表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
願いで手に入れた伴侶が最強  作者: うぉすれや
223/520

喧嘩勃発

「やっちゃんが食われた!!」


大慌てのレイ。

ラウルを連れてくる。


「ちょっと、ラウル!!あの魔物にやっちゃんを吐き出すように言って!!」


ラウルは困った顔をして


「あの・・・。私、海の生物や魔物とはそこそこ意思の疎通ができますが、あれは陸の魔物です。話す言葉が違うんです。」


涙目になって答える。それは仕方ないよね。畑違いにもほどがある。


「じゃぁ、あれを捕まえて!!」


触手を伸ばしてウパ子と名付けられた魔物を捕らえようとする。

その瞬間に


バシュ!!


ウパ子の背中から剣が出てきた。

ウパ子はそのまま死んでしまい背中からやっちゃんが出てきた。


「ウパ子、ごめんなさい・・・。」


泣かなくてもいいでしょ?あなた死にかけてたと思うよ。


「ちがうのよ!!謝ったのはうちのウパ子!!あんな魔物と間違うなんて・・・。」


間違っていたんだ・・・。この子も阿呆なのか?ちょっと俺にはその気持ちがわからない。


「私、ちょっとテイマーの職につくわ。あんな可愛いのが居るなら手懐けたい。」


安易な気持ちだな。ペット欲しさにテイマーですか・・・。俺もテイマーでよかったと思うこともいっぱいあるけど、やっちゃんのはちょっと安易だと思う。


やっちゃんが街の方に走っていった。マジでなるつもりのようだ。

レイも一緒に走っていった。安易な理由だけにできれば止めてきてほしい。



「ねぇ、ラウル。あれは陸の魔物なの?」


「はい、あれは陸の魔物です。陸の魔物の子供があれなんです。親になるとエラがなくなりヌメッとした魔物になります。」


あぁ、俺達の世界のサンショウウオと一緒だな。


川の水辺で俺達は突っ立っている。

ラウルも突っ立っている。

魔物たちはラウルの気配を察して近づいてこない。


「ラウルの卵、元気?どうしてる?」


そういうといつも魔物っ娘たちが入っている空間の中に手を突っ込んで卵を取り出す。


「戦った後、凄く大きくなっています。何ででしょう?わかりませんが凄い育っているように感じます。」


ラウルが卵を上にかざして下から覗き込む。俺はそれを横から覗き込む。

確かに大きくなっているように感じる。最近までなかった目ができている。目があるだけでちょっと愛着がわきやすいな。こっちを見てモゾモゾ泳いでいる。可愛いな。


「恵様をお父さんと気づいているのかしら?なにか嬉しそうに感じます。ほら、近づいてきた!!」


たしかに俺の方に近づいてきている。少しづつ俺の方に泳いでくる。凄く可愛い。

俺が卵に触れると動くスピードが早くなって俺の手のひらの下に来る。もしかしたら本当にわかっているのかもしれない。

卵を嬉しそうに抱くラウル。その姿もかわいい。



ラウルにとって卵は命より大事だという。

そんな言葉を聞くと以前、卵を抱いている時に馬鹿に絡まれて凄い騒動になったのを思い出す・・・。


卵を抱いているラウルに馬鹿5人がぶつかり、その後、謝るラウルに対して卵を(はた)いだのだ。それで激高したラウルに3人が握りつぶされて、警備兵が出てくることになってしまった。

警備兵と一緒に居る2人もその場でラウルに捕まり半殺しにされる。

警備兵が怖がり動けなくなって増援を要請。ランクAの冒険者が大量に出てくることになる。

俺がテイマーで馬鹿のほうが攻撃してきたと言って騒動を収めようとしたが俺はその時ランク無し。

魔物を中に入れた罪にとわれそうになった時にやっちゃんが証明してくれて事なきを得た。

そんなことが起きてから少しランクも大事かな?と思うようにはなった。

でもやっぱり要らないと思い始める。だって、Sでもないと信じてもらえないんだもん。

Sって凄いよ。なれる気しないもん。やることが面倒。



そんな回想をしながら俺は町の方に歩いて行く。

向こうからやっちゃんが走ってくる。


「ちょっと!!レジェンド!!口利きして!!」


はい??あなたの口からそんな言葉を聞くとは・・・。


「レジェンド言うな!口利きってなんだよ!!」


「私にテイマーになるのを辞めさせるのよ!絶対ダメって言われた!!なんで??」


「真の勇者だからじゃないの?」


「そう!!それなのよ!!サブでもダメって言われた!!何で??私の職業選択の自由は?」


それ、俺も思ったから・・・結構前のように感じるけど。


俺の腕を引っ張ってやっちゃんが俺をギルドに無理やり連れて行く。

ラウルも走ってくる。


「やっちゃん!!ストップ!!ラウルだけだと街に入れない!待ってあげて。」


「ラウル〜〜!!早く〜〜!!」


別に急がせる意味がないでしょ?

それが聞こえたようで慌てて早く走りだすが、


「あ!」コケる!!」


俺はとっさにラウルの方に飛んでいきラウルと卵を支える。


「あ、ありがとうございます。」


泣きそうになりながら俺に御礼を言い続ける。

コケればもしかしたら卵が死んでいたかも・・・。


「やっちゃん!!ひどいな!!ちょっとは考えてやれよ!!」


俺の怒りで火が付いたやっちゃんが


「何よ!!待っていったの恵くんでしょ??転けそうになったのもラウルでしょ?私が悪いの??」


あ〜!!なんか逆ギレしているように感じる!!


「そんな言い方ないだろ?卵にもしものことがあったらどうするつもりだ!!」


もう大喧嘩一歩前だな。


「あぁ、あの、喧嘩になります。怒らないでください。私がわる・・・」


「ラウルは悪くない!!」


俺が怒っているのはやっちゃんのせいだ。ラウルに悪いところは全くない。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ