感染とテイマー
俺達がミューアスについて数時間・・・。
その間にとうとう出始める・・・。レイ様ファンクラブの面々が。
どうやら感染は止まっていないらしく、海を渡った時点でこの帝国にも感染し始めているようだ。
やはり感染速度が半端ない。1日でほぼこの街全域に広がっている。
この感染、どこからやってくるんか?レイからなのか??
「この感染はファンクラブに所属しているものが近づいた瞬間に始まります。ほぼ空気感染と思ってもらっていいと思います。人から人へ、さっきの様な密室だとほぼ確実に感染します。ギルドにはファンクラブ募集の広告を貼らしてもらいましたから支部にはそろそろ志望者が殺到していると思いますよ!!」
ジルが凄い嬉しそうにガッツポーズしながら力説している。
レイが放心しちゃってますよ・・・。
というよりいつの間に支部作ったの?
「先ほど宿についてすぐに空き家を探し、ギルフォード公に連絡を入れて資金を調達。そこを借りて支部を建て、ファンになった人をそこの管理者にして・・・」
話が長いがここに着いてすぐにおっぱじめたってことだよね?
あんたの行動力が凄い。凄くマトモとか、普通とか言ってごめんなさい。あなたは異常でした!!
俺はあんたと出会った時は印象最悪だったが、見なおしてまともな話のわかる人に昇格していたんだよ!それなのに残念だな!!
資金の調達にお父様ですか・・・あの人懲りずにまだやっているんだファンクラブナンバー0を。
あ、レイが倒れた。すぐに宿屋に戻る俺達。そうしている間にも感染拡大中。さすがお父様主導のバイオハザード。この帝国を飲み込む日もすぐ来るだろう。
「ギルドで奴隷に渋々なったものも多分今頃は奴隷になって俺達しあわせもんだな〜とか言っていると思いますよ!」
宿屋までの道のりで恐ろしいことを言い続けるジル。
あれだけひどい目に会ったのに幸せと思うほど病的な思い込みに陥るんだ、怖!!
宿のベッドにレイを寝かせて俺達はギルドにもう一度行ってみる。
「俺達はレイ様の奴隷なんだぜ!!いいだろ??」
「俺もその場にいればよかったな〜〜。」
「俺なんか手足潰されたんだぜ??使えるようにはしてあるが傷は消していないんだぜ!!いいだろ??」
「俺も踏まれたかったな〜」
こいつら全員ダメだ・・・。感染して脳みそまで腐ってやがる。
どこをどう変更してこれなんだ??お父様はお母様の前で変更したのをまた戻したんじゃないのか?
これは憧れなんてレベルではない!!もう病気だ。危害は加えそうにないが思い込みが病気だ。
手足を潰されて嬉しいなんてヤバすぎる。
「あ!!あんたたちはレイ様のお連れの方じゃないか??レイ様はどこに??」
「え?しらない」
知らぬ存ぜぬで通そうとしたが甘かった。あっという間に囲まれてレイ様レイ様言っている。
会員番号をふっている一員の番号を見てびっくり・・・
いち、じゅう、ひゃく・・・・おく?おく???桁がおかしい。絶対やばいやつだこれ!!
俺達は力の限り逃げ出した。そうして街の中央、闘技場前・・・。
レイのファンクラブの幟がいっぱい立っている。
レイ様杯従魔闘技大会・・・。
いつの間にレイはこんな大会を開いたんだ?
「あ、これはギルフォード公が主様の職業を大々的に地位向上させようと思い立って始めたものです。優勝者にはレイ様のダンジョンでひろってきた鎧を授与するとか・・・」
鎧ぐらいいっぱいあるだろうね。でも一応確認はとっておいたほうがいいと思うよ。
「今、この国にはテイマーが5万人くらい集まっているという情報がファンクラブのミューアス支部に来ています。」
不遇のテイマー、なれば馬鹿にされるテイマー、人生詰んだとまで言われるテイマー。
それが今この世界には5万人もいるらしい。そんな人数の人生詰ませて何が楽しいのかな??
「俺もなろうと思ったんですがナンバー1はダメって言われました。なぜですかね??」
しりません。