思いのほか使える奴
レイは放心中
レイがボーとしておかしくなっていると思った俺は肩を抱えて揺すりながらレイの名前を呼び続けた。
すると
「ごめんなさい。」
と言って涙を流し始める。
「何でゴメンなの?」
「暴れて無茶苦茶にしてごめんなさい。そのせいでメグミに迷惑かけてごめんなさい。グスッ」
ポロポロ涙を流しつづけるレイ。
「あはは。そんなこと気にしてたんだ。全然いいよ!!。俺はまったく気にしていないから。」
「何で笑うの??」
「だって、レイの顔、涙と鼻水でグチュグチュなんだもん。あ、ごめん、ティッシュ持ってないや。」
ハンテンやパジャマのポケットを探るがそれらしいものがない。
レイは顔を隠してふぇふぇ泣いている。
「あぁもう、清掃魔法!」
ミドラがレイに向けて魔法を放った。
エラいことになっていたレイの顔はキレイになって魔族の状態ではあるが美しい顔が見える。
「「ありがとう」」
レイのお礼と俺のお礼がかぶる。
「え?何でありがとうなの??」
とレイが俺に聞いてくる。
「レイは俺が笑われているのに腹を立てて怒ったんだろ?
あれだけ笑われているのに、どうしていいか分からなかったんだ。
かなり恥ずかしいっていうのもあったし女性に向かって怒るっていうのもできなかったし。
あそこでレイがキレてくれて実はちょっとスッキリしたんだ。
小さい男に感じるかもしれないけど、ホントにスッキリしたんだよ。」
頭をポリポリ掻いていると
「キレイに何もなかったかの様にしておいたぞ。特別に願いにはなかった原状回復もやっといた。」
急に後ろに現れるデュラン。
「おっとう、おつかれ!!」
笑顔で迎えるミドラ。仲いいんだな。
「じゃぁこれであそこの方達は何も知らない。だからまぁ夢みたいなもんだ。
俺たちだけが見た夢!!それでよし!!すっきり爽快!!」
無理に締めようとする俺。
「今後気をつけます。」
「大丈夫!!おっとうがいるから!!」
ペシペシとレイの尻を叩くミドラ。そしてウンウン頷くデュラン。
「で、これからどうする。宿さがすのは簡単といいたいんだけど
この地図使い方まったく分からないんだけど。何も表記されていないんだよ。何で??」
俺が困って買った地図らしいものを3人の前に差し出す。
「これ、魔力ないと使えないやつじゃん。値段高かったでしょ?」
そういや、結構したな。1G取られたっけ?
あまり気にせず払ったけど確かに高かった。
だって、俺たちのお金に換算すると多分10万くらいのはず。
10万って結構な金額だぞ??それで紙切れ??気づくのおそっ!!
頭を抱えて反省していると
「ほら、マップ出てきたよ。多分、この赤い部分があーし達がいるところ。で、宿屋は…」
宿屋と声に出すと、青い丸でいくつか現れる。
「多分、この青い丸いのが宿屋だろうね?声に出すとこうやって表記されるんだ。
すごく便利だね!!じゃぁ、食べ物屋さん!!」
食べ物屋さんと言うと宿屋とは違う四角の緑の表記が現れた。
「そりゃ高いわ。滅茶苦茶便利だもん、これ。」
感心しまくっているミドラ。
「でも、肝心のメグミが使えないのは困るわね。どうにかできない?」
レイが唇を人差し指で触りながら言うと
「うむ、レベルあげて魔力をアップさせるしかないのではないか?」
デュランがそう答える。
よし決まった!!外に出てレベルアップだ!!
宿屋に行ってからだけどね。
あと、俺、パジャマにハンテン、スリッパなんだけど、大丈夫??
「こやつの装備何とかした方がいいのではないか??」
デュランに指をさされた。
「「あぁ確かに。」」
ミドラとレイがアホそうに頷いていた。
さて、冒険の第一歩、装備を整える。
さてどうなるんでしょう?
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