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クズが異世界を通ります  作者: 山崎トシムネ
第6章「クズ VS 神」
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「戦後処理」

利央とナナ、それに龍たちがクーズー城に帰ってから数日後。


陸路にて帰路についていたジーバ君やゴブ一郎、それにアラちゃんにミランダがクーズー城へと到着した。



重症を負っていたゴブ一郎とアラちゃんはすぐさまドラ男君が治療を受けている集中治療室的な魔王軍中から集めた回復魔法の使い手たちによる治療部屋へと運ばれた。



ミランダの応急処置のおかげで命に別状は無いらしいが、欠乏した魔力が元に戻るまでは数ヶ月はかかるらしい。




それと王国南部都市モルガンについてだが、あの後直ぐに中部都市トイエスに駐留しているミノタウルス君に使いを出してモルガンに進軍してもらった。



都市は既に壊滅状態だったし、これといった抵抗もなくモルガンを掌握したとの事だ。



反王家貴族筆頭で自分の民を見捨てたモルガン公とかいう"クズ"野郎だが、あの後直ぐに姿を消してしまったらしい。



俺はクズだが自分の民を見捨てるような真似は絶対しない。モルガン公とかいう奴にはいつか然るべき報いを受けさせてやろうかな…などと思ったりもする。



自分以外どうでも良かった…いや、金のこと以外どうでも良かったあの頃に比べれば、少しは成長してたりもするのかな?…




兎に角、我が魔王軍は王国の西半分を見事(?)に奪い取ることに成功したのだ。



あの国王もさそがし喜んでることだろうね、結局反王家の軍全部倒したの俺らだし。



まあ、オベロン王国が今後国土奪還とか言って攻めてくる可能性も低いでしょ。



スケルトンウォリアーたった一体に都市の守備隊や冒険者が全滅するような国だもん。


ちゃんとした軍隊はまた別かもしれんけど…まあ、普通の思考なら攻めてこないよね?



王国や帝国は取り敢えず放っておいて、目下の目標は…




「セオス教国か」



魔王軍の主だったメンバー(怪我をしている3名を除いた)が集められた会議の場で、利央は思わず声を漏らした。




「我々は幹部3人を始め、多くの者が奴らにやられていますぞ。このままって訳にはいきますまい」



「そうよ!次の戦いは私も参加するからね!!」




「それは勿論なんだけど………この人たちまでなんで会議に参加してんの?」



利央の指差した先には



「我々は教国の出身とは言え、無害ですので!どうかお気になさらずに!」



「先生!そのような言い方では返って怪しく聞こえてしまいますよ!」



フォーブルとソフィーもしれっと会議に参加していた。



「まあ、あの国は帝国よりも人間至上主義が色濃い国ですしな。そこのエルフが教国の関係者ということもないでしょう」



「でもジーバ君。関係の無い人に作戦の内容が…」



「いや、彼らもそこまで愚かでは無いと思いますぞ」



ジーバがちらっと視線を動かした先には、数百年という時を生きたまさに生ける伝説とも言える白龍、ハクの姿があった。




「あははは、、勿論ですよ」



「先生…」



情けないフォーブルの姿に幻滅している様子のソフィーであった。




「取り敢えずこれからどうしようか…。王国の西半分の統治は取り敢えずミノタウルス君に任せようと思うんだけど異論ある?」




「いいんじゃないかしらぁ〜。彼、ああ見えてマメな性格の様だしねぇ〜」



「ミランダ姐さんとは正反対ですね…」



「あらシャーリーちゃん。言うわねぇ〜」




「オームとリザロはどう思う?」




「「わたしは 俺は …!!」」



オームとリザロの2人の声が見事に被り



「「………」」



その後2人とも沈黙する。




「なんだぁお前ら?その感じは、喧嘩したカップルみたいだぞ」



「魔王様!!カップルとはなんでしょうか?」



「…」



「まあまあ、早めに仲直りしろよ!全く、あんだけ仲良かったのに、そんな感じ出されたら直ぐに気づくわ!」



「すみません!気を遣わせてしまい」



「…」




リザロとオームの2人は常に一緒にいたはずだが、ここ最近は特にオームの方が明らかにリザロを無視しているのが分かる。というか明らか過ぎて全員分かっている事なのだが…。




「統治はこれでいいとして…あとは使徒についてか」



利央が使徒と口にすると、会議に参加している面々の顔は一段と引き締まったように見えた。



「さあて、ミランダ姐さん。流石にそろそろ知ってることを話してもらうよ」



「あら?うーん、、、まあいいわよぉ〜」



「使徒とは何なのか?それにミランダ姐さんの種族である魔人との関係。それから前代の魔王から神セオスまで、知ってることは全部話してね」





「そんなにぃ?…さて、何から話せば良いのかしらねぇ〜」





全員が注目する中、ミランダは暫し考えた後彼女の知っていることを語り始めたのだった。

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