式場で
レイは頭をかしげて右手を出す。
「レイ、ゴメン。左手出して。」
なお頭をかしげて俺に左手を出す。
「俺達の世界では恋人や夫婦でこうやって左手の薬指に同じ指輪をするんだ。どんな意味があるかわからないけどね・・・」
そう言いながら俺はレイの左手薬指に指輪を通す。指輪は勝手にレイの指の太さに合わせてサイズを変える。
俺はもうひとつの指輪をレイに渡し、俺の左手薬指に着けるように言う。
レイは涙を流しながら俺につけてくれる。
「俺はキミを愛し続ける。だから君も俺のことに飽きるまで一緒にいてくれ。」
「飽きないよ。愛してる。ずっとずっと・・・。」
泣きまくるレイ。
俺はレイの手を取り式場の一番景色のいいところでレイにキスをする。
「俺はキミの幸せを第一に考えて行動する。もしかしたら違うかもしれない。その時は俺に教えてほしい。どうすればレイが幸せかを・・・。」
「うん、わかった。」
「デュラン。俺の寿命をレイと同じ長さにしてくれ。決してどちらかが先に死ぬことのないように。俺はレイの死を受け入れられない。俺はレイと共に死ぬ。だからその願いを聞いてほしい。」
その言葉に
「私も」
と答えるレイ。
俺達は同じ時間、同じだけ生き続けたい。それだけでいい。後の願いはもう・・・。
指輪が光り、光が俺達を包む。
「神からも祝福を・・・」
どこからか声が聞こえる。神なんてどうでもいい。俺はレイがいればそれでいい。
俺はもう一度レイにキスをする。
涙を流し続けるレイ。
俺はレイをお姫様抱っこして会場を後にする。
俺達のために用意された部屋。そこに俺はレイを寝かせる。
「ゴメン・・・こんな日に処女じゃなくて・・・」
真っ赤な顔で謝罪する。
そこはもういいよ。俺が奪ったんだし・・・。
「気にしてるんだ・・・。」
笑い合う俺達。
俺達2人の長い夜が来る。
そして俺達が眠るまで・・・。