ハウンの素顔
「じゃぁ次の質問ね。なぜ、ミシュラを襲うの?勝てるわけないのに。」
やっちゃんがミシュラと呼んで対応している。レイのお母様なのはさっき言ってしまってたからいいと思うんだけど。
「・・・」
黙秘か・・・。沈黙が1分続くと、レイの拳が神々の胸に突き刺さる。
女性って胸殴られるとめちゃくちゃ痛いって聞いたんだけど・・・。
「ぐぎゃ〜〜〜〜!!」
凄い悲鳴をあげてのた打ち回る目隠し女。目を隠しているから構えることも出来ないんだよ・・・。
そう思った俺はのた打ち回る女を押さえつけて目に巻かれている変な模様のついた布に手をかける
「や、やめろ!やめてくれ!!それをとらないでくれ!!」
女が焦り始める。相当とられたくないようだ。俺がやめようとするとレイが布を掴んで引きちぎる。
こ、これは酷い・・・目を焼かれ縫い合わされているのだ。もう二度と開くことが出来ないように。
「見るな!見ないでくれ!!醜く焼かれた目を縫い合わされた目を見ないでくれ・・・。」
俺はレイをなだめてそれ以上何もするなという。
俺はハウンに耳元でささやく。
「本当か??それは本当か??それが本当なら俺、いや、私はあなたに忠誠を誓う!!」
正座してハウンは俺をまっすぐ見る。
『デュラン、聞こえるか??このハウンの顔を元に戻してやってくれ。そうして俺の主従の契約を結ばせてくれ。』
『そいつは神々の一員だぞ?凄い面倒なことになるぞ。目を焼かれた理由は聞いたのか??神々は人や魔族、魔物のような素直な生き物ではないぞ?奴隷だから言うことを聞くかというと確実に聞かないと思うぞ。それぐらい厄介な相手だぞ?いいのか??』
『え?そんなに厄介?』
『もしかして軽く考えているのか??神々は異常にプライドが高く、下につくことを半端なく嫌う。神々は部下であっても気を付けないと寝首をかかれるのだ。下にいるという不快なことに甘んじることが出来ない生物なんだぞ。奴隷にすれば必ず、主殿の寝首を掻きに来るぞ。それに対抗できるほど力を付けないといけないぞ。今のままではまず無理だぞ。こいつを押さえることは・・・。』
なんかヤバイみたい。じゃぁどうしよう。忠誠を誓うって言うはウソなのか??
デュランに脅されて躊躇している俺を見て
「変なことしたらすぐ殺せばいいのよ。こんな弱いやつ。」
レイが軽く言い切る・・・。もしかして聞こえてるの??
俺はさっきデュランにこいつより弱いと断言されたんですけど・・・。
結構凹む。
『レイもそう言っているから今さっきの願いそのまま通して』
『その願い叶えてやろう。』
ハウンの顔が綺麗に戻る。目をゆっくり開く。
「あぁぁぁ、見える・・・景色が見える・・・。何千年ぶり??あぁぁぁ・・・」
涙を流して喜ぶ。
「あなたはそんな顔だったんですね。私はハウン。最古の神々の一人、能力の大半を視力とともに奪われて落ちぶれていました。助けていただきありがとうございます。この大恩を返すために精一杯働きますわ。」
最古の神々なんだ・・・。凄い身分だな。
「で、目は誰に焼かれたの?」
レイの顔を見て小さい声で言う。
「ミシュラ・・・」
お母様に焼かれた??マジで??
「お母様、魔法あまり使えないじゃない?どうやって?」
あまりではなくほぼ全くだと思うんだけど・・・。
普通に目を突かれたそうだ・・・。あまりの早さに目を突く指が燃えていたそうだ・・・。
大気との摩擦で近距離で発火・・・どんな目潰し??
それで恨んでいたそうだ。
レイの前だというのに凄いグチグチ文句言っていた。悪口も言っていた。
「でも、それも今日で終わり!!だって、私の目が戻ったんですもの!!」
涙を流しながら俺にくっついてくる。それを見たレイが
「次は私に目を焼かれたいみたいね・・・」
腕に火炎を灯しながら指をゴキゴキいわせている・・・。それを見てハウンは怖がっている。
見た目そのままだから余計怖いんだとか。
それにしても魔族と神々って結構ぶつかるんだね。お母様は神々を見ても普通だったから昔は争っていたのかな??さっき数千年ぶりって言ってたけどその頃って魔族と神々は戦争でもしていたのかな??
それにしても俺のパーティー女性が増えたな。ハーレム状態だが誰とも関係を持っていない・・・。
俺の理性は凄いんだな!!草食なだけか?