世界樹
世界樹・・・気になる・・・。でかい木・・・
ジャイアントセコイヤみたいなもんか??
バオバブみたいなもんか??
屋久杉みたいなもんか??
もう心踊る俺。それを見て、おかしくなっちゃったみたいな顔をするやっちゃん。
「俺、その世界樹が気になる!!俺の喜ぶ情報そう!!」
狂喜乱舞していると女がヘラヘラ笑いながら
「そうでしょ??そうでしょ??喜んでくれますか!!??嬉しいです!!」
「世界樹ってただの桜だよ」
やっちゃんの一言で俺が落ち込む・・・。桜か・・・好きだよ。滅茶苦茶好き。春に咲いてぱっと散る。
そんな儚さが好き。辺り一面薄い桃色に染める花びらが可憐。
桜大好き!!でも、この喜んだ気持ちには要らない情報だよ。でっかい桜・・・。どうせそんなにでっかくないんでしょ??桜の大きなものって言ってもそんなに大きくないもんね。テレビとかでしか見たことないけどそれでもバオバブとかに比べると小さいよね。
俺の落胆ぶりを見てレイがちょっと付け加える。
「世界樹はね。この世界の桜に似ているけど厳密には木ですらないの。大きな複数の生物が集まってできた集合体。本体は桜みたいな植物だから季節が来ると花を咲かせるんだけどそれを見るためにはある程度のレベルが必要なの。なんせ近付けないから。遠くからでもわかるけどやっぱり見るなら木に接してみるのが一番いいかな??」
「大きいの??」
「大きいってもんじゃないわ。見た目じゃ富士山を優に超えるサイズがあるわよ。見たいの??もしかして。」
見たいに決まっている!!もうすぐ桜の季節。それを思うだけで心がウキウキするのに、それの富士山サイズ??見るしかないでしょ?
「見たい!!見たい!!見た〜〜〜〜い!!」
俺の態度に驚く3人。カミーラは涎を流しながら神々に食いつきそうな雰囲気を出しながら命令を待っている。
神々の女は俺の喜ぶ姿を見て震えなくなった。こいつもしかして生きて帰れると思っているのか??
「というわけで次の行き先は魔族領、世界樹です。いいですか〜〜?」
「恵くん、レベル低すぎ。無理。」
やっちゃんの一言で俺は泣き崩れた。
俺、レベル上げます・・・。
「というわけでカミーラ。こいつら食っていいよ。」
俺が命令すると喜んで男を加えて飲み込んだ。人が人を丸呑みにする姿・・・。想像する斜め上を行くグロさ・・・。
「ちょ、待って、私、喜ばせたわよ!!なんで??約束が違うじゃない!!」
俺はそんな約束したっけ?俺は喜ばせることを言えば痛い思いをしなくて済むと言っただけ。
「俺の約束、ちゃんと思い出して。生かして返すなんて言ってないよ。何で敵認定してるやつを生かしておかなくちゃいけないの?あんた、生きてここから出たらジュエルに報告に行くだろ?準備させず後ろから首を切り落とそうとか思っている俺にしたらあんたを生かして返していいこと全くない。」
「なにをいっているの??私は任務失敗しているのよ。あの人の前に出れるわけないじゃない!!どんな酷たらしい死を迎えるか・・・。考えただけで・・・」
うぁ!!吐きやがった。相当ひどいことされるんだな・・・。なんか気の毒。
「ハウン、こいつどうする?」
ハウンは悩んでいる。
「カミーラに食わせるとカミーラが強くなるよ。それって俺たちにすごいメリットがある。でもこいつを生かしていても何のメリットもない。デメリットは思いつくけど。」
「ねぇ、あなた、幾つ??」
「200位です・・・。」
200歳か・・・神々としては若い方なの??人ならもうミイラだな・・・。
「生まれたてね・・・。どうしようかしら?」
「どうやって生まれるの??いっぱいいるの??神々って」
「いっぱいいるわよ。死んでもすぐに作られるし。生む奴がいるのよ。絵を書くみたいに簡単に。」
うわ!!神々の存在凄い軽くなった。絵に描いたみたいに生み出されるんだ。出産じゃないんだ・・・。
容易すぎてびっくりした。
「といっても、作ると力の一部を与えないといけないから無限とは行かないけどね。作ったものが死ねば力が戻ってくる。それを使ってまた造るっていうのが主なやり方。ただ、食われるとダメみたいよ。さっきみたいに。」
カミーラに食わせれば復活できない。まさに一石二鳥。これは食わせるしかないな!!
「というわけで喰うの決定!!」
その一言に女は喚き散らす。カミーラに両肩を掴まれ
「諦めろ」
とだけカミーラに言われて口に入れられた。モグモグしながら体の中に入れるカミーラ。
美しい外見だけに凄いショッキングな映像だ。
「俺、レベル上げます。」
そう言って空間を解除する。俺達のいる世界がまた動き出す。
周りの人は2人減っていることに気づかない。野次馬なんてそんなもんだよね。