失ったもの
「メグミ、今日は何する??」
そうだな・・・。俺は今日何しよう・・・。
「メグミって今、レベル幾らなの??最近、魔物娘たちにばかり経験値いれてメグミ自体全くでしょ??」
あぁ、確かに俺は最近全く戦闘していない。お母様との戦闘は経験値にカウントされることもないはずだからね・・・。倒せていないし・・・。究極ドーピングだったし。
俺がノートを開く・・・
「なんかさ〜おかしいことになっている。」
俺がレイにノートを見せる。
レイがフルフル笑いそうになっている。
「なにこれ?こんな称号あったんだ・・・。」
『最狂の戦士』
条件『最強の戦士を降伏させた最狂の戦士の称号』
『闇の欲望を食い殺した者』
条件『闇に打ち勝ち、殺した者の称号』
「お母様が最強なのはうすうす気づいていたけど・・・メグミは最狂の戦士なんだね。」
お腹を抱えて笑い出す。
「それだけじゃないよ。ここを見て・・・」
俺が指差す
『レベル?』
『この世の尺では測れない』
「これ意味わからないよね・・・。レベルなくなってるよ。」
「この世の尺では測れないって・・・ある意味すごいよね。」
涙でうるうるしながら笑いをこらえるレイ。
「まだあるよ・・・」
「ステータス見て・・・数値がないんだよ。全部薄くなっている。」
今、俺のノートには
HP、MPの数値もない。
力、体力、知力、素早さ、運の数値もない。
物攻、物防、魔攻、魔防の数値もない。
全てない。
HPやMPは固定値だから別になくてもいいけどその他の数値は結構いい感じの数値だったはず。
すべて5000以上は確実にあった。それなのに・・・数値がないというよりステータスがない。
すべて非常に見づらい。いつもは黒い文字で示されているのにほぼ透明になっている。
うっすらあるかな??程度の文字が書かれているだけ。見えないけど。
「どういうことだろね?弱くはなっていないよ。だって、最近メグミに力で勝てないもん。」
「え??あれはレイが俺を傷つけないために手を抜いてるんっじゃなかったの?」
驚いた顔にレイが驚く。
「負けず嫌いの私がそんなことすると思う?メグミ相手でも負けると凄い悔しいんだよ?」
数値がないのにレイに勝つ・・・。どういうこと??
「これ・・・。いろいろ試さないとわからないよね・・・。」
俺とレイの意見は一致する。
「闘技場があるんだけど、痛いかもしれないけど色々やろうよ。」
これはあれだな・・・。殴ってみようってやつだな。
「わかった。やっちゃんとかも呼んでもらえる?」
俺達は食堂へ行き、皆にノートを見せて説明する。
「これは今までみたことないわね・・・。ノートは私達神々も持っているの。でもちゃんとレベルも称号もステータスの数値もあるわよ。神々だからってその例外はないわ。」
「それも気になるけどこの称号何?『闇の欲望を食い殺した者』」
俺が死にかけて昏睡していた時の夢の話をする。
レイとやっちゃんは『そんなことが・・・』と絶句していた。
「多分、魂とか精神の世界ね。それが壊れかけていたから外に出ると消滅するって言われたんだと思うわ。」
ハウンが説明してくれた。なるほど・・・。あの黒いやつを殺したから出てこれたし、変な称号を手に入れたんだ。
「それと、ラウルが言ってたよ・・・メグミを夜に看病していると光ってたらしいよ。ボ〜〜〜〜っと薄い光を放っていたらしい。光の粒子になって消えないか凄い心配してたんだって・・・。」
レイがラウルの報告を俺達に教えてくれた。
俺の寝ている間にいろいろあったんだな・・・。
「まぁ調べるのが面白そうね。」
まず面白いが基準だよね。やっちゃんはそれで無茶するから怖い。
「というわけで・・・」
俺の両脇を抱えて闘技場に連れて行くレイとやっちゃん。
それをくすくす笑いながら見ているハウン。
「あの・・・俺、別に嫌がっていないからこれはないんじゃない??」
何を言っても放してくれない。
そのままズルズル引きずられて闘技場へ。
それまで何人かの魔族の人にあったが皆俺を見ていた。恥ずかしいなぁもう!!
俺への人体実験が始まるみたい。
まず誰から行くかジャンケンで決めている。
その後魔族領全域に放送が・・・
「回復魔法のできる救護班、蘇生班、直ちに闘技場へ来てください。繰り返します・・・」
蘇生班って・・・俺殺されるかもしれないんだ・・・。