「褒賞」
魔王軍内にて突如開催された武闘会から数日が過ぎ、参加者達は再び魔王の元へと集められた。
「えー、、、諸君!!この度の戦い、誠に見事であったぞっ!」
利央は自身が思う王様らしい態度を必死に作りながら宣言する。
普段着ることのない豪華なローブを大袈裟に振り回す様子は何処と無く滑稽であり、人目を憚らず爆笑するシャーリーやジーバ君を始め、厳格な性格で知られるゴブ一郎も笑いを堪えているようであった。
それでも武闘会に参加した者達は、そんな魔王の様子に感銘を受けているようで…
「魔王様!!ありがたき幸せに御座います!!!このオーム!これからも魔王様の為により一層の努力を…」
「あー、うん。ありがとうオーム」
「おぉ!!魔王様に名前を呼ばれるなんて…このオーム、我がオーク生に一変の悔いな…」
「ちょっとうるさいよオーム」
「お、、、おぉぉぉおおおお!!申し訳ありません魔王様ぁぁあああ!!!」
利央は目の前で泣き崩れる非常にめんどくさいオークをスルーして、本来の目的を果たすべく動く。
「さてみんな。今回は俺の思いつ…じゃなくて、お…お、俺の為に戦ってくれてありがとうな」
利央が横目でシャーリー達を見ると、相変わらず爆笑していた。
「更にゴブ一郎という激ムズミッションにも果敢に挑んだお前達に褒美を与えようと思う」
「「「おお!!」」」
「ホウビナンテモッタイナイデス」
空気の読めないミノタウルス君が、挑戦者達に冷ややかな目で見られるが
「いやいやミノタウルス君、良いんだよ。人も増えたし、前々から幹部を増やそうって話は出てたんだから」
「ナント!!」
「ってことで君達は見事幹部に昇格です!!」
「「「おぉぉおお!」」」
「ミノタウルス君が統括?総統?的なポジションで、他の4人は魔王軍四天王という事になりまーす」
利央の言葉を受け、一同は…
「おぉぉぉおおおおお!このオームが幹部になるとは…おぉぉぉおおおおおーリザロぉおおおお!!!」
「ふっ、良かったなオーム!お、おいっ!そんなに抱きつくな」
「これで一族の復興も…」
「おい鳥、一族の復興とは何だ?」
「うるせぇよ鱗野郎!!兎に角!!良かったな!」
「ああ、そうだな」
「コ、コノワタシガ…。マオウサマ、ソウトウトハシテンノウヲマトメルヤクトイウコトデヨロシイノデスカ?」
「ん?あー、そうだね。ミノタウルスがその5人の中じゃあ最強だし。取り敢えずゴブ一郎の下について、魔王軍全体をまとめる感じで頼むわ!」
「マオウグンゼンタイヲ?!?!…カシコマリマシタ。コノワタシガイノチヲカケテツメテサセテイタダキマス」
「うんうん。頑張ろうな」
昇格を告げられ、思い思いに喜び合う面々を見て、利央は満足そうに頷くのだった。
「よし!じゃあお前ら、最初の仕事だ!」
利央の声に5人は直ちに臣下の姿勢を取り、聞き入る。
「魔王軍全軍に召集をかけろ!!魔王から大事な話があるからってな」
「「「了解しました」」」
散らばっていく5人の背中を見ながら、利央はジーバ君とシャーリーの元へと向かうのだった。




