レイの剣技
祝、総合評価100超え!!
ありがとうございます。
皆さんのおかげで100の大台に乗りました。
頑張って書いていきたいと思います。
これからもよろしくお願いします。
「メグミ、私が剣で戦うの初めて見るでしょ??触手は手を抜いているのよ。あなたに剣技見せてあげる。見て盗んでね。あなただから見せるの。私のすべてを見てね。」
剣をふるうレイ。俺は剣技に疎いのはわかっているが、そんな俺が見ても無駄がないと感じる。剣技というより舞だ。大きな剣をまるで軽い羽毛を持っているかのように振る。弧を描きドラゴンの体を切り刻む。絶大な体格差をものともせずに切り伏せてしまう。
美しい。殺戮しているのに優しさすら感じる。まるで苦痛なく首を撥ねられる強大なドラゴン。
「剣はね、当たっても止めてはダメなの。振り回されてもダメ。一体となって伴にあるような感じで・・・。流れを感じて・・・」
レイの美しい姿と美しい舞い、凄く合っている。世界一美しいものはきっとレイだろう。そう思うほどに洗礼されたものがここにある。見て覚えたいが見惚れて動けなくなる俺。
ボ〜ッとしている俺。ドラゴンのブレスを直撃される。
グハッ!!
ダメージ中。前の時は大ダメージだったけどあれはもしかして結界に当たったからか?
それも俺は自身に回復魔法をかけて走ってドラゴンの懐に潜り込み斬りつける。
「おらぁ!!」
岩を殴った感触がある。コレは切り込み失敗。よくわかる。うまくいくといくら硬い鱗に守られていても剣の攻撃力はそれを破壊出来るだけあるのだ。純粋に俺の剣技が足りない。レイのように無駄をなくし切り込めばサクッと入るはずなんだ。
レイのことだ、今はレベルや腕力に物を言わせていないはず。それだと俺の手本にならないから。今のレイは俺と同じ攻撃力のはず。それくらいしてくれるレイだ。俺のために何でもしてくれる。今のレイに斬れるということは俺も可能なはず。斬りつけるときに俺はレイの姿をイメージする。
レイと同じように流れを意識して剣を振る。回避しつつ流れるように剣を振る。鱗に当たるとサクッと刺さった。そしてレイの言う通り流れを止めずに振りぬき返す感じでもう一度斬りつける。そうして2撃目3撃目と綺麗に斬りつけることが出来た。しかし凄い集中力と筋力がいる。俺には剣がまだ重いのだ。4撃目でうまくいかず失敗。
「上手よ。とっても。あなたなら出来るわ。必ず私のところまで来れるはず。」
レイは微笑んで俺を褒めてくれる。美しい顔が俺を見る。もっと頑張らねば。そう思わずにいられない。
俺はその日、死にかけながらも何度も剣を振りドラゴンを斬る練習をした。レイの近くで剣を振る。レイが始末するドラゴンの体から漏れるエネルギーや魔素が俺の体に馴染んでいくのがわかる。体がどんどん強化されている。剣の重みも感じない。疲れも少しずつなくなってきている。
それどころか少しずつ回復しているようにすら感じる。
気がつけばそこには山のようなドラゴンの屍がたくさん転がっていた。俺もレイも返り血で真っ赤である。
息を切らす俺と平然と立つレイ。まだまだ大きな差があるな・・・。
「お疲れ様。どう?感じつかめてきた??10回位連続で切りつけてたけどこのまま練習すれば100でも1000でも当てられるようになると思うよ!」
俺を抱きしめてそう言うレイ。
「まだまだそうだね。1000は・・・。」
そうね。とだけ答えるレイ。俺はノートを開く。レベル確認のためだ。ポイントを割り振っていないので力が付いたわけじゃない。それなのに途中で重さも疲れも感じなくなっていた。よくわからない。
レベルは423。特殊なスキルが身についたみたいだ、それは『HPMPリジェネレベル1』。そして剣技はレベル8になっていた。今までなかったのにいきなり8か。いつかマスターもいけるかな??あとブレス耐性も付いている。くらい過ぎってこと?
「はぁ、疲れた・・・。次の階に降りる?」
俺の体を支えてくれるレイ。首を横に振る。
「まずは休憩しましょう。お腹も減ったし。」
俺の顔を見て微笑んでくれる。綺麗な顔だな、本当に。魔族の姿にも全く抵抗がないのは美しすぎるからか?
「お腹減ったね。これは回復じゃどうにもならないね。」
俺はドラゴンの肉を切り落とす。そうして焼いて口にする。この肉も絶品だな。
レイも同じ肉を口にする。レイが加えた肉を俺に向ける。『うぅぅ!!うぅぅ!!』と言っている。
おれは何がしたいのか気づくのにちょっと時間がかかってしまった。
レイの口に加えている肉を俺が加えて食べる。モグモグ食べていき最後にキスをする。
何かのドラマでスティック型チョコでやっていたもんね、怪しい男女が。それをやりたかったようだ。
はははははははは
俺達は寝転がって空を見上げる。戦っているときは気づかなかったけどここも空が見えるんだね。
魔族領のダンジョンとは違う空。美しい真っ赤な夕焼けの空。遠くに鳥も飛んでいる、不思議な世界だ。
「レイ。俺とずっといっしょにいて欲しい。」
その一言にハイとだけ答えてくれた。