いただきます!!
飯屋にたどり着けません!
と困っていたら救いの手が!!
街で偶然声をかけた女性のお店連れていってもらう。
自分のお店を持っているのに他のお店のとんかつ食ったりするんだな。敵状視察みたいなものか?
そう思いながら後ろを付いていくと定食屋さんらしいお店にたどり着いた。
「いらっしゃ~い!!ってお前かい!!」
中年の少し頭の薄いがっしりとした体格のおっさんが、女性に突っ込んでいた。
「あんた!!お客さんも一緒だよ!!だからいらっしゃいでいいんじゃない??」
そういって椅子にかけていたエプロンを付けはじめた。
「じゃあ、何にする??洒落た物はないけど、うちの旦那が作る物はどれもそこそこいけるわよ!」
そういってにこやかに俺たちを店の中に案内してくれた。
「がはは!そこそこって言うのはひどい言われ方だな。」
豪快に笑うおっさん。
「店主さんのおすすめは?」
そうレイが聞くと
「豚の生姜焼き定食はどうだ?みそ汁も付いているし
お嬢さんのような綺麗な人が好きなサラダもいっぱい盛っているぞ!!」
味噌あるんだ。と感心していると
「メグミもそれでいいよね?じゃぁそれ二つお願いします。」
レイはにこやかに注文した。
「よっと!!とんかつ定食いっちょお願いします!ってここどこ??」
ミドラが急に現れる。
「あれ??あーしの言ったとんかつ屋じゃないじゃん。なんで?」
ミドラが急に現れて案内してくれた女性と店主がビックリしている。
「な!なんだ??急に女の子が出てきたぞ??とんかつ定食?
あるけど店違いじゃないのか?それでいいのか?」
おっさんがビックリしながらもそう言うと
「とんかつ気分だからそれでいいよ。ここのお店もおいしいんでしょ?」
とミドラが聞くと
「当たり前よ!!あの有名店の味を越えるために日夜、努力と根性で食べまくったんだからな!!
もう完全なコピーだぞ!!がはははは!!」
と豪快に笑いながら店主が答えた。
おいおい、研究したんじゃなくて店に通ったのかよ。
しかも越えてないじゃん。
とツッコミどころ満載の会話だが多分嘘はないのだろう。
店主の奥さんも笑っている。
「あたしも何度も通ったわよ~。そのせいで5キロも太ったんだから。」
「お前が太ったのは寝転んで菓子ばっか食ってるからだろ!!食ったら運動すりゃそんな腹にはなんないんだよ!!近所じゃ、もう一人できたんですか??って聞かれるんだぞ!」
店主の言葉に、赤い顔をして店主の奥さんがペシペシ店主を叩いている。
仲いいんだな。すごく微笑ましい。そうこうしているうちに3人分の定食が出てきた。
いい匂いだ。
「いただきます!」
黙々と定食を食べる3人。
「ごちそうさまでした!!」
そう俺が言うと、
「あんた旅人かい??以前来た女の子もそんなこと言ってたな。」
どうやら日本人がこの世界にいるようだ。
「最近ですか??」
「いや、結構前だ。暑い季節だったから半年以上前だな。整った顔のお嬢さんだったぞ。
厳つい鎧を着てでっかい大剣を背負っていたな。すごい印象深かった。
装備のわりにすごい物腰の柔らかい丁寧な感じだったぞ。」
店主が言う。
「あぁそうね。その子も食べる前に『いただきます』、食べた後に『ごちそうさま』って、こちらでは使われないお祈りをしていたわ。」
お祈りではなく感謝の気持ちなんだけどな。
「名前は聞きましたか?」
「いや、名前は聞いていないな。そのお祈りを聞いたことがなかったからどこ出身かを聞いたんだよ。そしたら旅人だって。」
店主が教えてくれた。
「そうですか、ありがとうございます。また寄らせてもらいます。とてもおいしかったです。」
俺がお金を払うと
「おう!また来てくれよな!!」
「「まいどあり!!」」
夫婦で送り出してくれた。
さぁ、腹も膨れたし、やることはまだあるけどどうしよう。
覚悟を決めてギルドの前にいこうかな?
飯前の覚悟がしぼんでいるのでもう一度振り絞ろうとしても何か出てこない。一度萎えるとこんなもんかな?
「後のことは宿屋で決めたら?」
それもそうだな。宿屋探してゆっくりするか!!
「じゃぁ宿屋行きますか!!」
意気揚々と歩き出す3人。
「で、宿屋ってどこにあるの?」
レイとミドラに聞くと2人とも首を横に振る。
あぁ、街の地図がいるね。
もしかしてやっぱりギルドに行かんといけないのか??
そう思いながら肩を落とす俺がいた。
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