移動しませう。
旅行はウキウキしますね。
よっこいしょ!
レイを下ろして俺は布団に転がる。
レイがやっちゃんに手で来い来いしている。
やっちゃんは『仕方ないわね〜』と言いながらレイの横に座る。
レイがやっちゃんの耳元でなにかヒソヒソ言っている。
レイをびっくりした顔で見るやっちゃん。
申し訳無さそうなレイ。もしかして話したのか・・・自ら。
「ちょっと!!何やってんのよ!!そんなのズルいじゃない!!何??二人っきりにしたらそんなことするの??」
あぁ、やっぱり自分で暴露したんだ。
「だって、触ってみるか?とか聞くんだもん・・・。」
頬を膨らまして不貞腐れているレイ。
「うっそ〜〜〜っていったでしょ!!?」
俺も言い訳ぐらいしてやる。俺だって自分が可愛いんだ。
「じゃぁ今夜は私の番ね・・・ふふふふふ」
凄い厭らしい顔で俺を見るやっちゃん。また弄ばれるのね・・・。俺の意識のないところで。
やっちゃんとレイが2人でエロい話で盛り上がっている。
俺には聞こえない声でえ〜〜とかキャ〜〜とか言っている。
気になって仕方ない。
真っ赤な顔で話をしている2人。
「レイはそういうのなんで学んだの??」
と言う俺の問に
「エッチなサイト」
という。高校生が繋げちゃダメなところだね。君は未成年じゃないけど身分は高校生で一応あっちの世界では未成年だからね・・・。
「皆見ているよ。大丈夫。」
そう言う問題ではない。
私も見てるから大丈夫っていうやっちゃん。あんたもかい!!
声を大にして言います。
「高校生はダメです!!未成年はダメです!!」
さて、俺は南に言って世界樹小を見たい。
だからそこに行く方法をやっちゃんに聞く。
鎖国みたいなもんだとレイが言っていたし・・・。
「今は大丈夫よ。この世界屈指のメカ大国になっているわ。昔は自然がいっぱいの樹木崇拝主義だったらしいけど。」
レイの情報が古すぎたんだね。
それにしても自然からメカにシフトするなんて凄いな。
何を考えてシフトしたんだろうね?
「あと、凄いカジノとかやっているからアホみたいにギャンブルにはまらないように!」
やっちゃんがすっごい悪い顔をして言う。
もしかして不正やってた?
「向かうにあたって注意点が幾つか・・・」
やっちゃんが言うにはその国というより帝国にはやってはいけないことが幾つかあるらしい。
1,皇帝を侮辱してはならない。これはどこにいてもだそうで聞かれるとまず密告されるらしい。
2,豚を食ってはいけない。豚と言っても地球の豚とは違い凄いでっかい豚。悪魔の乗り物として畏怖されているからだとか。
3,人前で女性に触れてはいけない。手をつなぐのすらアウト。万が一やってしまうと拘留される。
4,剣を抜いてはいけない。剣を抜くと殺し合いの開始。どちらかが死ぬまで戦う羽目になる。
5,貴族が道を通るときには頭をあげてはいけない。身分にうるさいらしく庶民が貴族と同じ高さに頭を持ってきてはいけないらしい。大名行列みたいなもんか?
カジノにも貴族がいるので注意が必要。
ということで俺達は南に向かう。もうA国には飽きた。ぶっちゃけ面白みが全くない。
ジルに声をかけ移動を開始する。
観月たちはここに残って仕事をするそうだ。ここでお別れだね!!
「ではまず南にある港町ミズールに向かいます。そこにもファンクラブができているので姐さんはむやみに顔を出さないように。」
それは全部ジルのせいでしょ!とバシバシ肩をたたいている。凄い幸せそうな顔のジル・・・。ここにも変態さんがいらっしゃいました。
俺達は馬車に揺られ移動する。
「で、何時間くらいかかるの?」
「え?時間??何日って言ってよ。」
またですか!!何日も移動するんですか!!
「あぁ!!私のターンがこないじゃない!!」
そうですね・・・。そこは死活問題ですね。やっちゃんの悔しそうな顔が凄い。