3つ目の願いだ!!
俺のスキル最後の砦、3つ目の願いです。
3つ目の願い。
それはきっとこれから皆幸せになれるまさにWinWinと言う奴になるはずだった。
だが俺は魔人にかなり怒っている。ゼロの攻撃は俺には届かないようだ。
だがそれはこの腕輪があるからだろう。
俺はゼロの近くに歩み寄って
「ゼロさん、ごめんね。ちょっと待ってて。」
ゼロの方を見るとゼロはポロポロ涙を流して泣いていた。
怒りのメーターが振り切れて訳分からん状態になっているのかな?
触手も禍々しい刃物もいつの間にかなくなっていた。
「あなた、契約解除するのに3つ目の願いを使うの?もしかしてバカなの?赤の他人よ。人なら人らしく自分の欲望に忠実に行動すれば?」
ゼロはそういいながら床にへたれ込んだ。
「おい、魔人、3つ目の願いだ!!ランプの魔人よ、俺の傍らで永劫に何度でも俺の願いを叶えつづけろ!!叶えられない願いはないのだろ?豪語していたのだから絶対叶えろよ!!」
そういって魔人を睨む。
魔人は顔を歪ませながら、真っ赤な目で俺を睨めつけてこういった。
「その願い・・・叶えてやろう!!」
その言葉とともに魔人の足元にゼロが出現した時と同じような模様が浮かび上がり激しい光りと稲妻を放ちながら魔人の肉体が形成されていく。
魔人が言う。
「我が主よ、願いがある時に我を呼べ。さすれば何時如何なる時でも参上し、願いを聞き入れる。これに期限も回数も制限はない。それまで我はランプの中にいる。」
そういってランプの中に入ろうとした。
「まて、まだ帰るな。」
と、魔人を呼び止める。そりゃそうだ。まだやってもらわねばならないことがある。
「ゼロさん、今から主従契約を解除します。こんな形であなたを呼んだことをお詫びします。
解除後あなたは好きにして構いません。まだ、私を殺したいというのであればそうしていただいて結構です。ただ、私も死ぬ訳には行かないので全力で自分の力の限り抵抗します。それだけは許可してください。」
泣き崩れていたゼロは立ち上がり、
「解除するの?好きにしていいの?でもあなたは私が伴侶になることを望んでいるのでしょ?
人なのに魔族に偏見なく話すあなたはすごいと思うわ。
主従契約は腹が立ったけどあなたがやれといった訳じゃないんでしょ?
なら、このままでいい。解かなくてもいいわ。
それに変なムシがよってこなくなってちょうどいい。
あなたはこれからどんな願いも叶えられるんでしょ?それなら一緒に行動して、どういう男か見定めるわ。
それでダメだと思ったとき解除をお願いするわ。」
あれ??怒ってたのになんかいい感じに収まったぞ?
これはもしかして願いを叶えられるようになったからとことん利用してやれ!!
と言う悪意なのか??
それとも本当にただ見定めようとしているだけなのか??
まったく分からない。
と言うよりまったく分からないというのが顔に出ているのだろう。
ゼロはニヤニヤしながら俺を見ている。
ま!いいか!!
「ゼロさん、それじゃこれからもよろしくお願いします。」
「レイでいいわ。あなたがつけてくれた名前で。」
そうして握手した。
「なぁ、もう我、帰っていい?」
魔人はとってもつまらなさそうだった。
さて、これから俺はどうしたらいいのかな?