笑顔で手を振る。
え?俺一人で戦うの??
どうしよう。
いきなりピンチになる。
魔物よ出てくるな!!
俺は生き物なんて傷つけたくないんだよ!!
ブツブツ願っているとその願いはかなわず変な丸い生き物に出会うのであった。