実験失敗
レイの攻撃も、やっちゃんの斬撃も全く効かなくなった俺の体。
そこで登場したのがお母様。
重力の変化には耐えたけど・・・。次の攻撃は正直怖い。
お母様の全力モード(多分)が目の前にある。
「さぁ、歯を食いしばって〜」
歯を食いしばれば大丈夫なんですか??どう考えてもこれは死ぬと思います。
「世界の果てまで飛んで行け〜」
拳が光る・・・
カッ
俺は今、空を飛んでいる・・・。
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「ちょっと!!お母様??飛んでいったら確認できませんよ!!」
私は闘技場の観客席の屋根の上からお母様に言うが
「あらあら〜、飛んでいっちゃったわね〜。」
と手を目の上に当てて遠くを見る姿勢でメグミが飛んでいった方を見ている。
アニメみたいにキランッとなってメグミの姿が見えなくなった・・・。
拾いに行かないと!!でもどの当たりに落ちてるんだろ??
「デュラン!!メグミの位置を教えて!!」
「・・・」
「ちょっと!!デュラン???あれ??」
「おっとうは今ちょっと無理かな??話あるなら聞くよ。」
ミドラだ・・・。さっきもミドラが対応していたな・・・まだトラブっているの??
「ねぇ、ミドラ。今どの当たりにメグミがいる??」
「メグミは現在、え〜〜っと・・・移動中??高速で?」
まだ落ちていないんだ。
「体は??」
「メグミの体??あぁ、やばそうだね・・・。何したらああなるの??肩から右腕がないよ。」
とっさにガードしたのかな??聞き手じゃないほうがなくなっているなんて・・・。
「あれれ??腕が生えてる・・・?いつの間に?」
もしかして一回バラバラになるほどの怪我をして戻り始めているの??
もしかして不死性が違うふうになっているの?
目の前にいないからか確認できない。
「ミドラ、すぐにメグミをここに連れてきて?」
「いいけどあの速度のものをいきなりそこに連れてきたらヤバくな〜い?」
闘技場だけではなく城も壊れるかも・・・。どうする??
「わかったわ!!私をメグミの上に乗せて!」
「それならいけるかも・・・。失敗したらもう一回声をかけてね。」
私は一瞬でメグミの腹の上に立っている。
「ん??レイ??」
メグミの体が再生していっている。肘くらいまで生えている。さっきミドラは肩からないと言っていたのに。
「メグミ大丈夫??」
「いや、やばかった。最初はもっと体がなかったんだけど少しづつ生えて来ている。もう・・・化物だな・・・。」
話しによれば頭と左肩から肘、胸の辺りまでしか体がなかったそうだ。
それで死なないなんて・・・。
「レイ・・・そろそろ海に激突するけど大丈夫??」
たしかに高度が低くなっている。この速度で海面に当たればさすがに傷つくだろう。
「少し痛いけど死にはしないと思うわ。」
「それはダメだ・・・。俺はレイを傷つけさせない。」
メグミが私を抱きかかえる。そのまま足から海面に突っ込むが足をばたつかせて海面を歩いているような状態になる。
そのまま数キロほど進み、とうとう海に浸かることになった。
「ミドラすぐに魔族領の闘技場に戻して。」
私達は闘技場に戻る。
戻ると私は無事だったけどメグミの脚が両方共折れていた。
それを救護班がすぐに処置し元に戻る。
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「お母様!実験にはあってはならないことをしました!!いきなり強度をあげたら実験にならないじゃないですか!!」
レイがすごい剣幕でお母様を怒っている。お母様は正座してレイの話を聞いている。
すごい勢いで頭を下げている。それをずっと叱りつけているレイ・・・。
もう許してあげようよ。
結構な時間怒り続けるレイ。
「というわけでなぜHPがないのか。なんとなくわかりました。メグミはなかなか死にません。」
「じゃぁ、MPがないっていうのもそれと一緒??使いたい放題ってこと??」
「多分・・・。」
「俺、魔法あまり使いませんよ。」
「「「「そこは覚えなさい!」」」」
皆から一度に揃って指摘される。
「その他のステータスは??」
やっちゃんが調べたいみたい。見えないもんね。