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願いで手に入れた伴侶が最強  作者: うぉすれや
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海へ出る?

ラウルの姿を知って驚く街の人々。

それを使役している俺の株はうなぎのぼりか?

まぁそう言うのは俺は気にしていないからね〜。

うなぎのぼりよりうなぎの丼のほうがいいのだ。

「あの・・・船・・・どうなったんでしょう??」


俺の横にちょこんと立っている小さい女の子。

えっと、船ってもしかしてラウルが乗っていたやつ??


「ゴメン、ちょっとまってて!」


海に向かってなにか話をしているような素振りを見せるラウル。そうすると岸辺に先ほどラウルの側にいた魔物が姿を現し腕に小さい船を抱えて現れる。


それをゆっくり海面の下ろし、ゆっくり引き返していった。


「ごめんね。一回沈めちゃった。」


ラウルが女の子に謝る。

女の子も船が無事なら大丈夫!!と言って船を漕いで海岸沿いを移動していった。

普通ならさっきの化物が近くに居ると思うとそんなこと出来ないぞ・・・。


「このお嬢ちゃんがあの魔物ですか??いや・・・びっくりです。」


俺もびっくりです。最初あった時はあんなサイズじゃありませんでした。

ギルドのおっさんが俺に呆れたような顔を見せる。


「ね、恵くんのほうが適任でしょ??私じゃ船で近づいてからだからね・・・ヘタすると沈められちゃうわ。」


陸の生き物が海の生き物と海で戦うのは不利以外何物でもない。

ラウルならその不利もない。

俺が適任というよりラウルが適任では?


「だから、恵くんのランク何とかして!!?じゃないとこのクエスト受けれない!!」


何の話??俺のランク??


「はぁ、確かにSランクの依頼をランクのない方に受けていただくわけにはいきませんからね・・・。ちょっと皇帝に伺ってきます・・・。」


足音もなく流れるように走ってどこかに行くおっさん。只者ではない様だ・・・。俺に向かってウィンクするやっちゃん。よくわかりません。


俺達はパニックになっている港町を離れて今、宿屋に居る。

軍が先ほどのラウルの姿を見てしまったようで調査に来たから逃げてきた。

軍人にラウルをよこせとか言われて嫌だったし・・・。ってか、俺の言うこと以外聞かないよこの子。


皆で飯を食っている。今は俺、レイ、やっちゃん、ハウン、ジル。そこにさっきどこかに走っていったおっさんが戻ってきた所。


「今現在何もしていないのでランクをあげるということは出来ませんが一応、弥生様の推薦もあり、仮のSとして依頼を受けていただき、成功すれば晴れてランクをSにします。」


やっちゃんが俺に抱きつく。俺・・・、ランクどうでもいいんだけど。


「ランク上がれば色々便利よ!!帝国お抱えになればお金に一生困らないわよ!!」


お金ですか・・・。


俺はこれからの計画を聞く。

ラウルで海に出る。化物を見つける。話し合うか始末する。帰ってくる。ランクS昇格、皇帝に謁見。


?皇帝に謁見???なんで?


「ランクが上がるときにAまではギルドで済ませるけどS以降は皇帝、もしくは代行者がバッジの授与をするの。多分今回ほどの事件だと皇帝自ら出てきそうね。ここの皇帝はフランクで付き合いやすいわよ。威張っていないから。といっても魔王ほどではないけどね・・・。」


(ここはまだミューアス帝国です。皇帝は病気療養中)


「魔王??そんな大物とお付き合いが??」


ギルドのおっさんが驚くが俺達にとっては身内みたいなもんだよね、レイリーって。

あまり話すとボロが出るのでダンジョン行くのに知り合ったとだけ言っておく。


「魔王はいばっていないのか・・・」


それを復唱してまで覚えて何に使う?


俺達は海に出ることになる。ギルドで依頼を受け、署名、捺印して海へ!!

港には軍人共が溢れかえっている。


「君たちか?先ほどの魔物を使役している者というのは?」


うわ、面倒そうな雰囲気。


「あの化物を使って同士討ちをさせるんだな??」


化物??同士討ち??


「あのさ、俺の仲間であるラウルは化物ではないし使い捨てでもない。大事な友達だ。そういい方するならもうこの依頼受けない。自分らでどうにかしてくれ。」


そう言って俺は依頼書を破り捨てる。知るか!!


「待ってください!!それは困ります。ランクの査定でもあるんです。それを破棄すればランクが下がりますよ!!」


「元からないからいいよ。」


あ!と言う顔をするおっさん。俺が引き返すのを見て軍人共が怒られている。

俺は宿に着く。

ラウルを呼び


「ごめんな。あんなこと言われて引き返して来ちゃった。昔の知り合いに会えるかもしれないのに、機会潰してゴメンな。」


俺が頭を下げると


「ううん。化物っていうのを否定してくれて嬉しかった。使い捨てじゃないって言ってくれて嬉しかった。何より大事な友達って言ってくれて嬉しかった。」


俺のお腹に飛びつく。ギューッとして涙を流している。俺は頭をなでて話を続ける。


「俺はここに居る仲間が大事なんだよ。この世界がどうなろうと知ったことじゃない。俺のだいじなものに酷いことをしたりひどい言い方をする奴は許さない。」


お腹にくっついたラウルをそのままにベッドに転がる。

今はレイもやっちゃんもハウンも居ない。まだ港に居るんだろう。

俺は働く気ゼロである。もうヤバイくらいやる気が出ない。


『コンコン』


ノックの音がするけどレイたちならそのまま入ってくるはずだ。入ってこないということは多分面倒な奴らだろう。

ということで無視する。

俺がうつ伏せで寝転がり、その上にラウルが座って乗っている。俺の髪の毛で游んでいるラウル。

扉が開く音がしてレイ達が入ってきた。


「そういうのが趣味なの??」


どういうの??と思ったがあぁコレね。踏まれたり乗られたりか??嫌いじゃないけど趣味ではない。


「は〜〜〜〜〜〜。で、後ろの連中何??」


でっかい溜息が出る。そして俺は後ろの軍人共に目をやる。


「さきほどの部下の無礼を許してください。彼らにはきちんと責任をとらせますから。」


「責任は海の化物を倒してからにしてね。俺は絶対動かないから。海に出るのにラウルに乗って行くから船も要らない。」


俺はそっぽを向く。ラウルは『わたしで大丈夫、大丈夫〜〜。』といって機嫌が凄くいい。


「そうは言っても、このままだと航海が出来ないから皆困るわよ。商業も工業も成り立たないわ。」


それこそ俺には関係ないでしょ?

レイは凄い無関心。ソファに座ってコーヒー飲んでる。


「あなたが行かないと私に依頼が回ってくるわ。相当な危険を犯して海に出ないといけないの。」


う〜〜〜ん、それは困るな。


「依頼をければいいじゃない。受けなきゃランクダウンもないでしょ?」


そりゃそうだけど・・・と小声で言っているやっちゃん。やっちゃん的には何とかしたいみたい。


「やっちゃんってこの帝国の専属??違うなら受けなくてもいけるでしょ??」


「違うけど、皆困っているじゃない??放置できないわ。さっきの小さな女の子も仕事がないから、いずれ困るようになるのよ。」


俺を困らせにかかっているな・・・。やっちゃんという人質、小さい女の子(顔見知り)という人質。

俺の弱いところを突いて来るね・・・。さすが付き合いが長いだけのことはある・・・。


「じゃぁ、やっちゃんと別行動で。俺は世界樹見たらそのまま北に移動して拠点に帰る!!」


俺は自分の嫌な部分を突かれて動かされるのが嫌い。

だから、もうやっちゃんのパーティーから抜ける。そう告げるとやっちゃんが泣き始める。

あぁもう!!涙で来たね!!それでまた騙されるじゃない?


「泣いても聞かないよ!!」


「じゃぁ、私はやっちゃんに付いて行く。」


あれ??レイがやっちゃんに付いて行くと言い出した。何で??


「私居ないと世界樹いけないでしょ??私はやっちゃんについて言って魔物をどつき回す。」


そうですか・・・。


「じゃぁ、ラウル。行こうか。」


俺はラウルと手を繋いで宿を出る。


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