ハウン暴走
ミューアスで皇帝の城に招待された俺は今・・・第一王女の前でフリチンで立っている。
間違わないでね!!立っているのは俺であって、珍の方ではない。
「貴様!なぜ死んでいない!!もう一度・・・」
真っ黒い玉が俺に当たると燃え上がる。すごい勢いで。
そうしてすぐ消える。俺の陰毛返せ・・・。と思っているとすぐ生えて来た。
髪の毛も多分そんな感じだろう。
「貴様!!何をした!!ありえないぞ!!」
俺に向かってボンボン色んな色の玉を投げてくるがどれも大したことがない。
これなら魔族領の魔法使いのほうが断然よく使えている。当たり前か?
「はぁはぁ、き、貴様・・・なぜ死なん??」
「へ?だって痛くも痒くもないもん。」
俺の返答に腰を抜かして座り込む大賢者様。
ちょっと前に出てきた兵士たちもカタカタ震えながら俺の前に立ってはいる、が、戦意は全く感じない。
「俺に服くれない??このままじゃちょっと恥ずかしいけど、このままがいいって言うならこのままいるけど。」
「そのままでいいです。」
小声で手を上げながら言うハウン。顔が真っ赤ですけど・・・。
「じゃぁ、このままで!!」
服を持ってこようとしていた召使が慌てて引き返す。
俺はフリチンのまま、話を続ける。
「俺に賞金1000Gかけてるだろ??それをハウンにあげてくれない?そうしたら帰るから。」
ちなみにレイは合図があるまで外で待機しているがこのままでは多分出番はないだろう。
「そうはいかん!!薬を持ってこなければその金はやれん!」
「話が違うわ!!恵様を連れてきたら1000Gと書いてあったわ。もしそれが目的ならギルドで依頼出せばよかっただけじゃない?」
ハウンがプンプン怒っている。
「もう、こうなったら1000G持ってくるまで街を破壊し尽くしてやる・・・。」
手に光をあつめて撃つ準備に入るハウン。
俺はすぐに周りに向かって叫ぶ。
「早くお金用意して!!でないと死人がいっぱい出るぞ?この街なんてこの人からすればどうでもいいんだから!!レベルが1000未満の者はかならず死ぬぞ!!」
それを聞いて皆が震えだす。
「1000??」
「早くしろ!!」
その瞬間に極太の光線を両手から発射。それが遠くにある山に当たり山が消し飛ぶ。
「「「「「「うゎ〜〜〜〜〜〜!!」」」」」」
城の中で大恐慌が始まる。皆パニックになって走り回る。頭を抱えておかしくなっている。
「許せない・・・。私をだますなんて・・・。」
もう一度放つために準備に入る。
「わ、わかった!!金は用意する。やめてくれ!!もう止めてくれ〜〜!!」
喚いている王女。
「遅い!!」
そう言いながらハウンが港に向かって光線を放つ。
光線は港に停まる軍艦や空母にあたっても勢いを緩めることなく地平線の彼方に消えていく。
少し遅れて
「ドドドドドドド〜〜〜〜ン!!」
光線は海を割りながらすべての船を破壊して大きな波を呼ぶ。
世界の終わりかというような悲鳴が外から聞こえてくる。可哀相な民達・・・。
阿鼻叫喚図・・・。それが今港にある。
「元に戻したかったら1000Pでいいよ。」
俺の提案に震えながらも
「高すぎるわ!!無理だ!!もう少しマケてくれ!!」
「800?600??550??」
「頼む・・・。できれば100くらいで・・・。」
「わかった!!じゃぁ用意して。」
この短時間で俺は超大金を手にした。
俺はデュランに頼みこの惨事を綺麗に修復して直してもらう。何事もなかったような港。
怪我した人や吹き飛んだ人も元に戻る。意味がわからない港にいる人々。
「貴様らの能力・・・。恐ろしい・・・。」
「じゃぁ、金輪際関わり持たないほうがいいよ。こんなのまだ序の口だから。」
その言葉を聞いて全員腰を抜かして座り込んでいる。
その中の召使の持っている服をもらい俺は着る。
うん、いい感じの服だな。
ちなみに、牧田はずっと震えてじっとしていた。
震える地蔵みたいになっている。
「ハウンはちょっとやり過ぎ・・・。」
「でも、大きなお金を手に出来ましたわ。」
俺の腕に飛びついて歩くハウン。まるで恋人同士だ。それに近いけどね・・・。
牧田は魂が抜けた顔で俺達の後を付いて来ている。
外に出るとレイが凄いむくれて壁に持たれて立っている。
「おやおや、そこのカップルさんよ〜、私に幸せを分けてくれないかな〜?」
完全な輩がここに居る。
「レイ!大きなお金を手に入れたよ!!買い物行こう!!」
ハウンがお金の入った袋を見せながらレイに飛びつく。
「幸せのおすそ分けありがと〜〜〜」
そのまま街の商店街に行こうとすると後ろから
「私はどうすればいいですか??追試はありますか??」
やっちゃんがヘロヘロになりながら俺達の側に来る。
「追試はありません。頑張って点数を稼ぎましょう。毒舌は減点です。」
「裸になれば加点してくれますか??」
「裸ごときであげません!」
うぇ〜〜〜〜〜ん!!
大泣きのやっちゃんを見て爆笑中のレイとハウン。
街の皆が滅茶苦茶見ている。恥ずかしい・・・。