翼竜型ハンターの追手
☆前回のあらすじ☆ ナレーション:カイト
大型ハンターがディーネの結界を壊し、小型ハンターを引き連れてオレたちを襲って来やがった。
大型ハンターはディーネと戦い、何故か大型ハンターはオレをスキャンした。
オレは大型ハンターの隙を見て、大型ハンターの眼を撃つ。何でオレをスキャンしたんだ?
大型ハンターの眼は潰れ、大型ハンターは暴れ回った。こうなったら手がつけられねぇ。
その隙にディーネはオレを拾って上空に逃げた。と思ったら追手だもんな。嫌になるぜ。
☆翼竜型ハンターの追手☆
オレはディーネの手の中で胡坐をかいて、ディーネの指に凭れて後頭部で手を組む。
その時、オレの背後で翼竜の甲高い泣き声が聞こえた。
ディーネの指の間から身を乗り出して後ろを振り向くと、三匹のメタリック翼竜型ハンターが甲高く鳴きながら羽ばたいてオレたちを追いかけてくる。
三匹の翼竜型ハンターが甲高く鳴いて滑空しながら背中に装備した武器を撃つ。
銃弾が飛んで来てオレはディーネの手の中で屈み込み、ディーネの指に凭れて頭を両腕に埋める。
顔を上げてディーネの指の間から後ろを振り向くと、翼竜型ハンターが口を開けて飛んでくるのが見える。
オレは顔を戻してディーネに怒鳴り、ディーネの指を拳で叩く。
「ディーネ! 先にこいつらをなんとかするぞ!」
オレは舌打ちして斜め掛けの鞘に手をかけ、腰のホルスターに挿した金のオートマチック銃に手をかける。
ディーネが滑空しながらオレに振り向く。
「なんとかするだって? ワタシはどうすればいいんだい?」
ディーネの視線が翼竜型ハンターに移る。
オレは陽光が眩しくて顔の前を手で遮る。
「そんなのわかるわけねぇだろ! とりあえず、ハンターの攻撃を避けてくれ!」
オレは後ろを振り向いて、ディーネの指の間から翼竜型ハンターを見る。
ディーネが顔を戻してスピードを上げる。
「振り落とされるんじゃないよ! しっかり掴まりな!」
ディーネは左に右に飛びながら翼を羽ばたかせ滑空する。
ディーネが上昇する時、ディーネの右翼にプラズマ弾が命中し、ディーネは痛そうに鳴いて逆さまに下降する。
ディーネの両手が開いてオレはディーネの手から滑べり落ちる。オレはディーネに手を伸ばす。
「うわっ!」
一陣の風が吹いてオレは回転しながら後ろに飛ばされる。
「ディーネ! しっかりしろ!」
オレは両手足を動かして、なんとかディーネに近づこうとする。
苦しそうに顔をしかめ落ちてゆくディーネに手を伸ばす。
一匹の翼竜型ハンターが甲高く鳴いて滑空し、口を開けてディーネに近づく。
くそっ。オレは慌てて腰のホルスターに挿した金のオートマチック銃を抜こうと手をかける。
その時、オレの背後から一匹の翼竜型ハンターが大きな口を開けてオレに迫って来る。
オレは舌打ちして身体を捩って仰向けになる。
顔を上げて腰のホルスターから金のオートマチック銃を抜き、翼竜型ハンターの口に銃口を向けて両手で構える。
「お行儀悪いぜ?」
オレは捨て台詞を吐いて、金のオートマチック銃を撃つ。
銃弾が翼竜型ハンターが開けた口の奥に紅く輝いていた小さな宝石の様な物に当たる。
その瞬間、翼竜型ハンターが空中爆発してオレは爆風で吹っ飛ぶ。
熱気や破片が飛んで来て、オレは顔の前で腕をクロスさせる。
飛んで来た破片がオレの腕や足を掠め、オレは顔をしかめる。
っちっくしょう。なんだったんだ? あの赤いの。あれがハンターの弱点なのか?
クロスさせた腕の間から落ちてゆくディーネを見る。
ディーネの落下スピードが速くて、翼竜型ハンターが追い付けないでいる。
大きな影がオレの顔を暗雲の様に覆い、顔を見上げると、翼竜型ハンターのお腹が頭上に見えた。
このままじゃ、お陀仏だからな。それだけは御免だ。
オレは素早く腰のホルスターに金のオートマチック銃を挿して、銀のフックショットを抜く。
片目を瞑って、翼竜型ハンターのお腹に狙いを定めて銀のフックショットを撃つ。
勢いよくワイヤーが飛び出し、翼竜型ハンターお腹にワイヤーの先端が突き刺さる。
次の瞬間、オレは翼竜型ハンターに引っ張られ、銀のフックショットのグリップとワイヤーを握り締める。
「うわぁぁぁぁぁ!」
頬を強い風が撫で、オレの前髪が風で靡いている。絶対変な顔してる。
オレは必死に銀のフックショットのグリップとワイヤーを握り締め、ディーネを見やる。鼻水が頬に張り付いた。
ディーネはなんとか態勢を持ち直して炎を吐きながら翼竜型ハンターと戦っていた。
心配させやがって。銀のフックショットの引き金を引いても、何故かワイヤーが巻き取られない。
オレはワイヤーを引っ張ってみる。壊れてんのか?
オレは翼竜型ハンターを仰ぐ。ワイヤーを手繰り寄せて上がれってか。オレは変な顔をして首を横に振る。
ったく。この歳で貴重な体験するとはな。高所恐怖症じゃなくてよかったぜ。
オレは翼竜型ハンターを仰ぎながら、ワイヤーを手繰り寄せてワイヤーを上がってゆく。
その時、背後から翼竜型ハンターの甲高い鳴き声が近づいてきて、翼竜型ハンターの刃の様な鋭い口ばしがオレに迫る。
もう一匹お出ましかよ。オレはワイヤーにしがみつく。
「おいおい、マジかよっ!」
オレは思わず瞼を閉じる。片目を開けると、悔しそうに翼竜型ハンターが後方で口を開けて甲高く鳴いていた。
「ざまぁみやがれってんだ!」
オレは叫んで拳を突き上げ、口笛を吹いた。振り落とされそうになり、慌ててワイヤーを掴む。
オレは舌打ちしてワイヤーに掴まりながら左に右に揺られながら、腰のホルスターから金のオートマチック銃を抜いて、翼竜型ハンターに向けて引き金を引くが銃弾が放たれない。
今度は弾切れかよ。やれやれだぜ。オレはワイヤーにしがみついたままため息を零す。
ホルスターに金のオートマチック銃を挿そうと思ったら、ワイヤーに銃弾が当たってワイヤーが嫌な音を立てて切れる。
おいおい、頼むから切れるなよ? オレは祈るような気持ちで少し切れたワイヤーを見つめる。
オレの気持ちも虚しく、ワイヤーはオレの体重に耐えられずに切れた。
左手に金のオートマチック銃を持ち、右手に銀のフックショットのワイヤーを握ったままオレは落ちる。
下を振り向くと大きな口を開けて翼竜型ハンターが両翼を広げ迫って来た。
頼むから、こいつに食われるのは勘弁だからな。オレは顔を戻して瞼を閉じ、顔の前を手で遮る。
その時、何かが回転する様な金属音がしてオレは思わず瞼を開ける。
紅く光る回転した刃が翼竜型ハンターの身体を貫き、真っ二つになった翼竜型ハンターの残骸が火花を散らし落ちてゆく。
オレに向かって甲高く鳴いて口を開けて滑空するもう一匹の翼竜型ハンター。
腹にはワイヤーが突き刺さったままで、ワイヤーが風に揺られ垂れ下がっている。
紅く光る回転した刃が翼竜型ハンターの首を切り落とす。首なしの翼竜型ハンターの残骸が火花を散らし落ちてゆく。
二匹の翼竜型ハンターの残骸が落ちてゆく。
紅く光る回転した刃を眼で追うと、爆発して小さなミサイルになり、落ちてゆく二匹の翼竜型ハンターに飛んでゆく。
ミサイルの雨が落ちてゆく二匹の翼竜型ハンターに突き刺さり、やがて空中爆発して凄まじい衝撃波が起こる。
ディーネを見上げると、首を振りながら翼竜型ハンターの首に噛みつき、翼竜型ハンターの首を引きちぎって放り投げた。
その時、オレの背中にごつごつとした硬い物が当たり、後頭部を思いっきりぶつける。
後頭部を擦り、オレは金のオートマチック銃と銀のフックショットをホルスターに挿し、片手でごつごつした黒い岩のような肌を触る。
「石頭で良かったぜ。なんだこれ?」
ごつごつとした黒い岩のような肌が右に傾き、オレは慌てて振り落されないようにごつごつした肌に掴まる。
黒い翼、黒い尻尾、黒い首と頭。オレは黒色ドラゴンの背中に乗っていた。
黒色ドラゴンがディーネの傍に寄り、翼を羽ばたかせてディーネと並んで飛び、ディーネに振り向く。
「お姉さま! 助太刀に来ましたわ! ハンターに手こずってるようですわね。この子は助けましたわよ」
黒色ドラゴンはオレに顎でしゃくる。
ディーネが嬉しそうにお腹を両手で叩き炎を吐く。
「フィーネじゃないか! 久しいね。ようやくお目覚めかい? 記憶が曖昧だが、妹は忘れてなかったみたいだ。……おっと、話をしている場合じゃなさそうだね。奴らのお出ましだ」
ディーネがフィーネに振り向くが、何かに勘付き後ろを振り向く。
オレはディーネの視線を追い、額に手を当てて目を凝らした。
背後から、三匹のメタリック翼竜型ハンターが飛んでくるのが見えた。
フィーネも後ろを振り向いて、顔をディーネに戻して肩を竦める。
「お姉さま、どうしますの?」
ため息を零して、フィーネは翼竜型ハンターに振り向く。
こいつらが姉妹だって? 似てないだろ。
オレはフィーネのごつごつした肌に掴まりながら首を傾げ、否定するように首を横に振った。
ディーネは身体を起こし、両翼を大きく広げて羽ばたかせ滞空する。胸を張って拳で胸を叩く。
「ここはワタシに任せな。フィーネ、あの子を追うんだ。匂いでわかるだろ?」
ディーネは顎をしゃくり、尻尾を垂らして腕を組んで不敵に笑う。
フィーネも滞空して瞼を閉じて何かの匂いを嗅ぐ。
「ええ。確かに、人間の女の子がハンターに追われているみたいですわね。状況は悪そうですわ」
フィーネは真っ直ぐ首を伸ばし、空の向こうを見ている。
ディーネは瞼を閉じて肩を竦めて首を横に振る。
「ハンターもしつこいね。ちょいと炎で追い払ってくるかね。フィーネ、その子を守ってやりなっ」
ディーネはオレに顎でしゃくるとハンターに振り返り一気に加速して、翼竜型ハンターの元に飛んでいった。
オレはディーネとフィーネの姉妹のやり取りを黙って瞬きしながら見ていた。
翼竜型ハンターの元に飛んで行ったディーネの背中を心配そうにオレは見送る。
「なんかしんねぇけど助かったぜ。ディーネ大丈夫なんだろうな?」
オレはディーネに振り向いたまま、額に手を当ててディーネに目を凝らす。
フィーネが急に身体を起こしたので、オレは滑り落ちそうになり慌ててごつごつした黒い岩の様な肌に掴まる。
「ええ。お姉さまなら、なんの心配もいりませんわ。さっ、あたくしたちは彼女を追いかけますわよ!」
フィーネは一気に加速した。
ったく、姉妹揃ってオレの扱い乱暴だな。
オレはごつごつした黒い岩の様な肌に掴まりながらそう思った。
☆続く☆ 追手終了後のおまけ ゲスト:フィーネ
作者:さっそく新キャラのフィーネさんをお呼びしています。フィーネさん、どうぞ。(スタジオ内拍手)
フィーネ(人間):よろしくお願いしますわ。そうそう。あたくし、お姉さまと同じで人間の姿になれますの。
作者:ドラゴンだとスタジオに入れませんからね。わざわざありがとうございます。(机に手を突いて頭を下げる)
フィーネ:お気になさらずに。それより、あたくし新キャラなのにゲストで来てよかったのかしら?
作者:僕に言われても・・・番組ディレクターが決めたことですので・・・なんとも言えません。
フィーネ:そうですわよね。ところで、この差し入れのケーキ食べていいのかしら?
作者:ええ、どうぞ。スタッフが近所のスイーツ屋さんで買ってきたんですよ。
フィーネ:それじゃ、頂こうかしら。(紅茶を飲みながら、スイーツをお上品に食べている。しかも全部)
作者:……フィーネさんって甘党なんですね。全部食べちゃうとは、参ったなぁ。(僕も食べたかったのに)
フィーネ:では、あたくしはこれで失礼しますわ。モデルの仕事がありますので。(勝手に帰っちゃった)
作者……今回のおまけって、何だったんだろ……しかも、フィーネさんってモデルのお仕事されてるとは意外だ。美人だもんな。
☆END☆
今回のおまけは、さっそく新キャラを出してみました。




