設定『最後に、こいつは自殺させよう』
これは、私の意見であり、強要するものではありません。
また、誹謗中傷はお断りします。
小説の大方なストーリーを作るとき、
「最後に、こいつは自殺させよう」
と考えたとしましょう。
そこで、終わっていませんか?
何故彼もしくは彼女を自殺させるのか、その時の心情は、自殺に至る経緯とは、一番大切なのはこの部分だと、私は思います。
私は、なろうで底辺辺りをうろついている者です。
私の名前を知らない方の方が多いと思います。
それは別に、文才がないことだけが理由ではない、と自分で思っています。
なろうにはたくさんの小説家がいて、書籍化している方は、一握りです。
彼らが強くスポットライトを浴びているので、底辺にまで与えるスポットライトは無いのです。
なら、自分で這い上がれば良いじゃないか。
では、どうすれば良い?
知り合いを増やす?
腕を上げる?
宣伝する?
この三つの中から、「腕を上げる」についてお話ししましょう。
では、冒頭に戻りましょう。
「最後に、こいつは自殺させよう」と設定したとき、そこで終わっていませんか?
何故自殺するのか。
「むしろ隠しておいたほうが謎を生む」
謎が欲しいのなら、読者を謎に惹き付ける言葉が必要です。
「俺……母さんの気持ちが、分かったよ」
この一文だけで、あなたは何を想像しますか?
この後に自殺したことを鑑みると、彼の母も自殺したのか?
「母さんの気持ち」って何?
『俺』と『母さん』の間に、何があった?
疑問が生まれてくると、その答えを追いかけたくなるのが読者です。
なので、答えが何処にもない、ということはあってはならないのです。
そのため、『俺』と『母さん』の過去を設定し、それを物語の中でチラチラと覗かせるのです。
『俺は、母さんから暴力を受けていた。そのくせに、勝手に自殺したんだ。一人手で育てることの大変さは知っている。けれど、子供に手を出すことなんてないのに』
この文章から、『俺』が『母さん』を恨んでいたことが分かります。暴力を振るわれていたのに、突然、自殺した。シングルマザーだったので、身寄りのもとへ行くしかない。
きっと、辛いことだったでしょう。
それなのに、彼はどうして『母さん』の気持ちが分かったのでしょうか。
暴力を振るいたくなる理由が分かる、つまり、彼も暴力を振るってしまったということ?
では、どうして?
そんな過去があったのに、暴力を振るってしまった理由は?
彼の人生の一つ一つを決めることで、彼は人間味を出し、『本当に現実にいそう』と思わせることができるのです。
中途半端に決めてしまうと、読者に混乱を招き、一読者が離れていくかもしれません。
それほど、『設定の内側』というのは、たいせつなものなのです。