それぞれの戦闘
ハウンの姿が見えませんが遊んでいるわけではありません。
あまり話さないし、戦闘もしない。そんな感じの立ち位置です。
異常に強いのですが戦闘狂ではありません。
レイより弱く、やっちゃんより強いイメージでお願いします。
「あぁぁぁ!美味しいわ!!と〜〜〜ってもおいしい!」
近くの部屋からちょっとエロい声が聞こえる。
そこにはカミーラが居た。
「ラウルの服が汚れていますわ。どんなはしたない食べ方をしたの??」
その言葉にラウルが半泣きになっている。
俺がラウルの頭をなでて慰める。
「ラウルは俺を守ってこの姿なんだ。」
俺の言葉に涙を浮かべるラウル。俺に抱きついて喜んでいるけど俺の服に血がついています。
「清掃魔法」
綺麗になるラウル。上機嫌になって俺に抱っこされている。可愛いね。
「カミーラは何が美味しかったの??」
「ここ付近に結構な数居たのよ。全部飲み込んでやったわ〜。」
スライムの戻ってすべての空間を埋め尽くして消化したそうだ。数は不明。怖すぎる。
「ラウルはどうやって食べるの??クジラの口??」
カミーラの素朴な疑問にジルが青ざめる。思い出したようだ。
「誰かに話したら・・・」
ラウルが俺に抱っこされたまま、口に人差し指を当ててジルに脅しをかける。ジルはコクコク頷くだけ。
この中ではジルが圧倒的に弱いからね。仕方ない。
「はぁ〜〜見つからないわね。どこにいるのかしら・・・。」
やっちゃんが俺達のいる部屋の前を通り過ぎる。
何を探しているのやら・・・。
俺達は結構な数の魔物を始末する。
それでもまだ親分が出てこない。どこに隠れているんだろう?
屋敷も半分制覇して俺達が集まる。
レイもまだ見つけていないそうだ。レイの場合は危険視されすぎて誰も相手してくれないんだろう。
俺も戦闘でレイの相手だけはゴメンだな。
個別撃破も飽きてきた。なんか手っ取り早い方法ない??
俺の提案にラウルが手をあげる。
「私の脚ですべての屋敷の部屋を探しましょうか?」
マジで??結構まだあるよ。広すぎない?
そんな質問もなんのその。何百という足が出てくる。これは流石にヒクな。
ぞろぞろぞろぞろ足が伸びて屋敷を埋め尽くす。
「結構な数捕まえました。どうしますか??」
連れてきて。と言う俺の指示に従ってラウルが脚を体の中に収容していく。
そうして幾つか残った脚に1本に1人捕まえているという感じで部屋にぶら下がっている。
「貴様ら・・・何モンだ!!」
その中の女が俺達に声をかけてきた。こいつが親玉かな?爺じゃないの??
俺達を連れて入った男もいる。
「ここはどういう屋敷ですか?」
俺の質問に答えるつもりのないぶら下がった男女。
「恵様の言うことを無視するなんて・・・」
脚に力を込めるラウル。悲鳴をあげる男女。数名そのまま潰れた。
「ごめんなさい。ちょっと力加減しにくいの。この体じゃ小さすぎて・・。」
ラウルがくすくす笑っている。絶対嘘だ。わざと握りつぶしている。
「私達は太古よりここに住むバンパイヤ。この森を通る人族に声を掛けむさぼり食っていただけだ。」
「私も大海原で通る船たちを襲って人をむさぼり食っていただけの魔物だ。」
ラウルの顔つきが変わる。可愛らしい顔から魔物の顔になる。目が真っ黒で口にはギザギザの歯が並んでいる。
「塵風情が恵様の旅の邪魔をして安らかな死が訪れると思うなよ。」
ラウルが凄むと魔物たちが震え始める。格の違いにビビり始めたようだ。
「私達をどうするつもりだ??まさか、喰うとかじゃないよな?」
女がラウルに聞いているがラウルは無視をする。そうしてその女の横にいたここに案内した正装した男をいとも簡単に握りつぶした。
「あはははははははははは、凄い楽しい。弱いものを甚振るのって凄い気持ちがいいよな!!貴様らもわかるだろう??今までそうしてきたのだからな!!」
ラウルの邪悪な顔にジルが腰を抜かす。あんた、味方だから大丈夫だって。
ここの主だろう女が震えながら俺達に提案してきた。
「ここは全てあなた達に譲ります。だから命だけは助けてください。」
やっちゃんの顔が凄い悪い人の顔だ。守銭奴やっちゃん現るってかんじだな。
「ここのものを全部くれるのね??じゃぁ頂戴!!」
「ここのすべてか・・・じゃぁお前たちの命もだな。」
レイの一言に顔面蒼白の女達。男の魔物はここにはもう居ない。
「お前ら生かしておくと人に迷惑かかるだろ?だから仕方ないんだよ。駆逐するのは・・・。」
俺の残念な顔を見て女は付け加える。
「絶対に人は襲わない!!頼む。いや、頼みます!助けてください。」
「襲わない保証がないんだよね。始末すれば絶対の保証がある。」
でも誰に食べさせよう。カミーラ?ラウル??人型はさすがに俺は食えない。
「食べたい人〜〜?」
はいはいは〜〜いい!!と手をあげる2人。
じゃぁ半分ずつ喧嘩しないようにね!!
「まって、待ってください!!本当に襲いません。お願いです!殺さないでください!!」
「そんなお願いをしてきた人を食ってきたんでしょ?そういうもんだと思って諦めたら??」
「そ、そんな・・・。」
「おまえ、レベル幾つだ?役に立つ強さなら生かしておいてやってもいいぞ。」
「402です。」
「塵。」
一言で切って捨てるレイ。ひどいやつだ。わかってるくせに。
その一言でどんどん食われていくバンパイヤ達。
その様子を見て最後に食われる番が回ってきた女のバンパイヤ親分。
涙をためながら震えている。ボリボリ食べられる仲間を見てどんな気分だろうな。
ちなみに俺はラウルが食事中、ずっと目を瞑っている。ラウルがどうしても見られたくないんだとか。乙女心ですね。可愛いと思うけど音が聞こえるのよ・・・。結構見てみたい気もするがジルの顔を見るとちょっと見なくて助かった感じもする。複雑なんだよ、男の子も。
「何でもします・・・助けてください。」
小声で何度もいう。何度も何度も。ちょっとかわいそう。
「俺の従魔になるか?」
その一言に晴れやかな顔を見せる女。
「是非!!お願いします!!主様!!」
「こんなゴミ拾って何になるの?」
レイはゴミゴミ言い過ぎ。
いや、ちょっとあの耳が可愛いなと思って・・・。
獣人の耳が付いている。触りたくなる感じがいい。それと・・・人の耳の部分ってどうなっているの??
その疑問を解決したいんだな〜。