大型肉食恐竜型ハンター
☆前回のあらすじ☆ ナレーション:カイト
ディーネの結界に罅が入り、ディーネの悪ふざけでオレとディーネは揉める。
あいつはドラゴンになると態度がデカくなるから嫌いだ。まあ、人間の姿をしたディーネも嫌いだけどな。
そんな時だ。小さな竜に乗った少女がメタリックの翼竜に追いかけられていた。
また面倒な事になってきたぜ。つうか、マジで禁断の森は観光スポットになったんじゃねぇか?
お次はでけぇハンターが襲ってきやがって、オレはハンターに人気らしい。
☆大型ハンター☆
その時、地響きとともに向こうから咆哮が聞こえた。
メタリックの大型肉食恐竜型ハンターが紅い眼を鋭く光らせ、突進しながら大きく尻尾を振り、大きな口を開ける。
口の中の砲口が伸びてキャノン砲が衝撃波とともに放たれる。
大型肉食恐竜型ハンターの背中に装備された二台の大きなガトリング砲の銃身が勢いよく回転しながら火を噴き撃ってくる。
地面にキャノン砲が当たり、地面に大きな穴が開き、地面が大きく揺れる。
地面にガトリングの弾が当たる度に土埃が舞い、小石が凶器と化し飛んでくる。
大型肉食恐竜型ハンターの後から、メタリックの小型獣型ハンターの群れが一斉に背中の武器を撃ち、オレたちに襲い掛かる。
オレは顔の前を手で遮りながら呆然と立ち尽くし、大型肉食恐竜型のハンターを見上げ、その図体のデカさに息を呑む。
向こうも本気みたいだな。古代人はとんでもねぇもん創ってくれたもんだぜ。
こんなもんが外に出たら大変なことになるぞ。なんとしてでも、こいつらを止めねぇと。
大型肉食恐竜型ハンターは、小型獣型ハンターに振り向いて大きく口を開けて吠える。
まるで獲物の邪魔するなと言われているようで、攻撃を止めて戸惑う小型獣型ハンター。
小型獣型ハンターは大型肉食恐竜型のハンターに牙を向けて威嚇したり、吠えて威嚇している。
大型肉食恐竜型ハンターはぶるぶると頭を振って小型獣型ハンターを片足で踏み潰す。
大型肉食恐竜型ハンターに踏み潰された小型獣型ハンターは頭を上げて吠え、頭が地面に突く。
小型獣型ハンターの紅い眼が点滅して消え、小型獣型ハンターからばちばちと火花が散っている。
大型肉食恐竜型ハンターがオレに襲い掛かろうとしている小型獣型ハンターを銜えて放り投げ、口の中の砲口が伸びてキャノン砲で小型獣型ハンターを撃つ。
小型獣型ハンターが空中で身体を起こすのも虚しく空中爆発する。
大型肉食恐竜型ハンターは尻尾で小型獣型ハンターを薙ぎ払い、口の中の砲口からキャノン砲で小型獣型ハンターを撃っている。
小型獣型ハンターが大型肉食恐竜型ハンターと戦っている。
オレはこの隙にディーネの元に駆け寄った。
「おいディーネ! なんとかしろ!」
オレは大型肉食恐竜型ハンターに振り向く。
ディーネの結界を壊すのに手こずって仲間割れか? おめでたいな。
その時、ディーネが素早く飛んでオレの背後に飛び降りて砂埃が舞う。
オレは立ち止って振り返りディーネを見上げ、砂埃が眼に入らないように顔の前を手で遮る。
「なにしてんだい! ワタシの尻尾に掴まりな!」
ディーネがオレに振り向いて怒鳴る。
オレは我に返って頷き、振り返って目の前にあるディーネの尻尾の先端に生えている棘に滑り込んですがる。
小型獣型ハンターがオレたちに気付き、背中に装備した武器で襲い掛かってくる。
大型肉食恐竜型ハンターはオレたちに見向きもせずに、小型獣型ハンターと戦っている。
ディーネの皮膚は頑丈で攻撃を通さず、ディーネの硬い皮膚に攻撃が当たる度に小さく火花が散る程度だった。
ディーネは吠えて小型獣型ハンターを片足で蹴ったり踏み潰したり、尻尾で薙ぎ払ったり。
ディーネの尻尾が刃の様に風を切る。
「うわぁぁぁぁぁ!」
オレは振り落されないようにディーネの尻尾に掴まるのがやっとだった。
ディーネは大きく息を吸いながらお腹を叩き、大きな口を開けて最大火力の白い炎を吐いた。
広範囲にディーネの吐いた白い炎が広がる。
ディーネが吐いた炎の熱気が飛んで来て、オレは顔の前を手で遮る。
次々と小型獣型ハンターがディーネの炎でどろどろに溶けてゆき、地面に鉄の泥と化す。
その時、ディーネの炎の中から一匹の小型獣型ハンターが飛んで来てオレに襲い掛かる。
小型獣型ハンターが背中に装備したレーザーキャノンを撃ってくるが、ディーネが素早く尻尾を振ってくれて避けれた。
オレは舌打ちして、腰のホルスターから金のオートマチック銃を抜いて小型獣型ハンターを撃つ。
二三発で小型獣型ハンターは爆発した。爆発の熱気が飛んで来て、オレは顔の前を手で遮る。
オレはディーネの尻尾の棘に掴まりながら口笛を吹いて拳を突き上げる。
「いいぞ! ディーネ!」
オレは金のオートマチック銃の銃口に感謝の気持ちを込めてキスした。ありがとな。
その時、大型肉食恐竜型ハンターがディーネに振り向いて吠える。
大型肉食恐竜型ハンターが大きな口を開けて、口の中の砲口からキャノン砲を撃ってくる。
ディーネは素早く羽ばたき、大型肉食恐竜型ハンターの背中に乗っかる。
ディーネは大型肉食恐竜型ハンターの背中に装備されたガトリングガンの銃身を噛み砕く。
大型肉食恐竜型ハンターは吠えて、暴れてディーネを振り落とす。ディーネは素早く起き上がる。
大型肉食恐竜型ハンターとディーネが睨み合い、お互いに攻撃のチャンスを窺っている。
大型肉食恐竜型ハンターが吠えて頭からディーネに突っ込み、ディーネに体当たりを食らわす。
ディーネと大型肉食恐竜型ハンターが取っ組む。
一瞬のディーネの隙を見て大型肉食恐竜型ハンターは尻尾でディーネを薙ぎ払う。
ディーネは吠えながら吹っ飛び、オレは手の汗でディーネの尻尾の棘を掴んでいた手を放してしまい、背中を地面に打ち付ける。
地面に背中を打ち付けた衝撃と、ちょうど金のオートマチック銃を握っていた手首に小石が当たり食い込む。
オレは手首が痛くて顔をしかめ、金のオートマチック銃を手放してしまう。
「くそっ」
顔をしかめて上半身を起こすと、目の前に大型肉食恐竜型ハンターの紅く鋭い眼が光る。
鋭い牙を覗かせて低く唸り、鼻の穴から鼻息が飛び、オレを嗅いでいる。
オレは大型肉食恐竜型ハンターから顔を背け、じっとして瞼を閉じてそっと瞼を開ける。
大型肉食恐竜型ハンターの紅く鋭い眼から赤いレーザーが放たれ、機械的な音を鳴らしオレをスキャンしている。
大型肉食恐竜型ハンターの強い鼻息で、金のオートマチック銃が向こうに飛ぶ。
オレは歯を食いしばって顔の前を手で赤いレーザーを遮る。
動悸が高まる。様子を見ながら肘を地面に突いて尻と足を少しずつ動かし、オレは金のオートマチック銃に手を伸ばす。
あと少しで金のオートマチック銃に手が届かず、オレは動悸が乱れ息を何度も吐きながら、肘を地面に突いて尻と足を動かす。
オレはやっと金のオートマチック銃を掴み、肘を地面に突いて肩を竦め、鼻と喉を鳴らして笑う。
「なんだよ? 散々オレを追っておいて、今更餌の確認か?」
オレは金のオートマチック銃を握り締めている手を上げる。
手と額に冷や汗を掻いている。
片目を瞑り、大型肉食恐竜型ハンターの紅く鋭い眼に狙いを定めて撃つ。
大型肉食恐竜型ハンターの紅く鋭い眼に銃弾が命中し小さく爆発した。
大型肉食恐竜型ハンターが身体を起こし頭を上げて苦しそうに咆哮を上げ、尻尾を激しく振って暴れ回る。
オレは慌てて立ち上がり、大型肉食恐竜型ハンターの腹の下を通る。
大型肉食恐竜型ハンターを見上げ、腰のホスルターに金のオートマチック銃を挿す。
必死に両手を振って樹の影に向かって全力で走る。
前の鉄の泥を避けようと思ったが、鉄の泥が他の鉄の泥に吸い寄せられるように次々に集まってゆく。
オレは首を傾げ、大型肉食恐竜型ハンターに振り向く。
顔を戻すと、鉄の泥の上を飛ぶ、一匹の小型獣型ハンター。
オレは素早く斜め掛けの鞘から剣を抜き、剣を横に構える。
小型獣型ハンターに押し倒され、オレの背中が地面に打ち付けられる。
小型獣型ハンターの背後で、集まった鉄の泥が鉄の塊となり、鉄の塊が盛り上がって徐々に何か形造ってゆく。
その異様な光景にオレは思わず顔をしかめる。
視線を戻すと、小型獣型ハンターの鋭い牙がオレの顔の前まで何度も噛みつこうと近づいてくる。
小型獣型ハンターの涎がオレの頬にべっとりと張り付き、嫌な感じがした。
剣を横に構えるオレの両手が震え始め、今にも小型獣型ハンターがオレの顔を喰おうとしていた。
その時、オレの横から飛んで来た炎の玉が小型獣型ハンターに直撃する。
小型獣型ハンターは炎の玉に押されて吹き飛び、咆哮を上げて横に倒れる。
鉄の塊が横に倒れた小型獣型ハンターまで伸び、鉄の塊が口を開けて小型獣型ハンターを飲み込む。
身動きが取れず、必死に首を振る小型獣型ハンター。
オレは上半身を起こしたまま鞘に剣を収め、呆然とその様子を眺めていた。
オレの横からディーネが羽ばたきながら、悠々とオレに近づいてくる。
「奴ら一つに固まって大型肉食恐竜型ハンターに変身するつもりだ。面倒な事になる前にここから逃げるよ!」
ディーネがしっかりと両手でオレを掴んで一気に上昇する。
オレは胆を冷やして、額の汗を手の甲で拭い息を吐く。
「おせぇんだよ、ったく。とりあえず、危機は免れたな……それにしても、お前がくれた銃とんでもねぇな」
オレはディーネの掌を肘で小突き、金のオートマチック銃を挿しているベルトを軽く叩く。
眼下に鉄の塊が大型肉食恐竜型ハンターの形を成してゆく。
頭と尻尾を激しく振りながら吠え、樹に身体をぶつけて暴れている大型肉食恐竜型ハンター。
オレは身を乗り出し、奴らを見下ろして口笛を吹く。
ディーネがオレに振り向く。
「あの子を追いかけるんだろ? 言われなくてもわかってるよ。しっかり掴まりな!」
ディーネがため息を零して首を横に振り、一気に加速する。
オレは胡坐をかいて後頭部で手を組んだ。
その時、オレの背後で翼竜の甲高い泣き声が聞こえた。
身を乗り出して振り向くと、三匹のメタリックの翼竜型ハンターが甲高く鳴きながら羽ばたいてオレたちを追いかけてくる。
三匹の翼竜型ハンターが甲高く鳴いて背中に装備した武器を撃つ。
☆続く☆ 大型ハンター終了後の雑談 ゲスト:カイト・ディーネ(人間)
ディーネ:ジャジャーン。見ろ、禁断の森で見つけたでっかい卵じゃ。
カイト:……なんかヤバい気しかしねぇんだけど。その卵って、恐竜の卵じゃないか?
ディーネ:そんなわけなかろう。この卵はハンターの卵じゃ。
カイト:ちょっと待てよ。ハンターって卵産むのか?
ディーネ:そうじゃ。ほれ、卵食うてみ。美味いぞ。
カイト:……しょうがねぇな。ディーネを信じて食うか。
ディーネ:どうじゃ? ハンターの卵、美味いじゃろ?
カイト:……これって、卵チョコじゃねぇか。それにしても、ディーネってスイーツまで作れるのか。
ディーネ:むふふふ。引っかかったな。じゃが、禁断の森でハンターの卵を見かけたのは本当じゃぞ。
カイト:それって…… ☆END☆
今日、ジュラシックワールドを観てきたので、おまけはジュラシックワールドを観て思いつきました。