邪悪の芽
いきなり後ろから声をかけてくる奴が。
振り向くと、そこには俺を激怒させる姿が。
俺達は後ろを向くとそこには美久を羽交い締めにしている男がいる。
「デュラン時間を止めろ。」
「その願い叶えてやろう。」
あぁそうだ、今いないんだった。ミドラの声がする。
この世界では出てこれないが願いは叶えることができるようだ。
静寂が周りを包みすべての時間が止まる。周りの小鳥たちも中で静止している。
「こいつナニモン?」
レイが美久を男から引き離す。そしていきなり前蹴りでぶっ飛ばした。
美久は気を失っているようだが怪我などはない。
人質にするつもりだったようだ。
「薬や毒物でもなさそうだから少ししたら目を覚ますでしょ。」
やっちゃんが見てくれる。
さて、このゴミをどうするかだな。俺の家族に手を出したのだからまぁただじゃ済まさない。
俺は自分の家族や大事なものに手を出す奴にはそれなりの報いを受けてもらおうと思っている。
生物と言っても魔物だがそれらを葬っているうちに人に対してもそれほど酷いことをしてもあまり心に響かなくなった。俺のだいじなものを傷つけたのだ。今ならこいつらの家族を皆殺しにしても何も思わないと思う。さて、どうしたものか・・・。
「ミドラ、この近くにこいつの仲間はいる?」
「うん、5人ほどいるよ。2人は向こうの角の壁のところに隠れている。残りは車っていうやつらかな?その中にいる。皆の後ろ200mほどのところに停まっているよ。全員何かしらの武器を隠し持っているみたい。どうする?」
車があるならいいね。全員そこに閉じ込めておくか。レイが蹴飛ばした男を引きずりやっちゃんは角で隠れている男たちを担いで少し先に停まっている大型の車に連れて行き放り込んだ。
その車ごとレイが近くの広場に持ち上げて運び始める。こうやって間近で見るとこの世界ではありえない腕力だよね。こんな腕力の人を量産できるなら向こうで兵士を育てるっていうのもなんかわかるな。
「さて、こいつらどうする?」
「ここまで運んでもらったのにレイには悪いけど・・・。ミドラ、これをこのまま小さくして玩具みたいにしてくれ。それとこれを入れる小さくて丈夫な箱を。」
その願いで車は中の人間ごと小さくなりミニカーを入れるような箱の中に詰め込まれる。
そして無造作に俺のかばんの中に入れる。
あとは、美久の記憶を操作して体調不良でそこで倒れていたことにしよう。
美久には可哀相だが本当のことを知らせてはいけないと思う。
「じゃぁ、俺は家に美久を連れて帰るよ。レイとやっちゃんは普段通り学校へいって。俺もあとで行けるようなら遅刻して行くからさ。」
2人は俺の顔を見てビクッとなる。俺はすごい形相のようだ。手が震えている。怒りで周りが歪んで見える。
時が動き出しそれぞれ俺が言った通りの行動を取る。
俺は家に。2人はそのまま学校に。
「お母さん、美久が道でうずくまってた!!」
俺は嘘の報告と共に扉をあけて家にはいる。母親は慌てて迎えてくれた。美久を美久のベッドに寝かせ布団をかける。
「ゴメンな・・・。」
美久の顔を撫でる。美久の顔がピクッと動く。
「ん??お兄ちゃん??」
目を覚ましてくれた!ホッとする俺。美久の頭を撫でる。美久が嬉しそうに目を細めて俺に笑いかける。
俺は怒りが顔にでないように笑いかけて『待ってろよ。』と声をかけ母親を呼んだ。
母親に全部任せて俺も学校へ向かう。まぁ遅刻まちがいなしだ。そんなことはどうでもいい。こっちの世界にまで何かしらの力が作用しているようだ。今の俺はC国ごときの国民を皆殺しにしても気がすまないほど怒りがこみ上げている。だが、その気持ちを抑えて学校に向う。まずは学校が終わってからだ。
そうして俺の怒りのはけ口たちは玩具となって俺のカバンの中で揺られている。
「お前らは情報を引き出したらお前らの家族諸共始末してやる!」
そうして学校につく俺。
1時限目が終わり休憩時間のようだった。レイが俺を見つけて駆け寄ってくる。
今日は俺の平和な世界にちょっとヒビが入った日となった。
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