2本目の世界樹。
世界樹が見たい!!でも俺が弱い!そんな中での嬉しい提案です。
俺は落ち込んでいる。
自分が弱いということは重々承知している。もう仕方ない。コレばかりは・・・。
簡単に強くなるならあんな苦労はなかっただろう。
「ねぇ、まだ機嫌治ってないの?」
やっちゃんが俺に聞く。機嫌が悪いんじゃない、落ち込んでいるだけ・・・。
世界樹見たかったな〜〜。
「そんなに世界樹みたいならもう1本の方に行ってみれば?そっちなら今のままでも何とかなるんじゃない?」
どういうこと?
やっちゃんの説明ではあっちの世界には北に1本、南に1本あるらしい。
北の方は魔族領にあり魔物も非常に強力なものがいるんだとか。
天下の魔族領・・・魔物も凄いらしい。
最低でもレベルが800はないと5合目も無理だとか。
そのあたりまで行けば花びらが確認できるらしい。
ジュエルは天辺にいるって言ってたよね。ということは・・・凄い強いってこと??
「頂上はさすがに私も無理よ。多分、8合目くらいからきつくなっていくと思うわ。自分の命を守るのに精一杯ってやつ。」
レイは?
「私は頂上までいったことあるよ。軍の訓練の一環で果実を取るっていうのがあってノルマもこなして暇だから登ってみたの。」
暇つぶしに登るんだ・・・。あんたやっぱり凄いよ。
「で、南にも世界樹があるの。そこは富士山ほどの大きさはないけどそこそこ大きいわよ。見に行くとしたらそっちね。どうする??」
二つ返事で見に行くと行っちゃった!!
いや〜!!たのしみ!!足取りも軽やかになってきたわ!!
ウキウキ気分で家に帰る俺。
やっちゃんと別れて
「たっだいま〜〜〜〜!!」
俺はハイテンションで玄関で挨拶。
「おやおや、どうしたの??機嫌がいいわね。何かあったの??」
お母さんが出てくる。
「いや、こっちの話。」
ニコニコしながら二階に上がる俺と、普通のレイ。
「あのさ、メグミ・・・」
ん??何??そのテンション。
「どうしたの??南に行くの嫌なの??」
「そう言うんじゃないんだけどね・・・。あっちの世界の南の国々には人とも魔族とも中の悪い種族がいるのよ。」
「仲悪いってどれくらい??嫌い合ってる程度??」
「ううん。そんなレベルじゃないよ。もう、見つけたらすぐ拘束。ヘタするとすぐ死刑みたいなくらいかな?」
結構なレベルだな。
「じゃぁいけないってこと??」
俺の悲しそうな顔を見て
「いやいや、そんな顔しないで!いざとなれば皆殺しにすればいいだけだから!!」
それはちょっと嫌だな。皆殺しにしないといけないほどトラブルが起きるんなら諦めたほうがいいかな・・・。
半ベソの俺を見てレイが俺を抱きしめる。
「大丈夫。私がいるもん。いざとなったらそこの王でも攫って連れて行けばいいんだから。」
それ、国際問題だね。レイちゃんは過激すぎてちょっと怖い。
「レイは行ったことあるの??」
あるっという。一度先代魔王と南の国の先代王が会合を開いたらしい。
その時に護衛としてついていったんだとか。
「ほぼ鎖国と言っていいほど他のものを入国させない国なの。密入国の上、街にも顔を隠して入らないといけないのよ。ノートによる検問とかはないけどね。他国の人が来ないから調べる必要もないんだと思うわ。ただ、ずっと前の話だから・・・もしかしたら変わっているかも。」
最近入ったことがないらしい。やっちゃんの口ぶりだと行ったことあるのかな??
そんな話をしていると下から美久がご飯が出来たと俺達を呼ぶ。
いただきます。
夕食を美味しくいただき、ごちそうさま。
父親は今日は残業だそうだ。
風呂に入る。
「ふぇ〜」
強炭酸の泡が俺の疲れた心を癒してくれる。最後に浮いてバラバラになりながら発泡していく姿を見るとちょっと切なくなる。
バン!!
急に扉が開く。
「お兄ちゃん!!お風呂長い!!一緒に入っちゃうからね!!」
美久がいきなり乱入してきた。最近何故か一緒に入りたがる。
君はそろそろいい歳なんだからお兄ちゃんとお風呂はおかしいと思うよ。
美久は次の夏に12歳になる。毛が生えてきてもおかしくない歳だし、初潮なんかもきていると思う。
その歳で兄とお風呂はいただけない・・・。
「なぁ美久。俺と風呂入って恥ずかしいとかないのか??」
ストレートに聞いてみると、何で??と返ってきた。
う〜〜ん、そんなもんなのか?
「ねぇ、お兄ちゃん知ってる。レイ姉ちゃん、毛が生えていないんだよ〜。」
俺が無反応でいると
「やっぱり知ってた・・・。」
すっごい小声。しまった!!びっくりするべきだった!!
もうごまかせないのでそれ以上話が出来ないように俺は頭を洗うために湯船から出る。
美久と交代して頭にシャンプーを付けて泡立てる。
なんか凄い視線を感じる・・・。片目で美久の方を見ると・・・美久は俺の股間を真っ赤な顔でずっと見ていた。注意も出来ない・・・。
頭を流し、体を洗ってもう一度浸かりたいが美久のこともあるので俺はそのまま風呂を出る。
「はぁ、どうしたもんかな・・・?」
そう思いながら二階に上がる。レイが俺の部屋のベッドで寝転がりながら漫画を見ている。
「美久ちゃんはメグミのことが好きなんだよ。」
薄々気づいていたけどそういわれるとなんか凄く困る。
妹は妹。そんな目で見ることが俺には出来ない。
「お相手してあげても私は怒らないよ。」
「なんの!??」
俺の困った顔を見て笑うレイ。からかわれたのかな?まぁいいや。
俺もベッドの上に転がる。レイとの距離はほぼない・・・。
「私はメグミを好きで居てくれる人に嫌な気持ちは抱かないよ。」
そう言いながら俺にキスをしてくれた。
最近仲間になる女性に対してアタリがキツくないのはそう思っているからなんだね。
「そろそろ寝ようか?」
「うん、そ・の・ま・え・に!」
「俺のん触ってみる??」
俺のいきなりの質問に真っ赤になりながら凄い速度で頷く。
「うっそ〜〜〜」
そう言うとバシバシ叩いてきた。すごい期待してたみたい。
「股間はダメだけど胸ならいいよ。」
ワケのわからないことを言ってみると後ろからずっと優しく触り続けてくる。
よくわからないが凄い息が荒い・・・。ちょっと後ろに変質者がいる感じ。
「はふ〜〜はふ〜〜」
ものすごい息遣いでずっと触り続けるレイ・・・。なんか変なスイッチ入っちゃったみたい。
耳元の唇を持ってきて・・・
「睡眠魔法」
こいつ・・・魔法使いやが・・・た・・・。