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古代王ウィリアム

☆前回のあらすじ☆ ナレーション:カイト


オレとディーネは翼竜型ハンターに追いかけられていた少女を追う。

でもよ、グッドタイミングで翼竜型ハンターの追手が来やがった。どうなってやがる。

ディーネに貰った武器でなんとか翼竜型ハンターを倒すが、また一匹翼竜型ハンターがオレたちを襲う。

これじゃキリがねぇ。オレとディーネは翼竜型ハンターと戦う。

オレが翼竜型ハンターに襲われそうになった時、ディーネの妹、フィーネが助けてくれた。

ディーネは追って来た翼竜型ハンターに立ち向かい、オレとフィーネは少女を追う。


☆古代王ウィリアム☆


 オレはディーネとフィーネの姉妹のやり取りを黙って瞬きしながら見ていた。

 翼竜型ハンターの元に飛んで行ったディーネの背中を心配そうにオレは見送る。

「なんかしんねぇけど助かったぜ。ディーネ大丈夫なんだろうな?」

 オレはディーネに振り向いたまま、額に手を当ててディーネの背中に目を凝らす。


 フィーネが急に身体を起こしたので、オレは滑り落ちそうになり慌ててごつごつした黒い岩の様な肌に掴まる。

「ええ。お姉さまならなんの心配もいりませんわ。さっ、あたくしたちは彼女を追いかけますわよ!」

 フィーネは鼻を鳴らして翼を羽ばたかせて一気に加速した。

 ったく、姉妹揃ってオレの扱い乱暴だな。

 オレはごつごつした黒い岩の様な肌に掴まりながら姿勢を低くしてため息を零す。


 風が頬を撫でて心地良く、空気も美味しい。自然っていいな。

 つうか、あの女誰なんだ? 竜具の装備からして高貴な人間に見えたが。

 こんなところまで何しに来たんだよ。まあ、オレにも言えるか。

 ごつごつした黒い岩の様な肌に顎を当てて、鼻を鳴らして笑う。

 ラウル古代遺跡か。爺ちゃんの冒険書を何度も読んだ。

 爺ちゃんが逝ってから、爺ちゃんの書斎部屋で冒険書を見つけたんだったな。懐かしいな。

 オレは冒険書を読んで世界を見て見たいと思った。

 ラウル古代遺跡には何があるんだ? オレは確かめたい。爺ちゃんが最期の冒険で見たものを。

 オレは拳を握り締める。ネロ、ミサ、待ってろよ。絶対助けるからな。

 オレはごつごつした黒い岩の様な肌に掴まりながら、向こうに目を凝らし生唾を飲み込み喉を鳴らした。

「なあ、フィーネ。ずっと気になってたんだけどよ、ここに来る途中で古代遺跡を見かけたんだ。あれはなんていう遺跡なんだ? ラウル古代遺跡と関係あるのか?」 

 オレはやるせなくなり、黒い岩の様な肌に顎を当てて瞼を閉じてため息を零す。


 フィーネがオレに振り向き、瞼を閉じて首を横に振り、肩を竦めてため息を零す。

「勘違いなさっているようですわね。禁断の森にはあちこちに古代遺跡がありますの。それらは全てラウル古代遺跡で中で繋がっていますの。あたくしはラウル古代遺跡の番人、ブラックドラゴンですわよ? あたくしの役目はラウル古代遺跡を守ることですわ。といっても、古代人が創った魔物が暴走しておかしくなってますけど……」

 フィーネが人差指で頬を掻いて前を向き、上品に両手で口許を押さえてくしゃみをした。


 オレは顔を上げ、胸のオーヴに目を落としてオーヴを握り締める。

「そうだったのか。爺ちゃんはラウル古代遺跡の最深部で、このオーヴを採取したんだよな? オレが見たラウル古代遺跡は中が荒れてた」

 少し謎が解けたな。まさか、オレが見た遺跡がラウル古代遺跡だったとはな。

 ラウル古代遺跡に壁画が描かれてた。ネロが解読しようとしてたけど。オレには解らなかった。

 それにしても、なんでオーヴに不思議な力があるんだろ。

 爺ちゃんは、オーブの力を研究しようとしてたのか?


 フィーネが前を向いたまま肩を竦めた。

「あなたのお爺さんの探検隊がラウル古代遺跡を荒らしたのかもしれませんわね。ラウル古代遺跡には壁や床に鉱石が埋め込まれてますもの。言っておきますけど、そのオーヴはオーヴの原石ですわよ? 大変希少価値のある物ですの。それで一生遊んで暮らせる価値がありますもの。オーヴの中に凄まじいエネルギーが凝縮されてますわ。あたくしとお姉さまは何者かに石化されていたんですけど、あなたのオーヴと共鳴して石化が解けましたの」

 フィーネが額を手で押さえて首を横に振る。


 オレは黒い岩のような肌に顎を当てて物思いに耽った。

 オーヴの原石を狙っていた連中がいてもおかしくないな。

 オーヴの力を悪用しようとしている連中が。

 やっぱり、爺ちゃんは誰かに脅されてラウル古代遺跡に来たのかもしれない。

 爺ちゃんはラウル古代遺跡の最深部で連中の隙を見てオーヴの原石を採取して、連中からオーヴを守ったのかもな。

 そして、爺ちゃんは最期まで隠してきたオーヴをオレに託した。爺ちゃんはオレを信じて。

 待てよ。野営地でキャンプ張ってる連中は禁断の森に何しに来たんだ?

 ラウル古代遺跡は考えにくいよな。もう鉱石もオーヴも無いはずだ。


 オレは顔を上げて額に手を当てて向こうに目を凝らす。

「なあ、フィーネ。野営地でキャンプ張ってる連中は何しに禁断の森に来たんだ?」

 オレは嫌な予感がして、生唾を飲み込み喉を鳴らした。

 拳を握り締めて、オーブを握り締める。


 フィーネはオレに振り向き、首を傾げ肩を竦める。

「あたくしにはわかりませんわ。ただ、あたくしが目覚めた時から邪悪な気を感じますの。……まさか、彼らの目的は神の塔を地上に出現させる気じゃ……」

 フィーネが何故か滞空して翼を羽ばたかせ、両手で身体を擦って身震いした。


 オレはフィーネに振り落とされそうになる。

「おいおいなんだよ、神の塔って? 神の塔にとんでもねぇものでもあるのか?」

 オレは黒い岩の様な肌に必死に掴まりながら歯を食いしばる。

 指に力を入れて手が震える。下を見ると、広大な森が広がっていた。


 フィーネは首を横に振って「失礼しましたわ」と言って翼を羽ばたかせて滑空する。

「塔の頂上の祭壇に古代王が封印されてますの。闇に染まった古代王のウィリアム、妻のアリーシャが呪いと引き換えにウィリアムを封印しましたの。ウィリアムの邪悪な穢れがラウル帝国を広大な森に変え、ウィリアムの怨念がラウル帝国の動物をあのような魔物に変異を遂げたのです……」

 フィーネは哀愁に浸り、涙を手で拭って洟をすすり首を横に振る。


 オレはウィリアムが許せず拳を握り締める。

「ってことは、野営地で仕切ってるボスが神の塔を出現させ、古代王の復活を目論んでるってことか。尚更放っておけねぇな。フィーネ、とりあえずハンターに追われてるあの子を助けるぞ」

 オレは空の向こうを睨む。

 そうか。古代王はアルガスタを支配するつもりだったのか。

 古代王が復活したら、アルガスタが闇に染まっちまう。

 そうなれば、アルガスタ中の動物達がハンターみたいに古代王の穢れで魔物になっちまう。

 オレは瞼を閉じて首を横に振る。

 オレの親父はアルガスタ騎士団隊長だからな。早く親父に知らせないと。


 フィーネは胸を拳で叩いて、オレに振り向いた。

「任せてくださいな。あなたはオーヴに選ばれし者。なんとしてでも、古代王の復活を止めてくださいまし。頼みましたわよ!」

 フィーネはウィンクして顔を輝かせて顔を戻し、翼を羽ばたかせて一気に加速する。


 オレは黒い岩の様な肌に掴まる手に力を入れる。やるしかねぇだろ。

 なんでこんなことになっちまったんだろうな。オレは後ろを振り向く。 

 運命ってやつか? 上等だぜ。オレは鼻と喉を鳴らして笑う。

 オレは黒い岩の様な肌に掴まりながら腰のホスルターに挿した金のオートマチック銃を抜いて金のオートマチック銃を歯で噛み、弾倉を抜こうと金のオートマチック銃を指で弄るが弾倉が取れない。オレは金のオートマチック銃を裏返したりグリップを見るが、弾倉が挿せないようになっている。オレは首を傾げて金のオートマチック銃を腰のホルスターに挿した。

 この銃、どうなってんだ? 弾切れなのにどうやって戦えってんだよ。

 ディーネはとんでもねぇポンコツをくれたもんだぜ。

 戦いに備えようと思ったのによ。何が起こるかわからねぇ。

 オレは舌打ちする。まあいいか。なんとかなるだろ。


 オレは態勢を低くして、拳を握り締めて空の向こうに目を凝らす。

 目の前に翼竜型ハンターの群れに追われている小さな竜に乗った少女の背中が見えた。

 竜は立派な竜具を装備しており、少女は黒いフードを被って黒いローブを着て、右手に魔法杖を持っている。魔法杖には王都ガランの王家の紋章が刻まれていた。


 オレは少女の背中を見て首を傾げる。

 あいつ、王族なのか?

 フード被ってて男か女かもわからねぇ。

 顔みりゃ誰かわかるかもしれねぇのに。

 王都ガランにはよく遊びに行くからな。

 王族が禁断の森に何しに来たんだよ?

 お前も古代王の復活を目論んでいるのか?

 オレは性別不詳の背中を睨む。


☆続く☆ 古代王ウィリアム終了後のおまけ ゲスト:カイト・ジン


ジン:それじゃ、今回もゲストを紹介したいと思います。

カイト:おいおい、お前誰だよ? お前は向こうのスタジオだろ? スタジオ間違えてるぞ。

ジン:(部屋とスタッフを見回し、原稿を確認)ぼ、僕としたことが、スタジオを間違えるなんて・・・

カイト:お前は主人公違うだろが。ルビナ姫といちゃついてりゃいいんだよ。ったく。

ジン:な、何を言ってるんだ! 君はよく恥ずかしいこと言えるな!?

カイト:見たところ、オレの方が年下みたいだな。本当はルビナ姫が好きなんだろ? それとも麻里亜か?

ジン:ど、どっちだっていいだろ!? 君には関係ないことじゃないか!

カイト:顔が真っ赤だぞ。お前とは一度話してみたかったんだよな。

ジン:君が誰か知らないけど、僕は君と仕事するなんて御免だね!

カイト:オレだって御免だよ。お前の物語の方が読者多いんだぞ。ったく。

ジン:なんだよ? 嫉妬か?

カイト:急に態度がデカくなったじゃないか。喧嘩売ってるのか?

ジン:そっちこそ。お望みなら売った喧嘩買ってやろうじゃないか。

ミサ・ルビナ姫:(いきなりスタジオに入ってきて、二人の間に割って入る)

カイト・ジン(驚いて声も出ない)

ミサ・ルビナ姫:(二人ともカイトとジンのお腹を思いっきり殴る)

カイト・ジン(二人ともお腹を押さえてダウン)

ミサ・ルビナ姫:(手を取り合ってガッツポーズ)

作者:なんだこれ・・・ ☆END☆








今回のおまけはカオスになってます。

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