酒場で
待ち合わせの町に到着しました。
ギルドに入るとジルが出迎えてくれた。
ファンクラブの会員たちの目がずっとこっちにある。
「なんでこっち見ているんですか?」
高村涼子が嫌そうな顔で俺たちに聞いてくる。
レイにはファンクラブがあって凄い会員数を誇っている説明をする。
レイは顔を下に向けて何も言わない。
「あぁ、今流行っているレイ様ってあなただったの。まさかこんなところでご一緒できるなんて。」
高村涼子が笑いながら言うとジルが胸を張って
「そうですよ!レイ様と一緒のパーティーなんて光栄以外何物でもありませんよ!ずっと一緒に居たいくらいです!あなた方が羨ましい!!」
「今度魔族領でダンジョン特訓大会があるけど一緒にどうよ。」
黙って向こうに歩き始めるジルにクスクス笑う高村涼子と志田理香子。
「あの人、特訓を知っているみたいですね。一緒だったんですか?」
ハイ、一緒でしたが魔族領のダンジョンに行く前に逃げました。と伝えるとまぁ逃げるのもわかるわと納得されて終わった。多分次、君たちなんだけどね、特訓に行くの・・・。
2階の個室に案内されて俺達は改めて挨拶する。
それぞれが職にあったそれらしい格好をしている。
観月、武術士でレベル45
仲間、戦士でレベル42
高村、魔法使いでレベル38
志田、僧侶でレベル50
志田が一番レベル高いんだ。リーダーは観月。まぁわかりきっているけどね。
ジルを呼んで情報収集。
ジルにここ最近の旅人発生を聞いてみる。
ジルが言うには数名こちらの世界に来たみたいだが全部は把握できていないらしい。
まぁギルド直行できる幸運な奴はなかなかいないか?
それ以外で、最近大きな津波があったらしく西側の海の近くの村は結構大変みたい。と言っても人の被害は出ていないらしく色んなモノが漂着して困っているとか。そのせいで漂着物を撤去する簡単クエストも高額なんだとか。帝国直々の依頼で信頼も高いんだって。弱めの冒険者は笑顔でそっちに行っているそうだ。馬車もそのせいでなかなか確保できないらしい。
だから飛竜だったのか?
観月はやっちゃんに何か紙を渡されている。
観月がその紙をジルに見せて、こんな人がこちらに来ていないか聞いている。首相の写真だな。ジルがまだ見ていないと言っているからまだ抽選が回数分行われていないんだろう。
見つけたらすぐに確保しといてくれと言っているがその言い方だとマジで軟禁されかねないので丁寧に説明しておく。地球のレイの国では重要人物であることなど聞こえのいいように言っておいた。これで粗相はないはず。なんと言ってもジルは筋肉バカそうで実はそうでもない。ハゲを隠すためにもこもこの毛皮の帽子をかぶった筋肉ムキムキのでっかい強面のおっさんではあるが今は非常に頼りになる存在である。俺を裏切ったけどね。
ジルは街の皆に声をかけて写真の男が現れたら速やかにギルドに連れてきて安全を確保してほしいと伝達していた。粗相が無いようにとも言ってくれてたから大丈夫だろう。ギルドにいるのにギルドを通さない無料の依頼で大丈夫なのか??まぁレイ様のお願いだって言ったら会場が異常なほど熱くなっていた。取り合いにならなければいいけどね。
だって、キスしてもらえるとか勝手に思っていそう・・・。
下の異様な雰囲気にレイが真っ赤になって下を向く。
やっちゃんがポンポン肩をたたいて慰めているけどその姿を見て他の女性陣2人は気の毒そうに見ている。
自分の立場がそれなら嫌だろうと思うのは当たり前か。
「俺達さ、ちょっとそこの森にいかないとダメなんだよ。一緒に来る?」
その言葉に2つ返事で付いて行くと言っていた。
馬車もレイの名前ですぐ借りることが出来た。どう見ても貴族とかが乗りそうな金ピカのやつ・・・。
これ、一般人は誰も借りたくないよね。派手な上に高いんだもん。でもいつもの料金と変わらないレイ様価格。ジルが運転を買って出てくれる。いつものことだけどね。
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