オヤジは面倒だ
登場人物おさらい
吉永恵、俺。一応主人公らしい人物。
レイ、この物語のヒロイン。魔族ですごい美しい女性。頭もいいがちょっとぬけている。
デュラン、ランプの魔人。願いを叶えてくれる。すごい怠慢な性格の様だ。
ミドラ、デュランの娘。ペチャパイだが博識。歴史が大好き。歌も歌える。
ミドラはビィ~ビィ~泣きまくっている。
近くを通る人々は何事か??と言うような目でミドラを見ながら通りすぎていく。
何か恥ずかしいな。
こうなったらレイに『切らない』と約束してもらおう。
「レイ的にはどうなの??ちょっとバカにされたくらいで『ぶっ殺す!』とかなっちゃうタイプ?」
そう聞くと
「ちょっとバカにされた位じゃ切ったりしません。でも、出会ってすぐにされたのは『ちょっと馬鹿にされた位』と言うものではなかったので切ってもいいかな?とは思っています。」
レイはにっこり笑いながらそう答える。
それが聞こえたのか泣いていたミドラが
「ひぃぃぃぃぃ」
と声をあげているのが聞こえた。
ちょっと怖い。マジなのか冗談なのか、顔が綺麗過ぎて分からない。
「ふふふ、冗談よ。言ったでしょ??先代魔王様のお言葉、『強き力を無闇に振るうのは獣のすることだ!』ってね。」
お腹を抑えて声を殺して笑っている。
ちょっとやり返せてすっきりしたのかな??それならいいけど。
「先に進まないからさ、ミドラと約束してほしいんだ。このことでは切ったりしないって。」
そう言うとレイは敬礼のような格好をして
「了解しました!!」
とかわいく笑ってミドラの方に走っていった。
すると走ってくるレイの姿を見てミドラはダッシュして逃げていった。
あれ??後半聞いていなかったのか??
俺も慌ててすぐに追っかけたが、あっという間にミドラの姿が見えなくなった。
レイが立ち止まっていたので近くにいくと
「嫌われちゃったみたい。怖がられちゃったみたい。」
と泣きそうになっている。
何かややこしいことになっているな。
「大丈夫!!泣きそうな顔もかわいいよ。」
場を和ませようとすると
「何をイチャイチャしておる。我の娘が怖がって連絡してきたではないか?」
呼んでもいないのにデュランがランプから出てきた。
呼んでも出てこないのになぜ出てくる。
そう思っていたら口に出ていた。
「お主、娘がおらんから分からないのであろう!
娘が困っているなら助けたいと思うのが父親なのだぞ。
娘をいじめた奴はこやつか!!レイとか言ったな!!
尋常に勝負じゃ!!表に出よ!!」
何かマジで面倒くさい方向に流れているんだけど。
そう思っていると
「お主!!止めぬか!!仲間内で喧嘩はよせとか言って止めぬか!!
我は実体化しておるのだぞ!!殺されるであろう!!こんな化物に勝てるわけなかろう!!
ちょっと恰好つけただけじゃ!止めてくれねばエラいことになるであろう!!
あぁぁ、もう使えんヤツだな!!ぶっちゃけるぞ!
我は最強の『ランプの魔人』であって全種族の中で最強という訳ではないんじゃ。
わかったか!!レイには勝てん。すぐに止めよ!!」
マジで面倒臭いな。一回切られればいいのに。
ってか、実体なかったからレイがブチ切れたときも平気な顔してただけ、勝てる見込みなかったんだな。尊大な態度だけの弱小チキンか?
「お主よりは強いぞ。」
ぐっ、コ、コイツもしかして心を読んでいるのか??
そう思ってしまうほどいいタイミングで台詞を吐きやがる。
「で、どうする?ミドラいなくなっちゃったぞ。この街結構広いから見つけるの大変だぞ。」
そういうと
「何を言っておる?お主が願えばいいのだ。『ミドラをここに連れてきてくれ』とな。」
願い叶えますの大バーゲンだな。
有り難味も糞もない。
回数制限のない願いなんて本当にダメだな。
心の底からそう感じつつ
「ミドラをここに捕まえて連れてきてくれ。」
そういうと
「その願いかなえてやろう!」
その行ちゃんとやるんだね。
光とともに魔方陣らしき物が現れ
そこにはロープでぐるぐる巻にされたミドラらしき人物が現れた。
「お主なぜ願いに『捕まえて』を入れた。」
そう言って慌ててロープを解くデュランがいた。
おもしろい、その後が気になるなどありましたら評価お願いします。
私のモチベーションにつながってきますからコメントもあればうれしいです。