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願いで手に入れた伴侶が最強  作者: うぉすれや
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人体改造1

場面が代わって地球のお話です。

「回復できる者!!今すぐ彼の傷を治すんだ!!」


慌ただしいこの場に多くの男女が群がり1人の男に回復魔法をかける。


「蘇生準備を!傷はない。復活するはずです。」


・・・・



どれほどの日にちが経ったのか私は目が覚める。

ここは??

多分ここは病院だろう。

私は目を覚まし、ナースコールをする。

そうすると黒服の大男たちが私の前に立った。


「なんだ??君たちは??」


黒服の大男は誰かに何か連絡している。

私がベッドから立とうとすると黒服の大男たちは慌てて制止する。


「私はここから早く出たいんだ・・・。あの男に・・・あの男に・・・」


私は憎しみの感情に支配される。

目の前で家族を皆殺しにされた憎しみ・・・必ず復讐する。

あの男の前で私はアイツの家族を皆殺しにしてやる!!

そのどす黒い感情に支配されて黒服の制止を振りきろうとする。


私は旅人だ。正真正銘の旅人。こちらの世界では選ばれし者とも呼ばれる崇高な存在。


「もっと強くなってあの男に復讐するんだ!!どいてくれ!!」


私はそこそこのレベルがある。どんなに体格差があっても黒服の男ごときに負けるはずがない。

だが・・・


「お前を監視するように言われている。力ではどうしようもないぞ。我々も向こうで鍛えているからな。」


似非の分際で生意気な奴らだ。だが、相当訓練しているのだろう。全く力では勝てない。


「チッ!」


私は舌打ちをしてベッドに座る。

そうするうちに誰かが私の病室に来た。


「やぁやぁ、君が復活してくれてよかったよ。で、体の調子は?」


分厚いメガネの女が私に声をかけてきた。


「いや〜。旅人っていうのは頑健だな。普通なら銃で頭だの胸だのを撃たれたら死ぬんだけどね。」


そう言いながら私の頭や胸をいじり回しながら見る。


「まぁ不躾で申し訳ないが強くなりたいとかないかね?ここは向こうと違って強化されにくいが科学というものがある。それを使えば、向こうで鍛え上げた時の強化度合いに違いが出るよ。最強もにもなれるかもしれない。と言ってもどこが最強なのかは私は知らないけどね。」


女が注射器を出して私に聞いてくる。


「強くなれるなら何でもする!!」


そう答える私に凄い邪悪な笑みを浮かべる。


「いや〜〜よかった。もし断られたら違う人に聞きに行こうと思っていたんだよ。決断が早い人でよかった。」


「で、その注射器の中身は何だ?」


「お!!察しがいいね〜。さすがこの国のトップに登ろうとしているだけのことはある。コレは・・・」


ナノマシンという微細なロボットらしい。ウィルスのようなものだとか。遺伝子を操作して屈強な体を作り、それに向こうの訓練を取り入れて強い戦士を作るそうだ。


「こちらにいない生物の遺伝子をあなたの遺伝情報に書き込む。いきなり化け物になったりはしないから安心してくれ。しかし、体が再構築されるほどの大きな損傷を受けると遺伝情報に従ってそれになってしまうから注意してくれ。」


「どんな生物なんだ?」


「海にいた大きな魔物だよ。画像は見ないほうがいい。あまりにグロテスクなのでやる気を失いかねない。」


「その言葉の方がやる気を失うけどな。」


「ははははは、たしかに私もそんな言われ方したら嫌になるな。」


そう言いながらも私にPCの画面で説明してくれる。


こんな姿はさすがに嫌だな・・・。


「大丈夫だよ。死にかけるほどの大きな損傷を受けて、回復魔法などで元に戻すとそれがきっかけで表に出るかもしれないというだけだ。表に出ても思考は変わらない。」


姿が変われば生活できないだろ?こいつ・・・他人事だと思いやがって。


「もう少し考えさせてくれ。」


「あぁいいとも。いい返事を待っている。」


「家に帰って荷物を取ってきたいんだが・・・。」


その言葉には首を振って断られた。なぜだ?


私は数日考える。あの男に勝つためには今のままでは無理だ。

勝つためには・・・、やはりあの注射を受けなければいけないか。

決断に迫られる日が来た。大統領も一緒だった。


「君には無理をさせるな。あの時も罪をかぶってもらった。この国が無事なのはそのおかげだ。」


そう言って俺の肩に手を置く大統領。


「いえ、国のために働いているのです。あれくらいは・・・。」


あれくらい??私は家族を失ったんだぞ?糞!!こいつのせいで俺は・・・。

自分で言ったセリフに反吐が出そうになる。

どいつもこいつも許せない。そんな真っ黒いものが心を支配し始める。


「さっさとやってくれ。私・・・いや、俺はこれから違う人物として生を受け最強の戦士になるためにあちらの世界で力を付ける。」


白衣の女が俺の腕に注射器が差し込む。

1本打ち込み、違う場所に1本打ち込み、・・・その行為を何度か繰り返し、白衣の男女が俺のいる部屋から出て行った。

大統領が


「君の成功を祈っている。」


俺に手を振って部屋を出る。俺の成功??それはお前の死も含まれているのにな。

俺の家族を守ろうともしなかった。俺の家族はお前たちのせいで死んだ。

そう思うとどす黒いものがどんどんどんどん大きくなる。


「早く向こうに旅立たせろ!!」


そう思っていると体から激痛が走り始める・・・。


「ぐぁぁぁ!!」


俺は注射を打ったところを押えるが感覚がない。それなのに激痛が走る。


「うがぁぁ!!」


俺はナースコールを押す。

が、誰も来ない。


「なぜだ??なぜ誰も来ない??」


大きなガラスに目をやると向こうから説明をしてくれたメガネの女がこっちを見ている。

俺はその女に手を伸ばして何とかしてくれという。


「ダメみたいね。破棄を・・・」


口を読むとそう言った・・・。


その言葉のあと宇宙服のようなものを着たものが続々俺の部屋に入ってきた。

俺を抱えて床から出てきた金属製のボックスに俺を詰め込む。


「やめろ!!放せ!!」


俺はもがくが相手の力も相当なもの、まったく動けないでそのままボックスに詰め込まれた。


「出せ!!出せ!!」


俺が大声で言うが外には聞こえていないようだ。

ゴミを見るような目で俺を見下ろすメガネの女。


「次のモルモットの用意をして。」


そう口が動く。モルモットか・・・俺は実験台だっただけか。

そう思うと憎しみが増してくる。


「俺はこいつら全員許さない。全員皆殺しにしてやる!!」


「くくくくく、その思い俺が叶えてやる。俺を求めろ。そうすればお前に復讐の機会をくれてやる。」


誰かが俺にささやきかける。


「俺にこいつらを殺させろ!!全員ぶっ殺してやる!!」


憎しみの言葉を口に出すと同時に体から痛みが消えて力が湧いてくる。

だがその時に俺は大きな筒状の装置に入れられる。


「くそ!ここを俺は知っている。焼却装置だ。糞!!早く出ないと!!」


俺は力いっぱい金属製のボックスの入り口を蹴る。

そうするとやすやすと開けることに成功する。

焼却が始まる前に俺は壁に穴を開けて外に逃げることに成功する。


「あいつら絶対に許さない!!」


俺の怒りが増していく。

その前に家に帰って家族の形見を・・・。

俺は自分の家に走って帰る。ここからは相当な距離があるだろう。だがそんな事俺には関係ない。必ず家に着く。そして必ずあいつらを・・・



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