狂戦士
美女達が大喧嘩はじめました。
お母様が変身してこの空間の重力が変わる。
カミーラが潰れている。ラウルは寝転がっている。ダリアが死にかけている。
「私の力はすべての力。重力だってお手の物よ〜。」
軽く言うが俺も潰れて動けない。やっちゃんすら立っていない。
レイとハウンがかろうじて立っている。
「デュラン、急な願いですまない!!俺をお母様と同格の力を倒すまで使えるようにしてくれ!!倒すまでの間だけでいい不死身にもしてくれ!」
「その願い叶えられんこともないが動ける保証がないぞ??」
「構わない。2人が死ぬかもしれない。俺はそれが嫌だ。」
「その願い叶えてやろう。」
外には聞こえない。願いがかなった。その瞬間から・・・
俺の力が数億倍に膨れ上がる。その瞬間に全身から血が噴き出る。体が崩れ始める。体が崩壊していく感覚と激痛が俺を襲う。不死身の作用ですぐに体を構築し始めるが体の維持が出来ない。
「ぎゃ〜〜〜〜〜!!」
俺は叫び続ける。
「え??なに??メグミなんなの?」
「デュラン!俺の体の痛みを感じないようにしてくれ。意識が持たない・・・」
「叶える・・・しかしこのままでは・・・」
痛みが消える。崩壊し続ける体。再構築され続ける体。
俺は血だらけになりながらお母様に突っ込む。
前すら見えないが強い力を感じる方に進めば必ずお母様がいるはず。俺が拳を振るうとお母様が初めて吹っ飛ぶ。
「おぉぉぉ!!これは楽しめそうですね〜。」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「何??メグミどうしたの??」
『レイ殿、今主はあなたのお母様に勝つためにお母様の持つ力と同じものを手にしているお母様を倒さぬ限り死なんが体の崩壊と再構築も止まらない。要するにいつもの死んでリセットが出来ないのだ。主はお母様を仕留めるつもりだ。2人をどうしても殺されたくないそうだ。』
「そ、そんな・・・」
メグミが暴れまわっている。まさに狂戦士。バーサーカーそのものだ。体がいかに傷つこうとも倒れず動い続けて敵を殺す。お母様も攻撃を食らうと傷を負うようだがメグミの消耗のほうがどう見ても激しい。
お母様の攻撃を食らって木っ端微塵になってもすぐ戻る体。これならいつかはお母様を倒せそう。
でも、メグミは元に戻れるの??
「レイ、ハウン、離れろ!!ここから離れろ!!」
メグミがずっとそう言いながら戦っている。目が見えていないんだね・・・。
「ぐぁぁ〜〜〜!!」
お母様に襲いかかるメグミ。こんなことになるなんて・・・。
お母様を捕まえて押さえつけて何度も頭突きを食らわせるメグミの体の崩壊が再構築の速度を上回る。
頭突きが自分のダメージにもなっているようだ。
「レイを、ハウンを殺さないでくれ・・・」
血と涙を流しながら攻撃し続けるメグミ。
お母様がボロボロになっている。
息を切らせるあの人を見るのは初めて・・・。そこまで追い詰められている。
「参りました。私の負けですわ〜。」
その一言でメグミの動きが止まる。
それと同時に崩壊が止まるが再構築も止まる。
「やっちゃん。ハウン、すぐに回復を!メグミが死ぬわ。早く!!」
「デュラン今すぐメグミを回復させてお願い早く・・・」
メグミが目覚めない。死なせてリセットのほうが良かったのかな??
でも死なせたくない!!
光の粒子になり始めるメグミの体。
これはまずい!!
『デュランどうすれば??』
「主の時間だけ戻すぞ!!でないと消滅する。」
メグミの体の時間が戻る。メグミの体が粒子から体を構築し、バーサーカーの状態に戻り、元に戻り始める。
それでも・・・全く目を覚まさない。
「どうしよう・・・。元に戻っているはずなのに・・・。」
私の心配も焦燥も時間とともに激しさを増す。