表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
クズが異世界を通ります  作者: 山崎トシムネ
第6章「クズ VS 神」
108/130

「偵察」

「…クソがっ!!!!!」




利央は怒りのあまり、近くの木に向かって己の魔力をぶつける。




「リオ様…」



「くっ!…」




王国南部都市モルガンに辿り着いた利央たちの目前に広がっていたのは、数え切れないほどの魔王軍兵士の死体と血生臭い戦いの跡であった。



利央の後ろに控えるジーバ君とゴブ一郎の表情にも、やるせない怒りの感情が見て取れる。




「リオ様…気持ちはわかりますが、ここは抑えてくだされ」




「なんでだよジーバ君!!こいつらみんな俺の部下だったんだぞ?!?!」




「リオ様!!また暴走されては困るんですぞ!!!今のリオ様が暴走されては、我々には止める事は…。シャーリー殿も居ませんし」



「!!…ごめん」




利央は自分の過去を恥じ、素直に謝罪をする。




理性を失い、殺意に支配され、己の手で部下を危険に晒したあの失態は普段何も考えずに過ごしている利央にも忘れる事のない出来事である。




普段と違う利央の様子に2人も若干の困惑を見せる。





「兎に角、敵の様子を伺いましょう。スケルトンウォリアーを送ってみますぞ、彼らの視界を私の視界と同期して…」




「あの骨の戦士ですか…そのような使い方があるとは…」



感心するゴブ一郎を他所に、ジーバ君の操るスケルトンウォリアーが巨大な防壁に守られた都市へと接近していく。




「それにしても…でかい防壁だな。魔法攻撃も防ぐ結界付きとなるとかなり厄介か」




「ですな…ホー君殿が斬り込みたくなる気持ちも分かりますぞ」



「はい…」





そして偵察用のスケルトンウォリアーは戦場となった防壁の前を進んでいく。




「おかしいですな…逃げ帰った者の話では都市からの砲撃があったはず…」




しかしスケルトンウォリアーが攻撃される気配はなく、都市からの反応も無い様子である。



「どうなってんの?!天使が出てくる筈じゃなかったっけ?」



「その筈ですが…」





とここで



「私が様子を見てきます」




「ゴブ一郎…気を付けろよ!!無茶したら許さないからな!」



「はい!!」




そしてゴブ一郎はペガサスに跨ると、都市の上空まで一直線に飛んでいく。




「あのバカ…」



「フォッフォッ、全く…無茶をしますな」





ゴブ一郎は巨大な都市を大きく旋回するように飛んでいるものの…




「反応が…無いね」



「これは、いよいよおかしな状況になってきましたな。スケルトンウォリアーを都市内に入れますぞ」



「頼む」




そしてジーバ君と視界が同期されているスケルトンウォリアーは、巨大な門の脇にある門番用の通路らしき場所から都市内部へと入る。




「どう?ジーバ君」



「おかしいですな…人一人おりませんぞ」



「そんな馬鹿な、こんな大都市だで?!…もういいジーバ君!俺らで直々に乗り込んで…」



利央がそう言いながら歩き出そうとしたその時



「待ってくだされリオ様!!!!!!」



「?!?!どうした?!」




ジーバ君は大声で叫ぶと、続けて…





「に、人間が…喰われていますぞ…」




「は?!?!?!!」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ