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ディーネとカイト

☆前回のあらすじ☆ ナレーション:カイト


ディーネから魔物の正体を聞かされた。奴らは古代人が創り出した魔物らしい。

めんどくせぇことにプログラムが暴走して、奴らは姿を変えやがる。ディーネさえも認識しないときたもんだ。

オレは奴らを味方につけて野営地を奇襲してミサとネロを助ける案をディーネに出した。

ディーネは賛成したが、どうやって奴らを味方につけるかが問題だった。

ディーネから新しい銃を貰い、オレは先が思いやられる。そんな時、ディーネの結界に罅が入った。


☆ディーネとカイト☆


 ディーネは腕を組んでそっぽを向き、鼻と喉を鳴らして笑う。

「わかっとるわい。せいぜい振り落とされんように気を付けることじゃ」

 ディーネはびしっとオレを指さすと、不敵に笑って片方の指を弾いて鳴らす。

 すると、ディーネの身体がぼんっと音を鳴らして白い煙に包まれる。

 オレは煙臭くて咳き込み、煙を手で払いながら煙に目を凝らす。

 数秒後に一陣の風が舞い、白い煙の中から両翼を広げて雄叫びを上げ、二本足で立った白色のドラゴンが現れた。

 ディーネは炎を吐いて火の粉が舞い、両手を地面にどすんと突いた。

 間抜けなことに火の粉がディーネの翼に降って、ディーネの翼に火が点く。

 ディーネは翼に点いた火を消そうと必死に翼を羽ばたかせたり、翼に振り向いて鼻息を吹いたりして暴れている。


 オレはそんなディーネを見て、腰に手を当てて額に手を当て、瞼を閉じてやれやれと首を横に振る。

「なにやってんだよ。無暗に炎吐くからだろ。火事になるだろが」

 オレは瞼を閉じたまま肩を竦めてため息を零す。


 ディーネが暴れる度に地響きと、翼を動かす度に悪戯に風が舞う。

「ちょっとドジッタだけだろ!」

 ディーネが地面を左に右に転がりながら、やたら暴れながらの怒声が聞こえる。

 ディーネがオレの傍で立ち止り、オレは何かと思いディーネを見上げる。

 ディーネは不敵に笑い、腹いせに荒い鼻息を吐くとオレは吹っ飛んだ。

 オレは顔の前で両腕をクロスさせる。

「なにするんだよ! お前、ドラゴンになると態度がでけぇんだよ!」

 オレは吹っ飛びながら腕を下げて叫び、ディーネに拳を振り上げる。


 オレは尻を盛大に地面に打ち付け砂埃が舞う。

 尻を擦りながら、ディーネを指さす。尻に小石が食い込んで痛い。

「ディーネ! 覚えてろよ! こいつで仕返ししてやるからな!」

 オレは胸のオーヴを握り締め、片方の手でオーヴを指さした。

 ディーネは二本足で立って腕を組み、鋭い牙を覗かせて不敵に笑いオレを見下ろしている。

「オーヴの力もロクに使いこなせないひよっこがかい? 笑わせるんじゃないよ。……ここにいると危険だ。さっさと逃げるよ」

 ディーネはオレを皮肉った後に、何かを感じ取ったのか急に空を仰ぎ、瞼を閉じて肩を竦めて首を横に振る。

 両手を地面に静かに突いて、首を左右に振りながら四本足でオレに近づく。

 オレは胡坐をかいて不思議に思って腕を組んで首を傾げる。

 ディーネはオレの傍まで来ると背中に乗れと言わんばかりに、ディーネは両翼を羽ばたかせて顎をしゃくる。


 オレは立ち上がってズボンの汚れを両手で払う。

 オレが顔を上げるとディーネは不敵に笑い、またディーネは鼻息でオレを吹き飛ばす。

 今度は樹の幹にオレの背中が激突する。背中が軋んだ。

 樹の幹からずり落ちて、地面に尻を強く打ち付ける。

 オレは尻が痛くて尻を擦りながらディーネを指さす。指さす手に力を入れて、手が震える。

 あいつ、オレに恨みでもあるのかよ。

 オレをオーヴの主と認めたわけじゃないから苛立ってるのか?

「てめぇ! 絶対わざとだろ! オレを引っかけやがったな!」

 尻を擦りながら顔を上げると、切り株ベットや木の枕、木のテーブルが消えていた

 魔道具ってやつか。いいよな、魔法が使える奴は。


 オレがディーネに顔を戻すと、ディーネは瞼を閉じて二本足で立ち上がり肩を竦める。

「引っかけたつもりはないんだけどねぇ。ただ、お前をオーヴの主と認めたくないだけさ。状況は不味くなってるのは確かだよ」

 ディーネは地面の匂いを鼻で嗅いだり、しきりに頭を上げて左右に首を振る。


 オレは尻を擦りながら、怒りでディーネに拳を振り上げる。

「おい、ディーネ! 少しくらい休憩させろ! さっき食ったばっかだぞ!? 戻しちまうだろ!」

 オレは舌打ちして、おもむろに立ち上がりズボンの汚れを両手で払い落とす。

 急な運動でげっぷが出そうになり、オレは慌てて口許を押さえてお腹を優しく擦る。


 その時、甲高い鳥の様な泣き声が聞こえてオレは空を仰ぐ。

「なんでこんな目に遭わないといけないのよぉぉぉぉぉ! マジ最悪なんだけどぉぉぉぉぉ!」

 小さい竜の背中に乗った少女の叫び声がオレの頭上を通り過ぎる。

 少女は黒いローブを着てフードを被っていた。


「なんだ?」

 オレは不思議に思って顔を上げたまま額に手を当て、少女の声がした方に目を凝らす。

 二匹のメタリックの翼竜が甲高く鳴きながら、紅い眼を鋭く光らせて少女の後を追っている。

 ハンターが背中に装備したマシンガンやレーザーキャノンを少女に撃ちながら。

 少女はハンターに振り向き、少女の掌から炎の玉が放たれ、少女は魔法攻撃でハンターに抵抗している。

 オレはハンターが飛び去った方を仰ぎ、舌打ちしてディーネの元に駆け寄る。

「なにしてんだ! 彼女を追いかけるぞ! どうにかしてハンターを味方につけるしかねぇだろ」

 ディーネが二本足で立って、瞼を閉じて肩を竦めて首を横に振りながらオレに近づく。

「そりゃ頼もしいね。どうやってハンターを味方につけるか知らないけど、楽しみにしてるよ。まったく、いつから禁断の森は観光スポットになっちまったんだい?」

 ディーネは少女が飛んで行った方の空を心配そうに仰ぐ。


 その時、地響きとともに向こうから咆哮が聞こえた。

 メタリックの大型恐竜型のハンターが大きな口を開け、口の中の砲口が伸びてキャノン砲が放たれる。

 背中に装備された二台の大きなガトリング砲の銃身が勢いよく回転しながら撃たれる。

 地面にキャノン砲が当たり、地面に大きな穴が開き、地面が大きく揺れる。

 地面にガトリングの弾が当たる度に土埃が舞い、小石が飛んでくる。

 大型恐竜型のハンターの後から、メタリックの小型の獣型ハンターが一斉に背中の武器を撃ってオレたちに襲い掛かって来た。

 オレは顔の前を手で遮りながら呆然と立ち尽くし、大型恐竜型のハンターを見上げ、その図体のデカさに息を呑む。


☆続く☆ ディーネとカイト終了後の雑談コーナー ゲスト:ミサ・ネロ・カイト


ミサ:最近、あたしの出番ないんですけど! 可愛さアピールできないじゃない!

ネロ:ミサ落ち着け。ボクらの出番が少ないのは仕方がないだろ。

ミサ:そ、そうね。あたしったら、取り乱しちゃった。それに、ネロと一緒にいるし。フフフフフッ。

カイト:お前、変だぞ。ネロとデートできなかったからって、まだ根に持ってるのか?

ミサ:べ、別にそういうわけじゃないわよ。あたし、顔がニヤケてた?

ネロ・カイト:……

ネロ:ミサ、前から言おうと思ってた。ミサのことが好きだ。

ミサ:えっ? ええーっ!? ほ、ほんとに!?

ネロ:ああ。幼馴染として。

カイト:やっぱり……

作者:…… ☆END☆





ちょっと更新が開きましたが、お待たせしました。いや~、ほんとに毎日暑いですね~。みなさん、夏バテに気を付けてくださいね。水分と塩分補給をこまめに。

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