皇帝陛下の元へ
新たな帝国に到着しました。
やっちゃんを呼んだ理由は真の勇者が乗っている魔物。
移動手段であると証明してもらいたかったんだけどね。
俺と遊んでいる間に開戦しちゃった。
「私のせいみたく言わないでよ。」
船の残骸をかき分けながら俺達は上陸する。
俺達を陸に降ろし、ラウルが人の姿になる。
「貴様達、今すぐ投降しろ!!」
剣を抜いている戦士達。多分軍人だろう。
「あのさ、攻撃するなと言ったのに攻撃してきたのはそっちだよ。まだ殺るの??あんたのレベルを聞くわ。低ければやめておいたほうがいいよ。俺は攻撃してきたら容赦なく殺すって決めているから。」
そう言うと、一人前に出てきて
「この部隊の隊長だ!名はヒマ!貴様たちの言う通り先制攻撃は我々がやった。だが、損害は我々のほうが甚大だ!!その責任はどうする。」
「切りかかっといて、死んだから責任はどうするっていうの?」
俺の問いに真っ赤な顔になって怒っている。
「面倒だから殺そうよ。こいつら。そして皇帝も殺して私達が皇帝になればいいのよ。」
あぁ極端だけどそれいいかも。
「というわけで皆殺しということになるけどお前はその責任を取れるんだな。」
「その言葉、聞き捨てならん!!皇帝陛下を殺す??貴様ら今すぐしけ・・・」
最後まで言わせてあげて!今生の言葉だよ。
ラウルが全員足で捕縛している。
全く動けない戦士達。
「この程度で動けぬゴミが物申すな・・・」
ラウルが自分の顔の前までヒマと名乗る戦士を連れてきて魔物の顔で凄んでいる。
「き、貴様、化物だな!!こんなことをして生きていけると思うなよ・・・」
頑張るヒマ。
「ラウル、そのまま街に言って皇帝の前まで行こうか。自分の愚かさをこいつにわからせるのに丁度いい。俺の仲間に大砲当てたんだから皇帝には死んでわびてもらおう。」
「き、貴様らまた・・・ぐぁぁぁぁぁ」
締めあげるラウル。締められすぎて気を失うヒマと戦士達。
そのまま皇帝の居る街に入る。
物々しい装備の兵隊が街一帯を取り囲んでいる。俺達を捕まえるためだが近づくとラウルの足で蹴散らされる。それの繰り返しで俺達の歩いた後には装備を砕かれた重歩兵が白目で転がっている。
皇帝の居る城の前まで移動できた。
「此処から先は通さん!!」
今までと違い強そうな兵士がいっぱい出てきた。さすが皇帝の城を守るだけのことはある。きっとこの帝国のエリートたちだろう。だが、それでもラウルの攻撃には耐えられず全員薙ぎ払われて壁に激突して動けなくなっている。
「ゴミよ。道を開けろ。恵様が通る。邪魔をすればそろそろ手加減をしないぞ。」
その言葉にジリジリ後ろに下がる兵士たち。
大きな広い空間がある。そこには3人の男女が立っている。
「この帝国最強の戦士、3武連。貴様らをこの場で処刑しろとの命令が出ている。全員でかかってくるか?それともタイマンで勝敗をきめるか今すぐ決めろ。」
「やっかいね。さすがにラウルじゃこの3人はどうにもならないわよ。私と、レイ、ハウンで対処するけどいい?」
うちの最強メンバーだよね。いいんじゃない??
レイとハウン、やっちゃんが前に出る。
「おうおう、男が後ろで女を盾に高みの見物か??笑えるな・・・。」
挑発が来た。俺が出て捕まったら元も子もないんだけどね。
「貴様、メグミを馬鹿にしたな??」
あぁ火が点いた人が居る。レイが爆発しているよ。
「腰抜けに腰抜けと言ったんだよ。売女が調子に乗る・・・」
言い切らせてあげて!!汚い言葉だけど言い切らせてあげて!!
セリフの終わりがけでレイの触手の餌食になっている。名前もわからない男。
「救護班!!」
もうダメでしょ?体ほとんど潰れているもん・・・。
「次はお前だな」
救護班に声をかけていた男の後ろにレイがいる。レイがおもむろに頭を掴みそのまま握りつぶした。
トマトを握るより容易に人の頭を握りつぶすレイ。さすがっす。
最強の戦士と名乗る女が頭の潰れた男の名前らしいものを呼びながら駆け寄る。
「なんだこいつ?最強という割にノコノコ敵に無防備に近づいてきて・・・」
レイが倒れる男を抱きかかえる女の頭に足を乗せそのまま踏み潰した。
ビクンビクンしている女の遺骸・・・。
それを見て回りの兵士たちが全員戦意喪失している。
「そこまでです。蘇生班、今すぐ全員蘇生してください。あなた方は皇帝陛下がお呼びです。中にお入りください。」
「蘇生などさせぬ。この場に居る全員死刑だ。確定事項なんだよ。メグミを馬鹿にした時点で決定しているんだよ。」
全く躊躇なく周りの兵士を叩き潰す触手。俺は止めないでいる。
「ご無礼があったことは謝ります。何卒怒りを沈め皇帝陛下への謁見を・・・」
「いらぬ。皇帝はここで死にメグミが皇帝になる。だから謁見も接見も高みの見物もいらん。貴様らには肉塊になってメグミに詫よ。」
地位の高そうな男の前に言って凄むレイ。座り込んで震える男。
そう言っている間にも兵士は全員死んでいる。蘇生班は近づけず座り込んでいる。
「蘇生できる人ってなかなかいない人材だから殺さないでね。」
レイにものすごく単調に話すやっちゃん。
「はい!!そこまで!!皆楽しかったかな?」
俺はポンと手を叩き、お開きを宣言。
その瞬間に怒り狂っていたレイが俺の横に来る。
『この場で死んだ人を元に戻して』
俺の願いが通り肉塊が人の形に戻る。
それを見て、蘇生班も身分のお高そうなおっさんも震えている。
「ば、ばかな・・・どんな大魔法だ・・・。」
皇帝の居る部屋にどかどか入る俺達。
そこには美しい女性がズラッと並ぶ広い通路があった。
「我はこのマリスタン帝国第28代皇帝マリスタンだ!お前たちの力、誠に素晴らしい。どうだ!我が帝国で働かぬか??」
なんか凄い間が抜けているね。今から殺されるかもって時に。
「いや〜〜君たちの力はヤバイよね!!どうやったらそんなになるの?」
えらいフランクなやつだな。ミューアスの皇帝もフランクだと聞いているけどエライから常識知らないのか??まぁ頭ごなしに威張られるよりいいかな?
「お前を殺してメグミが皇帝になるのにここで働くも何もなかろう?」
レイが大きな声でそう言うと
「あぁ殺すのは勘弁して欲しいもんだね〜。皇帝の座くらいいつでもあげるけどさ〜。」
なんか軽いな。緩いな。レイリーの劣化版みたいな感じ。