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ルエラ姫との出会い

☆前回のあらすじ☆ ナレーション:カイト


翼竜型ハンターに追われた少女を追う途中で、フィーネから色々話を聞かされた。頭が混乱しそうだぜ。

禁断の森がこうなっちまったのも、古代王ウィリアムの呪いらしい。

どうやら、フィーネの話しじゃ野営地でキャップ張ってる連中の目的は神の塔を出現させることらしい。

おいおい、神の塔ってどこにあるんだ? フィーネに訊こうと思ったが、オレはやめておいた。

そのうち、神の塔が現れて、嫌でもオレは神の塔に行くんだろうな。めんどくせぇぜ。


☆ルエラ姫との出会い☆


 オレはフィーネの背中で態勢を低くし、拳を握り締めて額に手を当て、空の向こうに目を凝らす。

 目の前に翼竜型ハンターの群れに追われている小さな竜に乗った少女の背中が見えた。

 竜は立派な竜具を装備しており、少女は黒いフードを被って黒いローブを着て、右手に魔法杖を持っている。魔法杖に嵌められたブルーの宝玉には王都ガランの王家の紋章が刻まれていた。


 オレは少女の背中を見て首を傾げる。

 あいつ、王族なのか?

 フード被ってて男か女かもわからねぇ。

 顔みりゃ誰かわかるかもしれねぇのに。

 王都ガランにはよく遊びに行くからな。

 王族が禁断の森に何しに来たんだよ?

 お前も古代王の復活を目論んでいるのか?

 オレは性別不詳の背中を睨む。風で前髪が靡く。


 数匹の翼竜型ハンターがオレたちに気付いて振り向き、一斉に甲高く鳴く。

 数匹の翼竜型ハンターがオレたちに振り返り、口を開けて背中の武器を撃って襲ってくる。


 フィーネがオレに振り向いて、翼竜型ハンターに顎をしゃくる。

「少し揺れますわよ? 熱いので火傷しないようにしてくださいまし」

 オレは「お、おい、待てよ!」と慌ててフィーネの頭に手を伸ばして叫ぶ。

 フィーネは滞空してバリアーを張ってギリギリまで翼竜型ハンターを引きつけ、大きく息を吸いながら顔を上げ、お腹を両手で叩いて激しく黒い炎を吐く。

 熱気が雨風の様に飛んでくる。

「うわっ」 

 熱風で吹っ飛ばされ、オレは片手でフィーネの尻尾の棘を掴む。

 オレは顔の前を手で遮りながら体勢を低くし、フィーネの黒い岩肌の背中を上がる。

 灰と化した翼竜型ハンター。灰が宙に舞い、風で灰が運ばれてゆく。

 風に運ばれた灰がオレの鼻腔をくすぐり、オレはくしゃみをする。

 オレは苦笑いして鼻を人差指で擦る。誰だよ、オレの噂してるのは。

 オレはフィーネが吐く黒い炎を見て、「やるじゃん、フィーネの奴」と何度も頷いて感嘆する。

 フィーネの炎よりすげぇじゃねぇか。ひょっとして、フィーネの方が実力は上なのか?

 フィーネは黒い炎を吐きながら、黒いフードを被って黒いローブを着た奴の傍まで寄って横に並んだ。


 オレは黒いフードを被って黒いローブを着た奴に振り向く。

「おい、大丈夫か!? 助けに来たぞ!」

 奴は黒いフードを被り、顔が見えない。

 一匹の翼竜型ハンターが襲ってきたので、オレは舌打ちして腰のホルスターから金のオートマチック銃を抜く。

 オレは金のオートマチック銃のグリップを見る。

 弾切れは御免だからな。生唾を飲み込み喉を鳴らした。

 歯を食いしばり、片手で構えて一匹の翼竜型ハンターを撃つ。

 翼竜型ハンターは青白い電気で痺れ、甲高く鳴いて暴れながら落ちてゆく。

 オレはフィーネの背中から身を乗り出して、翼竜型ハンターが青白い電気で痺れながら落ちるのを見つめる。

 どうなってんだ? 威力がバラバラだな。爆発したり、痺れたり。

 もう一度、金のオートマチック銃のグリップを見つめる。

 自動装填なのか? とんでもねぇ銃だな。

 翼竜型ハンターの攻撃がオレの頭上を掠め、オレは咄嗟に体勢を低くした。

 オレは翼竜型ハンターと戦いながら、黒いフードを被り黒いローブを着た奴に振り向く。

 こいつ、オレを無視かよ。オレは苦笑いする。


 翼竜型ハンターが口を開けて少女を襲おうとするが、翼竜型ハンターの鋭い口ばしが何か硬い物に当たった様な音がして、迂闊に少女に近づけない。翼竜型ハンターの攻撃も、少女が乗っている竜の周りで吸収されてゆく。

 オレは翼竜型ハンターを攻撃する手を休め、不思議に思い首を傾げる。結界でも張ってるのか?


 奴はオレの視線に気付いたのか黒いフードを取り、頭を振って髪を掻き上げてオレに振り向く。

 奴は金髪ミディアムヘアで瞳がブルーの少女だった。歳はオレと同じくらい。

 少女は口をへの字に曲げて、不機嫌な顔をしている。

 少女は魔法杖をオレに突きつけ、瞼を閉じて舌を出す。

「なによ! ナイト気取り!? あんたが誰か知らないけど、助けなんかいらないわよ! ああもう! こいつらなんなの!? 倒してもキリがないじゃない!」

 少女は魔法杖を抱えて両足をばたばたさせ、頭を振りながら両手で頭を掻きむしる。


 オレは翼竜型ハンターの攻撃を避けるのも忘れて呆気に取られ、言葉も出ない。

 こ、こいつ、女だったのか。男かと思ってた。

 オレは眉根を寄せて首を傾げる。この女、王都のルエラ姫じゃねぇか。

 確か、こいつの姉貴が行方不明で王都で騒いでたな。

 その時、ルエラ姫が右手に持っていた魔法杖を天に突き上げ、ルエラ姫は天を仰ぐ。

「シルバーレイン!」

 ルエラ姫が呪文を詠唱すると急に辺りの雲が曇り、雷が轟いて突然剣の雨が降り始める。


「なんだ?」

 オレは間抜けな声を出して空を仰ぎ、慌てて額の前を手で遮る。

 ルエラ姫の無茶ぶりに苛立ち、拳を振り上げる。

「オレたちは味方だぞ! 巻き込むんじゃねぇ!」

 フィーネは強力な青白い障壁の結界を張り、首を横に振る。

「やれやれですわね。この数相手にしてたら、さすがに持ちませんわ」

 フィーネは左に右に剣の雨を避けながらルエラ姫の周りを旋回する。

 フィーネの結界に刺さった剣は砕け散ってゆく。

 剣の雨が突き刺さった翼竜型ハンターは甲高く鳴きながら火花を散らして落ちてゆく。

 オレは魔法で戦っているルエラ姫を見下ろしながらフィーネに訊く。

「フィーネ。戦えそうか?」

 オレは黒い岩肌に掴まりながら、襲ってくる翼竜型ハンターを片手で撃つ。

「しばらく休ませてくださいまし。あの子、ほんと往生際の悪い子ですわね」 

 フィーネは滞空してルエラ姫を見下ろし、肩を竦めて瞼を閉じて首を横に振る。


 その時、ルエラ姫の魔法攻撃が飛んで来て、フィーネは素早く火の球を避ける。

 オレの背後でルエラ姫の魔法攻撃が当たったのか、翼竜型ハンターが甲高く鳴くのが聞こえた。

 オレは背後を振り向く。翼竜型ハンターが火花を散らして落ちてゆく。

 オレは顔を戻して苦笑いしてため息を零し、拳を振り上げてルエラ姫に指を差す。

「馬鹿野郎! 当たったらどうするんだよ!」

 火の粉が飛んで来て、オレの上着に火が点き、オレは慌てて金のオートマチック銃で上着を叩いて火を消す。

 ルエラ姫はオレを見上げ、お腹を抱えて笑った後、瞼を閉じて舌を出す。

 オレは眉間に皺を寄せ、拳を振り上げる。あの女、覚えてろよ。


 ルエラ姫はオレを指さして、魔法杖を脇に挟んで髪を掻き上げた。

「あんたの助けなんかいらないからね! 行くよ、ネロ!」

 ルエラ姫は片手で竜の背中を叩く。

 竜は「クエックエッ~」と鳴いて飛び去った。


 オレは呆然と小さくなるルエラ姫の背中を見送る。

 おいおい、あの女も竜にネロって名前付けてるのか。

 あいつ、ミサと似てるな。性格といい。


 フィーネが翼竜型ハンターの攻撃を避けながら、オレに振り向く。

「どうするんですの?」

 オレは拳を握り締める。

「追うに決まってるだろ」

 オレはルエラ姫が消えた方を睨む。

 フィーネは頷いて「了解ですわ」と言って、小さな竜を追う。ため息を零すのが聞こえた。

 オレは後ろを振り向くと剣の雨が突き刺さった翼竜型ハンターが甲高く鳴きながら落ちてゆく。

 フィーネから身を乗り出して、翼竜型ハンターを見送る。

 眼下に広大な湖が広がっていた。陽光でキラキラと水面が輝いている。

 顔を上げて、襲ってくる翼竜型ハンターを撃つ。

 フィーネがスピードを上げて滑空する。


 数匹の翼竜型ハンターに追われているルエラ姫に追いつく。

 オレは金のオートマチック銃を腰のホルスターに挿す。

 その時、一匹の翼竜型ハンターが撃ったプラズマ弾が、ルエラ姫が乗っている小さな竜の左翼に当たる。

 小さな竜が顔を上げて鳴き、逆さに落ちてゆく。


☆続く☆ ルエラ姫との出会い終了後のおまけ ゲスト:カイト・ルエラ姫


ルエラ姫:で? 早くあたしを紹介しなさいよ。

カイト:(ジンといい、こいつも新キャラのくせにやりにくいぜ)

ルエラ姫:早くしてくれない? あたし、忙しいんだけど?

カイト:わりぃわりぃ。それじゃ、今回のゲストを紹介するぜ。ルエラ様だ!

ルエラ姫:ちょっと待ってよ。あんたに様呼ばわりされたくないんだけど?

カイト:(うわ、なんだよ、この威圧感は。お前は大物女優気取りかよ)

ルエラ姫:あたし、この後、買い物したいんだけど?

カイト:な、なに買うんだよ? つか、一人で買い物か?

ルエラ姫:そうよ、いつも一人で買い物よ。たまにお姉ちゃんとお買い物するけど。男はどいつも信用できないし。みんな、あたしが王女だってことをいいことに、あれ買えだのこれ買えだの。ほんと嫌になるわよ。みんな、あたしを金づるだと思ってるのが気に食わないわね。

カイト:・・・じゃ、オレたちと遊ばないか?

ルエラ姫:へっ? どいうこと?

カイト:オレの幼馴染、ミサ・ネロとオレで遊ぼうぜ。どうだ?

ルエラ姫:ミサって、女の子?

カイト:ミサは女だな。ミサ、紹介してやろうか?

ルエラ姫:・・・あたし、どうしたらいいのかわからない。

ミサ:じゃ、じゃーん。ミサ、久しぶりに登場!

カイト:(うわー。めちゃくちゃ滑ってるぞ)

ルエラ姫:あ、あなたがミサ?

ミサ:まあ、そうなるかな。(あたし、めっちゃ滑ってるんですけど・・・恥ずかしくなってきた)

ジン:じゃ、じゃーん。呼ばれて登場!

カイト・ルエラ姫・ミサ:いや、呼んでないから。

作者:カオスだ・・・ ☆END☆





お待たせしました。今回は前に書いていた原稿に少し展開を練りました。新キャラルエラ姫の登場で、カイトとミサとルエラ姫の三角関係とか書きたいですね。切実に。

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