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願いで手に入れた伴侶が最強  作者: うぉすれや
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幾千年前4

昔話の最後です。

彼と別れて・・・。

彼の話を聞いて私は考える・・・。

深く深く考える・・・。

もうかれこれ1000年はやっていない思考を働かせる行為。

答えは・・・


「私は自分の光を支えに行こうと思う。」


私は最古の神々でもある友にその話をした。


「何を馬鹿なことを言っている??虫けらの支え??おかしくなったのか??この千年の時を森で過ごし頭がおかしくなったのか?」


友は言う。


「お前を狂わす男を今から始末する!!そうすればお前も目を覚まそう!!」


怒り狂う友。彼を始末するという言葉に私は激高してしまう。

私の光を奪う?私の羨望を奪う?私のすべてを奪うのか??

その瞬間怒りのあまりに友を殺しかけていた。

顔を押さえ、のた打ち回る私の友を置き、私は彼の元へ飛んでいった。


戦いはもう始まっていた。

神々と戦う魔族と呼ばれる神々に逆らいし愚かなる人。

魔の名を付けられ蔑まれ続けた魔族の男たち。

その中で一際力強い若者を見つける。

圧倒的な魔力で襲いかかる神々を蹴散らす男。

私は彼のもとに飛んでいく。

彼は私を見てこういった。


「あなたと戦う日が来るとは思いませんでした。私にとってあなたは・・・」


そう言いながら私に手をかざす男。泣きながら彼は私に魔法を放とうとした。

その瞬間、時が止まる。


「私を産みし母同然のあなたに手をあげることは私が許さない。私の与えた力で我が母を傷つけるな!」


魔法を与えた男が止まった時の中でそう言う。

魔法は使えない。時のない世界では発動しないのだ。


「さぁ話し合うのです。私にできるのは場を設けることだけ・・・」


その男は消えていなくなった。

私は彼に感謝し、魔族の男に話しかける。


「私は生まれ持って強大な力を持っていた。子供の頃もない。大人になるまでの過程もない。生まれ持って完成されたものだったわ。そうして長い時を生きこの世界に飽き飽きしていたの。もう死んでしまいそうなくらいの退屈。そんな中であなたを見つけた。あなたは光り輝いていたわ。弱くても、才能がなくても、あなたはひたむきに自分を信じ自分を磨き続けた。」


私は涙を流しながら彼に話し続けた。


「あなたが好き。でも私は神々の一員。あなた達にとって悪であり敵なの。それでもあなたのそばに居たいと思った。居続けたいと。あなたと一緒にいることが私のこの世界の全てだった。だから神々をやめる。あなたに付いて行く。どんな苦しい時も支えたい!この支配をたち切ってあなたと一緒にずっと居たい。」


私は彼に抱きついた。彼は私をゆっくりと抱きしめてくれた。


「私もあなたに惹かれていました。でもあなたは歳もとらない、私が強くなればなるほど。底が見えないほど強い力を持っている。そのうちこの人は神々で、しかも上位の神々だと気づきました。でも気持ちを押さえることが出来なかった。できるのは今からあなたに敵対して戦争になること。それを知らせ、殺してもらうことでした。」


彼は泣きながら私にそういった。



時間は動き出す。


「これであなたへの恩は返せましたか?」


優しそうに笑う神々の男。


「あなたが私にくれた魔法の恩寵は私が守り続けます。」


少し悲しそうな顔をして消えていった。


そうして私達は神々と戦い続けた。

何年も戦い続けて互いに力を使い果たし平和的解決法として話し合いの場を持つことになった。


「力の恩寵を受けし神々の謀反により世界は壊れた。その責任として神々の地位を剥奪。魔族には不可侵条約を結び和平を結ぶ。」


そう宣言する最古の神々達。


私は神々ではなくなった。

そして彼は戦争の功績あるものとして魔族の国の王となる。

そうしてすべての種族に対して不可侵とし、力による支配をしないと宣言する。

それでも彼は自分の子らにこう言い続ける。


「力は誰かを傷つけるためにあるものではなく仲間を守るためにある。」


そう言い続ける。私はそれを横で聞き、共にいられる幸福を噛み締め続ける。





どれほどの時間が流れただろう。私にも子を授かる機会が現れる。

まずは女の子。

そうして男の子。

2人の双子を産み、また違う楽しみが生まれる。


「どうかこの子たちが幸せな世界がいつまでも続きますように・・・。」


私はずっと祈っている。数千年前から・・・

今日までも、そして今日からも。


自分の命すら軽いもののように感じる。

色のある世界で光ある子どもたちの笑顔と比べれば・・・。




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