レッツゴ~ギルド!!
街の中で宿屋すら探せない俺たち。
地図を手にするために仕方なくギルドへ。
宿屋はどこにあるのか?
それすら知らない俺たちは仕方なくギルドに戻ることにした。
ギルドに行くのはさすがに気が引ける。
犯罪者になったわけでは無いのだが、冒険者と思われる男たちを一方的にボコボコにしたのだからさすがに顔を出しにくい。
でも行かなくてはいけない。
あ!ミドラ一人で行かせるか??
いやいや、あんなムキムキで柄の悪い奴等の溜まり場に子供一人を行かせるわけにはいかない。
「は~~~。」
ため息を付くと
「ん?何を悩んでいるの??」
のんきに聞いてくるレイ。
「あ、いや、ギルドに確かこの街の地図が置いてあったと思ってね。貰いにいこうかと思っていたんだよ。まぁ、あんなことがあってまだそれほど時間が経っていないからさ・・・。」
「大丈夫だって!頭の中筋肉でできている連中ばかりだからもう忘れているよ!!」
確かにさっきまでいなかった美女がいきなり現れてもまったく意に介さなかった連中ばかりだからそうかもしれないな。
そう思うと何か元気出てきた!!よし!!気にせずいこう!!
ちょっと足取りが軽くなって気持ちよく歩いていると思ったよりも早くギルドの前に着いてしまった。
そして思い切って建物の中に入ってみる。
「「「「あっ」」」」
と言う声を発してこちらを見る中の人々。
ザワザワしていたはずなのにあたりがシーーーーーーーーーーンとなる。
「あの、すみません、ここにこの街の地図があると思ったんですけど・・・。」
カウンターの男の人に声をかけると
「ち、ち、ち、地図ですか??ゆ、ゆ、有料でよろしければありますよ。
よ、よ、よ、よ、よろしいですか??」
なんかびびってる??もしかして皆ビビってる??
「はい、よろしくお願いします。」
「あ、あの、つかぬ事をお伺いしますが、どうやってお金を手に入れたんですか??
まだ、ギルドで仕事を取っていないですよね。も、もしかしてその辺の人を痛めつけて??そ、それはちょっとヤバいのですが・・・。」
おいおい、いきなり犯罪者扱いかよ。
「いや、正当な方法で手に入れたよ。誰からも奪ったりしていないけど。」
正当な方法なのか?と聞かれれば、俺のスキルが出したものだから正当だろう??でも説明はできないな。
願いがかないます!なんでも何度でも!!
そんな説明できるわけがない。
そう思って困り果てていると
「姐さん!!」
と急に後ろから大きな声で声をかけてくる。
ビックリして後ろを振り返ると
ちょっと前にからんできて半殺しにされてた大男がレイに頭を下げて話しかけている。
傷治ったんだね。
滅茶苦茶レイに対してヘコヘコしながらヘラヘラ笑いながら話をしている。
レイはすごい嫌そうな顔をしている。
ミドラは口を開けてポケーとして横で話を聞いている。
まぁいいや、まず地図を買ってそれから話を聞きにいけば・・・。
「地図ください。お金は犯罪で手に入れたものではありませんから。」
お金を払い地図を受け取った。
それからレイの方に歩いていくとレイが小走りで俺の横にくっついてきた。
「あの、そういうのは間に合っていますので!!」
そういうのってどういうの??気になるんだけど。
大男はノソノソ肩を揺らしながら俺の方に歩いてきた。
「姐さんのご主人様ですね!!先ほどは蹴ってしまって申し訳ございませんでした。
先ほど姐さんに話を・・・」
「ちょっと待って、俺蹴られたの??押されたんじゃないの??」
うろたえていると、
「うん、あんたの背中に大きな足跡着いてるよ。」
ミドラが指差して答える。
もしかして街を歩いていたときに振り返ってみていたのはレイの美貌ではなく俺の背中についている足跡だったのか??
俺の一張羅、気合ハンテンになんてことしやがる!(気合ハンテンとは背中に気合と文字が入ったハンテン)
俺は寝たときの着の身着の侭、パジャマにハンテン、スリッパ姿なんだよ!!
寝るときにすら脱がないお気に入りの気合ハンテンに蹴りだと!??
「ちょっと、ミドラ!!叩いて汚れとってよ!!」
おれが肩を落としてミドラの方に背中を向ける。
「清掃魔法!!」
ミドラが魔法を唱える。
すると俺の体がピカッと光ったが何も起こっていないように思っていると
「はい!!キレイになったよ!」
ミドラがポンポンと俺の背中を叩く。
俺はハンテンを脱いでで背中を見ると滅茶苦茶キレイになっている!!
「ミドラ!!その魔法教えてくれ!!」
「あんたレベル低いから使えないよ。も少ししたら教えてあげる。」
そう約束してくれた。これで洗濯する面倒から開放されるかも!!
そんなことを思ってうれしそうにしていると
「あの、話の続きいいですか?」
と大男が困惑した顔で聞いてきた。
大男の話はなにかな??あまり興味ないけど。