俺の反省
「もういい!!やっちゃんとはパーティー解消!一緒にやっていけない!」
俺がブチ切れてそう宣言する。
「ああ!!いいわよ!!それで!私も最近の恵くんの言動にイライラしてたの!なんでそんなに依怙贔屓するのよ!!相手は魔物でしょ?何よ!!もう知らない!!」
「じゃぁ、パーティー解消の依頼出しといてね!!」
俺がそう言うとやっちゃんが一人街の中に消えていく。
「あの、あの、それはダメです!!解消はダメです!!皆がバラバラになります。私も謝りますからどうかそれだけはやめて下さい。」
ラウルが泣きながら言う。
「ラウル。君は気を使いすぎ。俺は別に誰かとパーティーでやっていかないといけないってことはないんだよ。俺は俺の好きなことをする。反対に嫌いなことは何を言われてもやらない。それでいいと思っている。だからやっちゃんがラウルのことを思いやらずに無茶言うなら俺はそんな人を仲間だと思えない。気にしなくていいんだよ。」
俺はそう言いながらラウルの方を抱き寄せる。
ラウルは泣き続けながら言う。
「でも、弥生様は強い方ですし、恵様の仲間として不可欠ですよ。それなのに・・・。」
凄い涙を流しながら俺に抗議してくる。
「でもね、仲間を思いやらずに戦って何かあったらどうするの?助けあうのが仲間だよ。それに仲間っていうのはダメなところをダメと言えるのも仲間じゃないかな?」
頷くラウル。
「それでも・・・解消はダメです・・・。私のために喧嘩はダメです・・・。」
よしよししているとレイがすごい勢いで走ってきた。
「ちょっと!!やっちゃんがギルドでメグミをパーティーから外したよ!!なんで??すっごい泣きながら手続きしてたよ??」
レイに事の説明をする。レイは悩んでいる。
「メグミの言っていることもわかるけど、やっちゃんが言っていることもわかるよ。最近メグミはラウルに首ったけすぎ・・・。」
え?そうなの??全然そんなつもりないんだけど。
「メグミは最近ね、ラウルとお母様の事ばっかり相手にしているよ。今は子供作れない私達にとってそれはキツイかな〜??」
レイが俺を覗きこむようにそんなことを言う。かなりの真顔だ。
ハウンが走ってきた。
「ちょっと!!どういうこと?やっちゃん大泣きよ。」
レイが俺の説明をそのまま聞かせて
「あぁ、そのこと。確かに最近ひどいわね。恵様の愛情は私達に向いていないわ。最近抱いてくれた?」
最近は・・・、ないですね・・・。
「ごめん・・・。」
「その言葉をやっちゃんにも言ってあげて。やっちゃんも言い過ぎたと思っているけど今のイライラをラウルにぶつけただけだと思うから。ラウルが羨ましいのよ。最近触れ合いもない、愛情表現もない。行為もない。皆ラウルのこと嫌いになるよ。このままだと・・・。」
それは嫌だな。ラウルは悪くない。そうか・・・俺が悪いのか・・・。
俺はラウルをレイ達に預けて街に走って行きギルドに直行する。
カウンターでビィビィ泣きながら書類を書こうとしているけど手が進んでいない。
涙を拭く方に手を取られて書類に書き込むべきことを書き込めずにいる。
俺はやっちゃんの肩を叩いて
「あの・・・やっちゃん・・・」
涙と鼻水でグチャグチャのやっちゃんが俺の方を振り返り。
「なにしに来たのよ?私は今書類を書いているの。向こうに・・・。」
「ゴメン。仲間のことを考えていなかったのは俺の方だ。ゴメン。許して欲しい。」
俺の言葉に涙を流しながら
「ひどいよ。ひどいよ。私達はまだ子供が作れない時期なのよ。出来た子を大事にしてそういうこと言うなら私はやっていけないわ。何でこんな苦しい思いをするの?あなたはずっと自分が正義なの。私達の気持ちは?好きになった方は我慢しなくちゃいけないの?もう無理だよ・・・。」
「ゴメン・・・。」
ギルドに静寂が流れる。皆俺達の方を見て何も言わない。
「俺が悪かった。仲直りして欲しい。」
顔を拭いながら
「私も言い過ぎました。ラウルには謝ってきます。でも、あなたには謝りません。」
書類を破り捨ててギルドを出て行った。
「何があったか知らないけどさ・・・。あんたが悪いよ。女の子が大泣きしているときは絶対男が悪い。」
ギルドの酒場で頬杖をついている優男が俺に向かって声をかける。
「はい、その通りだと思います。」
俺はその優男に頭を下げてやっちゃんを追いかけた。
俺は猛省中。女の子皆にすごい負担を強いてた。
何が友達だ・・・俺は無理強いし続けてたんだ・・・。
俺が街を出ると仲直りしたラウルとやっちゃんが抱きしめ合っている。
俺は・・・。
「あのさ、皆に謝るよ。そこで・・・。」
俺は皆から話を聞くことにした。
俺に対する不満、俺にしてほしいこと、などなど。
不満ややって欲しいことがいっぱいあるかと思ったら
「もっとスキンシップを」
「もっとやろう。」
「もっと話を」
「もっと平等」
など、どう考えてもほぼ一緒のことしか言わない。
要するに皆俺と繋がりたいとのこと。
「毎晩代わりばんこに抱いていくでどう?」
やっちゃんの一言に皆賛成する。
「俺は休みなし?」
「要らないでしょ?あなた死なないんだし・・・、後、超回復あるし・・・。」
やっちゃんは俺のことを考えてくれない。多分・・・仕返しか?
「わかりました!全員毎晩代わりばんこでいいんですね?それくらい飲みます。ありがとうございます!!」
頭を下げるとやっちゃんが笑ってくれた。
「今日からでまずはやっちゃんからでいいですか?」
「は、はい・・・」
赤い顔をするやっちゃん。
「最初に選んだのがここでラウルだったら殴っていたのに・・・。」
「そこまで馬鹿なら殴ったほうがいいね。」
「私が光線で焼き払ってあげるわ。」
皆笑っている。
「ごめんね。今までひどいことやってた。我慢させてごめんね。」
俺は謝り続けた。