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クズが異世界を通ります  作者: 山崎トシムネ
第5章「セオス教」
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「新米指揮官」

万里の長城が如く終わりの見えない長蛇の列を成し、王国領都市を攻撃している魔王軍は主力を3つの戦線に分けている。



1番巨大な都市であり、以前巨大な共同墓地を襲撃したトイエスを攻める中央の戦線はミノタウルス君が指揮している。


因みにトイエスは治めていた領主が急に代わり、現在は反王家派の貴族が治めているらしい。




そして農村や小さい村々が点在している穀倉地帯である北部戦線を担当する軍はオームとリザロ。




最後に帝国の介入があったとされる南部都市モルガンを攻める南部戦線はホークマンのホー君と竜人のドラ男のコンビである。


名前から分かるように、この都市は反王家派貴族の中心であるモルガン公の本拠地であり、1番守りが堅いと目されている。


1番の難題だからこそ、野心溢れる2人が真っ先に名乗り出たと言うことだ。





そして中央戦線ミノタウルス軍はというと…





「ミノタウルス様!トイエス市街地に魔法が着弾!敵の混乱具合から、かなりの打撃を与えたと思われます」



「ウム…」




ミノタウルス君は実に基本に忠実である。以前経験した帝国都市バフースの攻防戦の際に魔王が用いた作戦…魔法による爆撃の後に接近戦に長けた部隊の投入という実に定石通りの戦術を用いているようだ。



しかし今回の戦は"想定外"が無い限り、脆弱な王国軍相手に損害をあまり出さないように魔王から命令が出ている。更に魔王は"練習"という言葉を用いていた事を考えると、実験的に各戦線に配備されているあの部隊を用いるべきなのでは?



ミノタウルス君はそう考えた後。



「ジュジュツシニメイレイヲ!"スケルトンウォーリアー"ヲシュツゲキサセヨ!!」



ミノタウルス君の命令を受け、無慈悲な殺戮マシーンが王国都市トイエスに放たれたのだった。










北部戦線



「なあリザロ、農村ばかりと言われていたが…これはあんまりじゃないか??」



「そう言うなオーム。これも立派な任務だ」



リザロとオームを待ち受けていたのは、余りにも脆弱な抵抗であった。



正規軍など姿は全くと言っていいほど見当たらず、たまに出会う武装集団はこちらの姿を見て決死の思いで立ち向かってきた武装したただの農民達であった。




「この、、この化け物共め!!!!!」



1人の農夫が鎌でオームを切りつけるも…




「おお、流石天下に名高いダークドワーフ製の鎧。この程度の攻撃では傷一つないか」




「あ…あぁ…」



その様子を見て腰が砕けてしまった農夫は、魔王軍兵士によって拘束されていく。




「それにしても…やる事が無いな。何か騒ぎでも起こってくれないものかね?」



「おいオーム。いい加減口を慎め!魔王様からの任務中だぞ?」



「へいへい。全く、ホー君にドラ男が羨ましいぜ」




そんな2人の元に、伝令が走ってくる。



「オーム様にリザロ様!何やら大声で騒ぐ捕虜がいまして…少し揉めております」





兵士の報告に喜色を見せるオーム。


「お!!なんだーそいつは?」



「そやつは何と申している?」





リザロの問いかけに伝令の兵士は…





「何でも"セオス教"の大神官だとか叫んでおります」

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