ラウルのお食事
ラウルの食事はグロテスクです。
想像としては口が大きく裂けて、多くの牙でバリバリ噛んで食べるイメージと足にある吸盤に生えた突起で削り取りながら食べるイメージです。小さいドリルで刻みながらと申しましょうか・・・。
「で、この魔物何??」
俺の素朴すぎる疑問。こいつら何の魔物?
「魔物は魔物でもきっと獣人が魔物になったやつだと思うわ。」
獣人って魔物になるの??
俺の疑問にやっちゃんが説明してくれる。
ウィルス性の病気で魔物になることがあるんだとか。
有名ドコロでヴァンパイアとか。
ふ〜〜ん。
俺たちに伝染らないの?
「そうだ!!それだ!!恵くんはダメでしょ?伝染るわよ!!」
「デュラン、ここにいるもの全部に病気なら無いようにして。」
「その願い叶えてやろう」
「コレでいいよね。」
ウィンクする俺に抱きつくレイ。胸サワサワするのはダメです。
ドサクサに紛れて胸を触るレイ。この人最近エロオヤジレベルです。
やっちゃんも触りに来た・・・。収集がつかないなコレ。
「じゃぁ、皆別れてそれぞれ撃破してください。カミーラは食いまくってもいいですがお腹壊さないように!ラウラはサイズが操れるなら元の姿もいいです。やっちゃんが怒るのでフルサイズは禁止!!」
「フルサイズ見たくない?」
レイがワクワクしていう・・・俺もちょっと見たい気もする・・・空母飲み込むサイズでしょ??デカすぎだろ・・・。
「あの程度の魔物、この姿で十分です。」
触手をわらわらわと出すラウル。小さいレイみたいだな。
「ラウルも魔物を食ったりしたいの??」
「え、ええ。お腹すいているので食べてもいいかな?と思っています。」
「普段は食べてたの??」
「あ、はい・・・普通に食べます。海洋にいる魔物は基本でっかいので食べ応えがありますよ」
笑顔で俺に言うラウル。今の姿から想像したくないですね。
「あと、聞きたいんだけど・・・どこから食べるの??人の口?クジラの口?」
「私・・・口が3つあるので全て食べます。サイズとか柔らかさとか、いろいろ考えて使い分けています。」
う〜〜〜ん、考えたくない。人の口で上品に食っているなら許せるけど・・・ね。
そんな質問攻めをよそにレイ達はもうこの部屋から出て行っていた。遠くで悲鳴が聞こえる・・・。
可哀相な遭遇者。
俺の目の前には・・・妖艶な魔物(女)がいる。俺を誘っている・・・。食われる前に食ってやる!!というわけには行かない。そう思っているとタコの足のようなものが魔物をグルグル巻にする。
魔物の女は逃げようとするが全く動けない。握りつぶしたように赤い血が全身から吹き出る・・・スプラッター。
肉片になるがどう見てもさっきのサイズに比べて肉が少ない。
「あの・・・口が3つっていうのは私のイカの脚には吸盤全部に口が付いているの・・・。」
説明してくれるが考えただけでぶっ倒れそうだ。削り食ったってことだよね・・・。
あんまり想像しないでおこう。
ラウルは俺が心配で引き返してきたらしい。俺が心配ってどれだけ可愛いんだ・・・。
「恵様、今から少し清掃いたします。目を瞑っててくださいますか?」
俺は素直に目を瞑る。
周りから悲鳴が聞こえる・・・。恐る恐る目を開けると・・・
ラウルが大量の脚で何人のも魔物を捕まえている。脚の数が半端ない・・・イカだから10本じゃないの??
聞いてみるとありとあらゆる隙間に入る脚なんだとか。そこから監視したり隠れていた魔物を捕まえたらいい。俺の考えていたこととはちょっと違う回答が返ってきているな。脚の数が気になるんだよ、今の俺は。
「恵様。目を開けないで!!はしたない姿を見られたくありません。」
あぁ、ごめんね。レディーの食事姿を盗み見ようとして。
バリバリボリボリすごい音が響き渡る部屋。悲鳴が聞こえる部屋。きっと凄い阿鼻叫喚図が俺に横にあるんだろうな。
「恵様、ありがとうございます。はしたない姿を気兼ねなくお見せできる日を楽しみにしています。」
にこやかな顔だけど口の周り・・・血で真っ赤だよ!!この屋敷のホラー感を楽しみたかったけど俺の味方が一番ホラーだった。
周りから魔物の気配が消えていく。きっとラウルの姿を見て勝てないと思ったんだろう。
「恵様、いきましょう。」
ラウルは俺と手を繋ぎ歩く。小さい子を連れているような気分だが口からスカートの裾まで血でベトベトだ。周りから見たら食われる前の被害者にしか見えないだろう。
廊下を歩いていると扉を破壊してジルが飛び出てきた。
「おぉ!!ご主人様とラウル殿ではないか!ここは一旦退いたほうがいい。手強いのが3人もいる。連携して攻撃できない。」
俺に少し目をやって扉に向かって構えるジル。出てきた男3人組が俺達を見て鼻で笑う。
「フン!これで1人1匹当たる計算になるな。喧嘩せずにすみそ・・・」
話が終わる前にラウルが脚で3人共捕まえる。
ラウルが俺に目でなにか言ってくる。あぁ、目を瞑るんだね。
「ご主人様、敵前で目を瞑るなど何を・・・ゲ!」
ボリボリバリバリ咀嚼している音が廊下に響く。
男たちが何かを喚いているが耳に入らない。どう聞いても命乞いのようだが・・・。
静寂に包まれたので目をゆっくり開けるとそこには座り込んでガタガタ震えるジルが居た。顔面蒼白とはこのことだろう。きっと見ちゃったんだね、お食事姿を。